
0〜2歳|水遊びが子どもを成長させる!〜おうちでできるアイデアも紹介
この記事を書いた人


中川さくら
- 保育士
- 児童指導員
学生時代に障害児福祉を学び、小学校の特別支援教育支援員や療育施設の保育士、学童保育、小学校などで、子どもたちやそのご家族と関わる仕事を約10年ほど経験しました。
今は、保育園に通う1歳の息子がいます。
昔バックパッカーだったので、いつか家族で世界を旅することが夢です。
危険を伴う厳しい暑さの中、保育園や幼稚園に通っていないお子さんとの過ごし方にお悩みではありませんか?
小さなお子さんを連れて遊びに行くのは、用意する物も心配事も多く、簡単なことではありませんよね。
そんな暑い夏におすすめしたいのが、おうちで手軽にできる水遊びです。
子どもは水に触れるのが大好きですが、それだけでなく、水遊びは子どもの成長にさまざまな良い影響を与えてくれる、最高の遊びなんです。
・そもそも赤ちゃんって水遊びさせても大丈夫なの?
・どんなふうに遊んだらいいかわからない
・安全にできるか不安
・子どもを見ながらプールの準備をするのは大変…
そんな疑問にお答えしながら、0〜2歳の年齢別におすすめの「水遊びのアイデア」をご紹介します。

特別な準備がなくても始められるので、おうちでの夏の遊びに取り入れてみてくださいね。
目次
1.おうち水遊びは良いことがいっぱい!
お子さんと過ごす夏の思い出に、プールに行ってみたいと考える方もいるでしょう。
一方で、公共施設のプールに乳児の子どもを連れて行くためには、オムツの問題や熱中症対策、大量の着替えの用意、人混みの中で安全の確保など、気を配ることが山積みですよね。
しかし小さなお子さんにとっては、おうちで水と触れ合うだけでも良い刺激になります。そこでおすすめなのが「おうちで手軽にできる水遊び」です。まずは、おうちでの水遊びのメリットや子どもにもたらす良い効果について解説していきます。
1-1. 子どものペースで水の触れ合いを始められる
初めての水遊びで、もしお子さんが水を怖がる場合でも、おうちならお子さんのペースに合わせて水との触れ合いができます。
・手や足で水に触れる
・濡れた手で優しく顔に触れる
・ジョウロから出てくる水に手を伸ばす
・水を入れたコップを倒す
など、お子さんの表情や反応に合わせて遊ぶことで、恐怖心を感じることなく水に慣れていくことができるでしょう。
また、公共のプールに行こうとしても行くまでの道中で寝てしまったり、激しく走る大きなお子さんがいたりして、予定していたように遊べないということもありますよね。しかしおうちでの水遊びなら、お子さんのお昼寝のタイミングやご機嫌を優先して取り入れることができます。
1-2.五感を刺激して豊かな感性を育む
水遊びでは、水のひんやりした気持ちよさや、掴もうとしても流れていく感触、水の流れる音、手のひらで叩くと上がる水しぶきや、太陽でキラキラ光る水面など、室内遊びでは経験しない感覚をたくさん味わうことができます。
愛知教育大学教育学部の教授である竹井史さんは、水遊びの素晴らしさを以下のように述べています。
「子どもは水と触れ合って遊びたがるようになるわけですが、その時に一番、重要なのは『気持ち良さ』です。子どもの遊びのなかで最初のベースになるものとして『感覚遊び』というのがあります。目や耳、皮膚感覚など、五感を通して自然物と接していくなかで、様々な物事に対する認識を深めていきます。そんな遊びのなかで、水は子どもの感覚を磨いてくれる万能素材なんです。」
大きなプールのような特別な設備がなくても、水と触れ合うこと自体が子どもを豊かにしてくれることがわかりますね。
1-3. バランス感覚、身体能力を鍛えられる
水の中では、歩くだけでも普段とは違う全身の筋肉を使います。また、水の抵抗や水圧がある中で体を支えようとするため、バランス感覚も必要です。
楽しく遊びながら、自然と身体能力を鍛えることができるのも、水遊びの大きなメリットでしょう。
身体を使って遊べる「動物モノマネ歩き」を3-3でご紹介しますので、歩行が安定したお子さんとの遊びの参考にしてみてください。
1-4. オムツの心配がなく水遊びができる
小さなお子さんと公共のプールに行く際の心配ごとの1つに、オムツの問題があります。
紙オムツは水を吸収してパンパンになってしまうため水遊び用パンツもありますが、そもそもオムツの外れていないお子さんは禁止と決められている施設もたくさんあります。
おうちでの水遊びであれば、万が一プール内でおしっこが出てしまっても、水をすぐに取り替えたり、シャワーで体を流したり、すぐに対処することができます。
周囲への迷惑を心配せず遊びに集中できることは、大人にとっても安心感がありますよね。
水遊び用パンツは、おしっこは外へ流れてしまいますが、うんちはパンツで受け止められるので、心配な場合はおうちでの水遊びの際にも着用させると良いでしょう。

次に、0〜2歳のお子さんとどんなふうに水遊びをしたら楽しめるのか、具体的なアイデアを年齢別にご紹介します。
2.【0〜1歳のおうち水遊びアイデア】水と楽しく触れ合おう!
0〜1歳頃のお子さんの水遊びのポイントは、「楽しく水に慣れること」。大きなプールを用意する必要はなく、お風呂場やベランダで手軽にできるうえに、水との触れ合いは赤ちゃんにとって非常に良い刺激になります。
お子さんの体調の良い時に、短時間からぜひ始めてみてくださいね。
2-1.水に触れるだけでOK
おすわり前の赤ちゃんはバスチェアなどを使うと安心です。10㎝ほどの少量の水で十分遊ぶことができます。
おすわりが安定したら、タライや衣装ケース、大きめのバケツなど家にあるものでもプールの代わりになります。
また、プールという形にこだわらず、レジャーシートに水を撒いてその上に座り、ピチャピチャと水に触れたり、小さなバケツをひっくり返したりするだけでも水の感触を楽しむことができます。
お座りができるようになってもバランスを崩すことがあるため、周囲に固い物がないよう注意して、大人が支えられる距離で見守りましょう。
0歳児は体温調節が苦手なので、水が冷たくないように気をつけて、腕や足から少しずつぬるま湯をかけてあげると良いです。水に浸かっているだけでも体力を使うので、15分程を目安に切り上げてくださいね。
2-2.家にある物を使って、感触遊びをしよう
さまざまな感触を知る、楽しむことを「感触遊び」と言います。
感触遊びを通して触覚、視覚、聴覚など五感をたっぷり刺激すると、感覚の発達を促したり、興味を持って遊ぶ中で好奇心を育てたりしていくので、特別なおもちゃが無くてもお子さんの成長に良い影響を与えてくれますよ。
身近にある材料を使って、感触遊びをより広げることも可能です。たとえば、
・スポンジニギニギ
〜スポンジ(握りやすいサイズに切ってもOK)に水を含ませて握る。握ると水が出る変化を楽しみながら、手や指の発達を促します。
・水のお手玉
〜ビニール袋に水を入れて縛るだけ。ぽよんとした独特の感覚、掴むと形が変わる水の不思議さなどを味わえます。
※参考:ほいくる
「ギュッギュ」「ぷにぷに」など擬音を使って、感触と言葉を結びつけていく声かけもおすすめです。まだまだ何でも口に入れてしまう時期なので、小さすぎるものは避けるよう注意してくださいね。
2-3.手や指先を使って遊ぼう
1歳頃のお子さんは、手や指先を使って遊ぶことを好むようになっていきます。この頃には以下のような遊びがおすすめです。
・ジョウロで水車に水をかけて回す
・大人が手で水流を作り、子どもが葉っぱを浮かべる(水流に乗って流れる)
・スコップで水をすくって鍋に入れる
など、どれも単純な動作ですが、「自分の動作で何かが動く、変化する」というのが楽しく、何度も何度も繰り返して遊ぶでしょう。
2-4.大人とのスキンシップを楽しもう
安定して歩けるようになってきたら、浴槽の中でも水遊びがしやすくなります。
お風呂感覚で大人と一緒に入り、スキンシップをとりながら簡単なやりとり遊びを楽しむ、良いコミュニケーションの機会になります。お子さんも安心して遊ぶことができるので、水遊びを怖がることなく「うれしい、楽しいもの」と感じることができますよ。
たとえば、「ペットボトルから2つのコップに水を分けて『カンパイ!』」など簡単なやりとりでも、「一緒にやる」ことでお子さんはとても嬉しい気持ちになれるのです。
3.【2歳のおうち水遊びアイデア】遊びを発展させよう!
2歳頃になると、イメージを膨らませて遊べるようになったり、簡単な言葉がわかるようになったりするので、さらに発展した遊びを楽しめるようになっていきます。
子育てをしていると、「いつのまにか、こんなことまでできるようになっていた」と驚くことがありますね。そんなお子さんの成長も感じながら、一緒に楽しんでみてくださいね。
3-1. おままごと遊びで発想力を育もう
2歳頃といえば、おままごとを楽しめるようになるお年頃です。
凝ったおままごとセットがなくても、豆腐やゼリーなどの空き容器があれば十分です。シンプルな道具の方が、子どもは柔軟にイメージを膨らませて本物に見立てる「見立て遊び」をするようになり、発想力や想像力をより豊かに育むことができます。
・お鍋に水を入れて、お庭の葉っぱを浮かべてスープ作り
・おたまで空き容器に水を注いでごはん屋さんごっこ
など水を使って遊べる分、普段のおままごと以上に熱中して楽しむことができるでしょう。
「ごっこ遊び」では役割のある遊びもわかるようになってくるので、「リンゴジュースくださいな」など、大人がお客さん役になってあげると、より盛り上がりますよ。
3-2. 泡、色水などを使って遊びの幅を広げよう
2歳を過ぎた頃から、「口に入れても良いもの」と「いけないもの」が少しずつわかるようになっていきます。
「これは食べられないよ。口に入れてはダメだよ。」ということをお子さんが理解できるようになると、さらに遊びの幅が広がっていきます。
・石けんを泡立てて、盛り付けてアイスクリーム作り
・絵の具を溶かして色水を作って本格的なジュース作り
など、室内遊びではなかなかできない刺激的な経験をすることができます。お水遊びでは汚れてもすぐに洗えるため、大人もおおらかな気持ちで見守れるのではないでしょうか。
「食べるふり」「飲むふり」で遊べるようになってきたら、取り入れてみてくださいね。
3-3. 動物モノマネ歩きで楽しく身体を使おう
まねっこ遊びができるようになった頃のお子さんとは、お水の中で動物のモノマネ歩きで遊ぶのがおすすめです。
たとえば、
・犬(四つ這い)
・アヒル(しゃがんだまま歩く)
・カエル、うさぎ(ジャンプ)
・カニ(横歩き)
・ワニ(腕をついて足を伸ばし、腕だけで進む)
など、お子さんの知っている動物になりきって、ママやパパと一緒に歩いてみましょう。大人の足でトンネルを作って、その間を動物モノマネで通るなど、アレンジ次第で飽きずに遊べます。
1-3でもご紹介したように、水の抵抗がある中で体を使うと、体幹を発達させたりバランス感覚を養ったりすることができます。身体を存分に使うことができるので、室内遊びでは体力が有り余ってしまうお子さんにもおすすめです。
ちなみに、筆者の子ども(2歳)は顔に水がかかるのが少し苦手ですが、動物になりきっている時は顔にかかっても気にならないようなので、楽しく水慣れできる遊びにもなりそうです。

2歳頃のお子さんにとっても、水の中にいることはとても体力を使います。20〜30分程を目安にして切り上げるようにしましょう。
4.おうちで水遊びをするときの注意点
次に、おうちで水遊びをするときに気をつけたいポイントを解説します。安全に楽しむことができるよう、事前に注意点をチェックしておきましょう。
4-1. 気候や水温に配慮する
ベランダやお庭など屋外で遊ぶ時には、直射日光が当たらないよう日除けをつけたり、日焼け止めやラッシュガードを使ったりして、強すぎる紫外線からデリケートな肌を守るようにしましょう。
熱中症や肌の炎症を予防するためにも直射日光は避けて、水分補給も忘れずに行なってくださいね。
気温が低い日や風が強い日は体が冷えてしまうため、屋外よりもお風呂場などの方が安心です。屋外で水遊びをするときは、気温28度以上を目安にすると良いでしょう。
また、水道水は真夏でも冷たいので、朝から水を張っておいて太陽で温めたり、お湯を足して調節したり、入る前に大人が水を触って確認してみてください。
4-2. 水遊びを無理強いしない
お子さんの中には、いくらお水が好きでも顔に水がかかるのを嫌がる子もたくさんいます。
嫌がるお子さんに、いきなり頭から水をかけたり、むりやり水の中へ誘ったりすることは避けましょう。一度「水は怖いもの」と印象がついてしまうと、水遊びが苦手になる可能性があります。
水遊びをしたがらない場合は、外やお風呂で水の入ったコップをひっくり返す、水を溜めた器に手を入れてバチャバチャする、などでも十分です。
水に触れること自体は好きな子が多いので、普段なかなか室内ではさせてあげられない水との触れ合いが、水遊びへの第一歩になります。
4-3. 子どもから目を離さない
0〜2歳に限らず、小さなお子さんはたった数㎝の浅い水でもおぼれてしまう危険性があります。
タライや浴槽に入れるぬるま湯は少量にして、水遊び中はお子さんから少しの時間でも絶対に目を離さない、背を向けないようにしましょう。
歩けるお子さんでも滑って転倒してしまうこともあるため、手を繋いだりすぐに支えられるようそばにいましょう。
4-4. ご近所に配慮する
マンションなどでは、ベランダでのプールが禁止されている所もあるので、念のため事前に確認しておくと安心です。
それ以外にも、
・水の出ているホースを子どもに持たせない(通行人や洗濯物に水をかけないように)
・遊び終わった水を流す際には隣家に配慮する
・叩くと大きな音が響くような物を子どもに持たせない
など、住んでいる環境によって気をつけることは異なりますが、通行人やご近所とのトラブルにならないよう、できる限り配慮しておきましょう。
5.おうちでできる水遊びで暑い夏を楽しもう
今回は、水遊びが子どもを成長させる理由と、おうちで手軽にできる水遊びアイデアや注意点をご紹介しました。
水との触れ合いを通して、お子さんたちの健やかな成長に寄り添いながら、ママやパパの気分転換にもなったら幸いです。
今年の夏しか見られない、お子さんの今の姿を楽しみながら、水遊びで親子の思い出をつくってみてくださいね。
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