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後悔しないモンテッソーリ保育園・幼稚園選びでチェックすべきポイントは?

この記事を書いた人

tsuki tsuki

tsuki

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

幼稚園教諭、保育士資格所持。

モンテッソーリ教育法について学び、

現在はモンテッソーリ教育を取り入れた私立幼稚園に勤務し、クラス担任をしています。

スポーツや体育など体を動かすことが得意で、毎日子どもたちと楽しく過ごしています!

子どもの個性や才能を伸ばす教育法として、世界でも注目されているモンテッソーリ教育。

最近では、将棋界で活躍する藤井聡太さんが受けていたことで話題になり、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

モンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園・保育園もあり、お子さまを通わせようか考えているお父さん・お母さんもいるでしょう。

しかし「モンテッソーリ教育を取り入れている園に興味はあるけれど、どんなメリット・デメリットがあるの?」「どうやって選べばいいの?」といったお悩みもあるのではないでしょうか。

そんな保護者の為に、モンテッソーリ教育を実施している幼稚園・保育園のメリットやデメリット、そして園選びのポイントを紹介します。

この記事では、現代の保育現場の状況や教育者視点からの解釈を織り交ぜながら説明するので、モンテッソーリ教育をより深く知ることができます。

モンテッソーリ教育の良さを知って、お子さまの園選びの参考にしてくださいね。

 

目次

1.モンテッソーリ教育のルーツや教育方針とは?

まずは、モンテッソーリ教育がどうやって誕生したのか、どのような考え方で教育を行っているのか、詳しく見ていきましょう。

 

1-1.モンテッソーリ教育の起源

モンテッソーリ教育の起源は、1907年のイギリスに遡ります。

提唱者はイタリア初の女性医師・マリアモンテッソーリという人物で、従来の教育法にはなかった、子どもたちの主体性に合わせた教育法です。

マリアモンテッソーリは、知的障害児の治療教育に携わる中で、指先を使った「感覚的な刺激」が知能を高めることを発見しました

その後、生理学や精神医学の研究に没頭し、独自の幼児教育法としてモンテッソーリ教育を確立させたのです。

 

1-2.モンテッソーリ教育の教育方針

モンテッソーリ教育は、全ての子どもたちを『子どもは生まれながらにして、自分から学ぶ力が備わっている』と、捉えています。

子どもたちの探求心や自発的行動を大切にしている考え方です。

例えば、生後6か月頃にみられる、ティッシュ出しやコップをひっくり返すなど、ついつい注意したくなるイタズラも、子どもの「なんだろう」「気になるな」を表現する大切な行動として捉えます。

だからといって、子どもの行動を全て受け入れるということではありません。

モンテッソーリ教育は、子どもの発達や興味に応じた玩具や場所を整える『整備された環境』で行われます。

さらに、集団や日常の中でも取り入れることで、人との関わり方や生活習慣を学べるようになっているのです。

 

 

2.モンテッソーリ保育園・幼稚園のメリットやデメリットとは?

モンテッソーリ教育は、子どもたちの成長や興味に寄り添い、のびのびと活動できる環境が特徴的です。

モンテッソーリ教育を取り入れている園では、こういった教育方針に沿って、子どもたちだけで生活できるような環境や、保育形態を整えていることが特徴として挙げられます。

ここでは、モンテッソーリ教育を『物的環境』『人的環境』『玩具』という3つの視点で捉え、それぞれのメリットやデメリットを解説していきます。

客観的な情報と、実際に園で働く教育者の観点を織り交ぜてご紹介するので、教育論の違いや子育てなどの参考にされてみてください。

 

2-1. 物的環境のメリット・デメリット

物的環境とは、教材や遊具などの環境を指します。

モンテッソーリ教育の物的環境は、独自の教具や自立を促す生活用具などが特徴的です。

同じ絵柄を合わせて認識力を高める『絵合わせカード』や文字の理解を深めるために文字を上からなぞることができる『なぞり文字』など、子どもの発達や興味に応じた玩具が存在します。

 

モンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園・保育園では、教具を自由に選択して活動する『お仕事の時間』が設けられています。

お仕事の時間は、『順番を守る』や『玩具を丁寧に扱う』など最低限のルールの中で、自由に活動できる環境が整えられています。

活動を積み重ねることで、子ども1人1人の発達段階や成長を促すことができる仕組みになっているのです。

 

こういった環境が整っていることで、自分で行動を選択して活動をし、積極性や主体性を養えるというメリットがあります。

 

その反面、必然的に個別活動が増えたり室内活動が多くなったりすることが、デメリットの1つと言えるでしょう。

そのため、モンテッソーリ教育を取り入れている園は、戸外活動を増やしたり、週に1回は体操教室を行ったりとデメリットを考慮した上で保育を計画している園もありますよ!

 

2-2.人的環境のメリット・デメリット

人的環境とは、社会や組織、人々の雰囲気や価値観などを指します。

モンテッソーリ教育においての人的環境は、クラス編成や教師の関わりが特徴的な要素です。

 

お仕事の時間で、教師は過度に介入せずに子ども自身の力だけで活動できるように配慮しています。

そのため、自分のやりたいことを満足するまで行うことで情緒が安定したり、自然に考える力が身についたりすることがメリットです。

一方でモンテッソーリ教育を取り入れると、自己中心的な思考に陥ってしまったり、協調性が育たなくなるのではないかといった批判的な意見やデメリットがたびたび挙がることもあります。

 

しかし、現代のモンテッソーリ教育は、縦割りクラスを導入している園があったり、子ども同士でお仕事を教え合ったりする様子が見受けられます。

他者との関りや異年齢交流を大切にしているため、デメリットを他の環境や活動でカバーできているのです。

 

2-3.モンテッソーリ教具のメリット・デメリット

モンテッソーリ教育の中核を担っている、独自の教具を使った活動。

その教具は、『日常生活』『感覚』『言語』『算数』『文化』という5領域に分かれていて、子どもの発達段階に応じた教具が用いられているのです。

 

例えば、3歳の子どもは日常生活の練習になるボタンを開け閉めする『着衣枠』といった教具や、5歳くらいの子どもが楽しめる、50音の文字を使って文法を知ることができる『文字並べ』という教具があります。

子ども自身が、教具を選択しそれぞれの分野で理解を深めることができるのです。

感覚を研ぎ澄ますことで五感が発達したり、数教育で数を知り数量のイメージを深めることができたりと、5領域それぞれにメリットがあります。

しかし、教具があるからこそ室内活動が多くなったり、活発な子だと飽きてしまったりという点がデメリットとして挙げられることもあります。

 

モンテッソーリ教育を取り入れている園は、そのデメリットを補うために午後は戸外活動を行ったり、子どもたちの状況に合わせて活動時間を短くしたりと、様々な工夫を凝らしています。

教具があるメリットとデメリットを知ったうえで、園の実態や保育の流れをチェックしてみてくださいね。

 

モンテッソーリ教育を取り入れている園では、メリットやデメリットを考慮して保育形態や計画を立てています。

園の特色や環境によって、メリットやデメリットに違いが出てくるので、子どもの成長のために何を大切にしているのか、園と保護者の相互理解が大切です。

 

 

3.モンテッソーリ教育を取り入れた園選びのポイントや注意点

モンテッソーリ教育を深く知るには、教育方針や教具などの専門知識が必要です。

しかし、独学で勉強をするのは難しいことですよね。

モンテッソーリ教育を取り入れている園を検討している保護者の方の為に、モンテッソーリ教育者から見た園選びのポイントや注意点をご紹介します。

お子さまの成長や教育で大切にしたい要素を踏まえて、園選びの参考にしてみてくださいね!

 

3-1. 職員や在園児童の人数

モンテッソーリ教育者の人数やレベルによって、提供のクオリティーに差が出てしまいます。

お仕事の時間を大切にしたい保護者の方は、園の職員数や教育体制を詳しく知る必要があります。

 

さらに注意するべき要素は、在籍している園児の数です。

園にモンテッソーリ教育の資格者がいることや提供のレベルが高くても、在園児が多くてお仕事に取り組める十分な時間がなかったり、教育者の目が行き届いていなかったりすることがあります。

園児と職員の比率を確認して、どのような雰囲気でモンテッソーリ教育が行われているのか、チェックすることが重要です。

また、園児や教職員の配置などはモンテッソーリ園に限ったことではなく、一般的な幼稚園・保育園選びにも重要なポイントですので、必ずチェックしてみてくださいね。

 

実際の園見学では職員全体の人数や配置に加え、園全体の環境を確認して、子どもたちとどのような雰囲気で保育を行っているのかを確認しましょう。

保育者と子どもたちの日常的な関りを直接見ることができるので、気になっている園がある場合は、実際に足を運んでみることをおすすめします。

 

3-2.保育の形態や活動の流れ

モンテッソーリ教育を取り入れているといっても、教具を使って活動する時間が少なかったり、モンテッソーリ教育を一部だけ取り入れていたりと、どのくらい取り入れているかは園によって様々です。

その違いを知るために、まずは園のカリキュラムや一日の流れを見てみましょう。

モンテッソーリ教育を主軸に保育を行っている園は、午前中に教具を使った活動を行ったり、学年別で1つの教具をみんなで活動したりするカリキュラムが組まれています。

 

しかし、環境のデメリットでもご紹介した通り、モンテッソーリ教育では協調性の欠如や室内活動の偏りなどが起こってしまう場合があります。

そのデメリットを補うために、同年代の子ども同士で活動する時間や戸外活動を増すことなど、園それぞれで保育計画をしています。

他にも、3~5歳児でクラスを編成している縦割り保育形態を導入している園も多く、デメリットを逆手に取って他者との関わりや協調性を大切にしている園もあるのです。

 

デメリットに対して、園や教育者がどのようなアプローチをしているのか、保育の形態や流れを知って判断してみてくださいね。

 

教育方針と実際のカリキュラムに注目!

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モンテッソーリ教育を取り入れている、といっても、「子どものために何を重要視しているのか」は園によって様々です。

園を選ぶ際には、掲げている教育方針を実現するためのカリキュラムが、具体的にどう組み込まれているか、というところまで踏み込んでリサーチできると良いでしょう。

実際に気になる幼稚園や保育園に足を運んだ際に、子育ての悩みやカリキュラムについて職員に質問してみると、モンテッソーリ教育に対しての姿勢や園での現状を知ることができます。

具体的な保育内容や現状を知って、お子さまの個性に合った園を選べるといいですね。

 

 

4.子どもに合ったモンテッソーリ園を選ぼう!

モンテッソーリ教育法を取り入れている幼稚園・保育園では、子どもの興味や好奇心に寄り添い、子どもたちが主体的に思う存分活動することができる環境を整えています。

一方で、モンテッソーリ教育にはメリット・デメリットもあり、園によって何を重要視するか、メリットを生かすのか、デメリットを補うのかなど、その特徴は様々です。

園を選ぶときは実際に足を運び、保育環境を見たり話を聞いたりして、判断することをおすすめします。

お子さまに合った園を見つけることができるように、今回ご紹介したポイントも参考にしながらリサーチしてみてくださいね。

 

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