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【6歳】人の物を勝手に見て触る行動を減らすポイントや伝え方

この記事を書いた人

中川さくら 中川さくら

中川さくら

  • 保育士
  • 児童指導員

学生時代に障害児福祉を学び、小学校の特別支援教育支援員や療育施設の保育士、学童保育、小学校などで、子どもたちやそのご家族と関わる仕事を約10年ほど経験しました。

今は、保育園に通う1歳の息子がいます。

昔バックパッカーだったので、いつか家族で世界を旅することが夢です。

「人の物を勝手に見てしまう」「触ってはいけない物を触るのが、やめられない」
そんなお子さんの行動に悩んでいませんか?

CONOBASにも、6歳のお子さんのママから「『人の物を勝手に見て触るのはだめ』と伝えてもやめられません。」というお悩みが届きました。

今回は保育士、児童指導員の資格を持ち、療育施設や小学校などで多くのお子さんやご家族のサポートをされてきた中川さんにお話をお伺いしました。

(CONOBAS 編集部)

 

 

人の物を勝手に見て触ってしまう…

家のあちこちの引き出しを開けて、勝手に出してきてしまいます。

人のものを勝手に見て触るのはだめだと伝えても辞めれません。どうしたら良いでしょうか?

同じような悩みを持つママパパの中には、「これから小学校に上がったら、お友だちとトラブルにならないかな?」「よその家で失礼なことをしたらどうしよう…」と、我が子を心配に思う人もいるでしょう。

子どもは成長と共に親元から離れて、友だちと過ごす時間や新しい人と関わる機会が増えていきます。だからこそ、「マナーを身につけてほしい」「良い人間関係を築いてほしい」と願うのが親心ですよね。

 

6歳は自立心や自制心、判断力などがグンと育つ時期です。

「人の物を勝手に触りたくなってしまう」お子さんの気持ちに寄り添いながら、この行動を減らしていく対応を考えていきましょう。

 

目次

 

1.人の物を勝手に触ってしまう・見てしまう理由

 

1-1.好奇心が勝つ

6歳のお子さんは、「勝手に見たらだめ」と注意されれば概ね理解できる年頃である一方で、とても好奇心旺盛な時期です。

そのため、「何が入っているんだろう」「どんな感触なんだろう」「前に見た時と違うかな」そんなふうに溢れ出る好奇心が先に立ってしまうことがあります。

「知りたい」という強い欲求のために、「だめかどうか」考える前に、行動を先に起こしてしまうのです。

また、やりたい気持ちを抑える「自制心(セルフコントロール)」は、4〜5歳から育ち始めると言われています。

まだまだ成長過程のため、好奇心を抑えることは6歳のお子さんにとっても、容易なことではありません。

 

1-2.社会的ルールを少しずつ理解している段階

自制心だけでなく、社会性や道徳の理解も5歳頃から育ち始め、6歳頃に大きく成長すると言われています。

保育園など集団生活の中でたくさんの人と関わり、楽しいことばかりではなく、時には我慢する経験も積みながら、道徳の理解、つまり「やっていいこと、悪いこと」の判断ができるようになっていきます。

公共のルールや、お店でのマナーなど、社会の中で必要なことも大人に教わりながら獲得していく時期です。

社会性やルールを覚えていく途中なので、「人の物を触ること」が悪いことだと、自分の力で判断することはまだ難しい場面もあります。

ママパパにとっては苦労に感じる時かもしれませんが、この時期こそ、自立に必要な力を育む大きなチャンスとも考えられます。

 

 

1-3. 実行機能の発達が未熟

実行機能とは、目的に対して良い結果を出すために自分の欲求や思考、感情をコントロールする能力のことで、幼児期に著しく発達すると言われています。

目標達成のために注意散漫にならず1つのことに集中する、無数の情報の中から必要な物を整理する、自分の衝動を制御して適切に行動する、なども実行機能の発達によってできるようになります。
この実行機能の発達がまだ未熟な場合や、お子さんの特性によって苦手がある場合、「見たい・触りたい」という衝動を抑えることが難しい可能性があります。

 

これらの理由に、すべてのお子さんが当てはまるとは限りません。思い当たる理由がない場合はお子さん本人に「触りたい」「見たい」理由を尋ねてみましょう。

子どもは、大人と違う独自の感性を持った天才です。大人の想像ではわからない、お子さんなりの理由が理解できれば、解決方法も考えられるかもしれません。

ここからは具体的な対応のアイディアやヒントを3つのポイントに分けてご紹介します。

 

2.勝手に触ってはいけない理由を一緒に考える

まずは1つ目のポイント「勝手に触ってはいけない理由を考える」です。お子さんに合いそうな方法があれば、ぜひ試してみてくださいね。

 

2-1. 理由や解決策を「自分で」考える

6歳頃のお子さんは、「自分で考えて行動する力」がメキメキと伸びる時期なので、「勝手に触ってはいけない」と一方的に教えるよりも、なぜだめなのか、お子さんと一緒に考えてみましょう

例えば、勝手に人の引き出しを開けてしまう場合は、「どうしてダメだと思う?」と聞いてみましょう。
「ママの引き出しだから」「ママの大事な物が壊れちゃうから」など、お子さんが考えた答えには、「すごいね、よく考えられたね。」と、まずは受け止めて褒めてください。

「もし勝手に触って、大事な引き出しが壊れちゃったら、ママはどんな気持ちだと思う?」と、人の気持ちを想像する練習をしたり、「どうしても開けたい時は、どうしたら良いかな?」と、解決策を考えたりすると良いでしょう。お子さんは、人に言われたことよりも「自分で出した答え」の方が、納得しやすいのです。

一度考えただけではまた繰り返してしまうかもしれませんが、根気強く続けていくことで「自分で考える力」を育てていきましょう。

 

2-2.子どもの想像しやすい物に置き換えてみる

自分で考えさせると言っても、はじめからはなかなか難しいかもしれません。
そんな時は、お子さんにとって想像しやすい物に置き換えて、伝えてみてください。

「○○くんの大切な車のおもちゃを、勝手に使われたらどう思う?」「使い方がわからなくて、壊されちゃったらどんな気持ち?」など身近な物に例えると、想像しやすくなります。
「ママにとっては、その車と同じくらい大切な物なんだ。」と、勝手に触られたら嫌な気持ちを、お子さん自身が想像できるように手助けしていきましょう。

 

3.できたことを褒める

2つ目のポイントは「できたことを褒める」です。
良い行動を習慣化したいときに大切なのは、具体的にどんなところが良かったのかを伝えてあげることです。

ここでは2つのシチュエーションをお伝えします。

 

3-1.「触って(見て)いい?」と聞けた時

勝手に触らずに、相手に許可を取る練習を普段からしてみましょう。

自分の物以外は、勝手に見たり出したりしてはいけないと教えた上で、どうしても興味がある場合は「触っても良い?」「開けても良い?」と先に尋ねることで、大きなトラブルを防ぐことができます。
お子さんが聞くことができたら、「勝手に開けないでえらかったね、がんばったね」「『開けて良い?』って上手に聞けたね。」など、具体的な言葉にして褒めてあげましょう。

もしできれば、見せてもらった後に「ありがとう」とお礼が言えるようになると、さらに素敵ですね。

 

3-2.触らずに我慢できた時

触らずに我慢できた時には、その場ですぐに褒めてあげてください。

「今、触りたかったのに見るだけで我慢したんだね」など、具体的に努力を認めてもらえることで、お子さんは良い行動を学習していくことができます。

さらに、「自分にもできた」と自己肯定感を高めることにも繋がります。

相手から「触ってはダメ」と言われてしまった時も、「触られると嫌な物もあるんだね。がんばって我慢できてすごいね。」など、お子さんができたことに注目して褒めてあげてくださいね。

 

4. 好奇心を満たす

3つ目のポイントはお子さんの子どもの好奇心を満たすことです。

 

4-1.触って良い物はたくさん触らせる

はじめにも書いたように、6歳頃のお子さんは知的好奇心が大きく伸びる時期です。
好奇心ゆえに疑問を持つことも多くなり、「なぜ?どうして?」と知りたい欲が溢れてくるのは、喜ばしい成長の証です。

「知ることが楽しい」という経験は、脳の活動を促進すると言われています。

家の中の物だけでなく、博物館や動物園、水族館など、お子さんの興味に合わせてたくさん好奇心を刺激し、満たしてあげましょう。

外に出ることで、公共の場で触って良い物といけない物を区別する機会も経験できます。

楽しい学びの場面で、マナーや社会ルールも身につけていけたら良いですね。

 

4-2.いつでも見て良い自分だけの引き出しを作る

お子さんが好きな時に見て、出して、自由に使える引き出しや机などを用意するのも良いでしょう。

誰にも許可を取ることなく、触っても叱られることがない「自分だけ」の場所があると、気持ちの発散にもなりますし、「自分の物」という感覚を身につける経験にも繋がります。

また、子どもは親の行動を思った以上によく観察しているので、この引き出しはママ・パパが勝手に開けないように気をつけましょう。

「開けてもいい?」と、たまにはお子さんが聞かれる立場になるのも、相手の気持ちを経験する良い機会になるかもしれませんね。

 

5.好奇心は生きるエネルギーになる

お子さんが成長するにつれ、「人の物は勝手に触らない」というような、社会の中でのルールや善悪の判断を教えていくことは、子育ての過程の中でもとても神経を使う、大変なことだと思います。

特に、年長さんから小学校低学年くらいの「中間反抗期」とも重なり、お子さんの対応にヘトヘトなママ・パパも多いかもしれません。

しかし、お子さんから溢れ出る知的好奇心は、成長の証であり生きようとするエネルギーです。

自分の人生を自分の力で、楽んで生きていく力に繋がります。「見たい、触りたい」気持ちそのものは否定せず、場所や相手に合わせて調整していく力を養っていけたら良いですね。

 

 

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