image-9516

いつから始める?早期英語教育のメリット・デメリットを保育英語講師が解説

この記事を書いた人

山﨑 山﨑

山﨑

  • 幼稚園教諭
  • 小学校教諭
  • 児童英語講師
  • 保育士

保育士、幼稚園教諭、小学校教諭、児童英語講師の免許所持。

子どもが大好きで心の繋がりを重視した保育や教育を大切にしています。

世界の保育事情や幼児教育にも興味があり、実際にニュージーランドの保育施設で働いた経験もあります。

ニュージーランドで英語の大切さに気付き、現在も日本の子どもたちに英語の楽しさを伝える活動もしています。

一児の母として、バイリンガル教育にも力を入れています。

グローバル化が進む社会において、最近よく耳にする早期英語教育

英語は早くから学び始めた方がいいの?そもそも「早期英語教育」って、いつ、どんなことをするの?
「早期英語教育」のメリットやデメリットは?

このような疑問を抱いている保護者の方も多いのではないでしょうか。

今回は、保育英語講師の視点から早期英語教育の効果や、メリット・デメリットに加え、幼少期の英語教育において心掛けたいポイントを経験も交えてお伝えします。

早期英語教育のポイントを理解し、お子様も保護者の方も楽しく英語を学んでいけると良いですね。

目次

1.いつから始める?早期英語教育とは?

「早期英語教育」は早期「英語教育」の2つの要素に分けることができます。
まずは、早期とはいつからのことを指すのか、英語教育とはどのような教育を指すのかを説明していきます。

 

1-1.早期英語教育はいつから行うの?

一般的に、中学校入学前に英語学習を行うことを早期英語教育と呼びます。

2011年に、小学校の英語活動が学習指導要領に盛り込まれ、その後2020年に小学3.4年生は外国語活動が必修化、小学5.6年生は教科化されました。
英語教育が身近になってきたのは、まだ最近のことですね。

近年では保育園や幼稚園でも英語教育を取り入れるところが増えています。

実際に小学校入学前や入学したタイミングで英語や英会話の習い事を検討される方も多いのではないでしょうか。
これらのことを踏まえ、今回の記事では子どもが幼児期・小学校時期の早期英語教育にフォーカスを当てていきます。

 

1-2.早期英語教育は何をするの?

日本の英語学習というと、「読む・書く」や文法の正確さを重視する傾向があり、その結果、コミュニケーション手段としての英語力が不足しているというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

アジア圏では、1996年にタイが、そして1997年から韓国が小学校での英語教育を必修化し、その後、中国も2001年から導入しています。
一方、日本での必修化は2020年ですので、指導内容だけでなく、導入においても他国より遅れを取っているように感じますね。

しかし、日本も英語大改革と言われるような大きな変化があり、小学校で学ぶもの内容は、日常生活に即したものであり、「聞く」「話す」を中心とした指導計画になりました。
これは学んだことを実際のコミュニケーションに活かせるようにするための意図があります。

グローバル化が進み、人と人とのコミュニケーションに重きを置くようになった英語教育。
幼児期の早期英語教育では、この教育の基盤を築くために、日常生活や遊びの中に英語を取り入れ、子どもたちが自然に英語を習得できるようにしていくことを大きな方針としています。

 

 

2.早期英語教育を行うメリットは?知っておきたい3つの重要ポイント


英語教育は「〇歳から始めた方が良い」といった決まりはありません。
しかし小学校でも英語が必修化されるなど、早期英語教育が重要視されるようになった背景には何があるのでしょうか。
ここでは「臨界期」「英語耳」「英語脳」の3つのポイントを取り上げ、幼児期に英語教育を始めるメリットをご紹介します。

 

2-1.臨界期~英語の発音に関するメリット~

メリットの一つ目は、英語の発音に関して、深い関係がある臨界期です。
臨界期とは、ある一定の年齢を過ぎると、言語の習得が困難になるまでの時期を呼びます。

臨界期は感受性期とも呼ばれ、この時期は、自分を取り巻く環境に応じて脳内で覚えたり感じたりする神経回路が集中的に作られたり、回路の組み替えが盛んに行われたり、最も感性豊かな時期です。
臨界期は、一生のうちで一度しか訪れないと言われています。

臨界期に、適切な刺激を与え、脳が記憶をしておけば、後の年齢でも少し練習をするだけで、ごく自然に簡単に同じ事が出来るようになるのです。
つまり幼児のうちに様々な刺激を与えていくことが非常に大切だと言うことになりますね。

英語の音やアクセントなどの習得に関して、臨界期の存在そのものについては、様々な見解があります。9~12歳と唱える研究者もいれば、それよりもっと遅くに来ると唱える研究者もいます。

しかし、年齢が上がるにつれて発音獲得の能力が低下する傾向があることは、ほとんどの見解が一致しているようです。
そのため「臨界期」の観点から考えると、言語獲得能力が高まっていく幼児期は、英語学習を始めるのに適した時期だといえるでしょう。

 

2-2.英語耳~英語の聞き取りに関するメリット~

メリットの二つ目は、英語の聞き取りに関して必要な英語耳です。
英語耳とは、英語の発音を聞き取ることができる状態のことを言います。

この英語耳という言葉には明確な定義はありません。

しかし言葉の聞き取りは英語だけでなく、コミュニケーションにおいても大切です。

この英語耳は、大人になっても鍛えることはできますが、英語には日本語にはない音がたくさんあるので音に敏感な幼児期こそ自然と身に付くものなのです。

例えば日本人にとって苦手とされるRとLの発音は、幼児期から聞き慣れていると、正確に聞き取ることが出来るようになり、正確に発音することも出来るようになります
幼児期にこうした音にたくさん触れておくことで聞き取り能力を高めることができると言えるでしょう。

また、幼いうちに英語の音に慣れておくことで、小学生以降の学習期に英語を聞いたり話したりすることに抵抗を感じずに親しむことができ、学習効果も高められるでしょう。

 

2-3.英語脳~英語の語彙に関するメリット~

メリットの三つ目は、英語の語彙を覚えるにあたっての英語脳です。

英語脳とは、日本語を介さずに英語だけで思考できる脳のことを言います。

これは、英語を聞いて、日本語に変換して、という作業はせずに英語を英語として捉えることを指します。

筆者も英語を学び始めた当初は英語を日本語に訳すことに力を注いでいました。
しかし、英語に触れる機会が増えるにつれて、英語で話す内容がイメージとして頭に浮かぶようになり、それに対し、英語で返答するという習慣が身につきました。
筆者の場合は大人になってからの経験だったため、習慣づくまでに時間がかかりました。

それに対して、2歳~6歳の時期は「語彙獲得期」と呼ばれ、毎日新しい語彙を覚えていると言っても過言ではないでしょう。

この時期に英語を英語として学んでいくと、その先も英語に対し、抵抗感なく取り組むことができ、知らず知らずのうちにこの習慣が身に付いてきます。

 

以上のように、幼児期に始める早期英語教育にはいくつかのメリットがあることを知っておくと、早期英語教育を始めるきっかけになるかもしれませんね。

 

 

3.早期英語教育のデメリット

早期英語教育のデメリットも気になる方は多いのではないでしょうか。ここでは2点取り上げて説明していきます。

 

3-1.日本語の発達が遅れる

「早期から英語を学習していると日本語の習得が遅れてしまうのではないか」
「母国語としての日本語もしっかり身に付いていない頃から、英語を交えて話しかけられると、どちらの言語を使って話せばよいか混乱してしまうのではないか」
「日本語を学ぶ時間が減ることで、日本語を話せても、文脈を読み取ったり、深く思考する力の発達が遅れてしまうのではないか」

そんな不安を感じられる方も多いのではないでしょうか。

確かに言語臨界期の観点で考えると、日本語も英語も同時並行で同じ分量を学んでいかなければ、一定の年齢を過ぎてしまうと、どちらかが中途半端になることが考えられます。

例えば、日本で生活しながらも、日常生活のほとんどが英語になってしまい、日本語に触れる機会が極端に減ってしまう場合、日本語の発達が遅れる可能性があります。

しかし「第一言語レベルが発達していれば、第二言語レベルも発達しやすくなる」という研究結果もあるように、日本語教育も大切にすることが英語教育に繋がっていくのです。
つまり、二言語のバランスを考慮しながら、英語学習に取り組んでいれば、大きな問題にはならないでしょう。

普段から、日本語でもしっかりとコミュニケーションを取り、その中で楽しんで英語学習に取り組むことが出来れば良いですね。

 

3-2.英語への興味・関心、学習意欲が低下してしまう

英語教育に力を入れているご家庭では、

「周りは皆、日本語なのに、なぜ英語を使わないといけないの?」
「日本人なんだから日本語で良いでしょ」

という言葉を子どもから言われる、といった悩みも、実際に生徒の保護者から聞くこともありました。

これは子どもが英語に対して、負担を感じていたり、疲れてしまっている可能性があります。
もし、この状況が続くと、子どもが英語を嫌いになってしまうことも考えられます。

そうならないためにも、詰め込み学習や子どもに合っていない学習方法は、早くに気付き改善した方が良いでしょう。

例えば、日本語を疎かにし、極端に英語教育に重点を置く場合、子どもの心情にも変化が生じることがあります。
楽しさよりも、やらなければならない、やらされているという感覚が勝ってしまうのです。

これは、この先続いていく英語教育にプラスになるとは言えません。
幼い頃から楽しい気持ちやワクワク感を持って英語に触れることで、子どもの知的好奇心が高まります。

保護者として、この視点を忘れずに、英語教育を続けていくことが大切ですね。

 

このように「デメリット」と考えられていることでも、適切な関わり方をすることで回避できることも多くあります。

早期英語教育に取り組もうと考えている方は、メリットもデメリットも知った上で見通しをたてることをおすすめします。

 

 

4.早期英語教育において大切にしたいこと

早期英語教育では「いつ」「何をおこなうか」だけではなく、学びの主体である子どものモチベーションや、保護者を含めた周りの環境づくりがとても大切です。
筆者が実際に保育園や幼稚園などで英語教育を行って感じたことや、自身の子どもに向けて取り組んでいることなどを例にあげながら、大切にすべきポイントを紹介します。

 

4-1.子どもの興味関心を大切にしよう

この時期の子どもたちは、好奇心旺盛で、新しいことを知りたい!という気持ちで溢れています。
そんな子どもたちの興味・関心がどのようなモノ・コトに向いているかを見極めて、英語に触れる、英語で遊ぶことを繰り返していくことで、子どもたちにとって英語の時間はだんだんと楽しいものに変わっていきます。

筆者が保育園や幼稚園、小学校に、英語講師として定期的に行っていたとき、子どもたちは初めて体験する「英語の時間」に目を輝かせていました。

例えば、子どもが普段よく遊ぶ手遊びを英語で披露したり、子どもたちが好きな有名な英語の絵本を読んだりしていました。

レッスンを何度かしていくうちに、「英語の先生!ぼく、~って英語知ってるよ!」「My name is~.」などの声が聞かれるようになりました。

英語は以前よりはるかに、子どもたちにとって身近なものになっていることを、実際に肌で感じました。

家庭では、身の回りのものに英語の単語を貼り付けてみる、といった簡単なことからチャレンジすることができます。

簡単な英語フレーズなども貼り付けておくと、ふとした瞬間に英語を発しやすくなりますよ。

まずは「英語」というものに興味をもてるような働きかけとを大切にしたいですね。

 

4-2.無理強いすることなく、楽しい気持ちを第一に

大人でも強制的にされたことに楽しい気持ちで取り組むことは難しいですよね。

もちろん子どもたちにとっても、同じことが言えます。

英語が楽しいという気持ちは、自ら知りたい!学びたい!という気持ちに繋がっていきます

筆者の生徒にも、幼稚園や保育園で英語に楽しさを感じ、レッスンをスタートする子も多くいました。

そのような子どもたちは、「次は?」「どんな英語?」などの発言や、講師が話す英語をそのまま自然とリピートする姿などが見られ、教えたことをすばやく吸収していきます。

筆者は、子どもたちの「楽しい」という感じてもらえるようにために、英語を使った遊び(ゲームや歌、絵本など)を多く取り入れ、心に残るレッスンを心がけています。

親として自分の子どもに対しては、子どものペースに合った英語の歌や絵本を探したり、子どもが無理なく英語教育を受けられる場所を探したりもしています。

時間をかけてと子どもに合った方法や場所を探すとことが出来ると良いですね。

 

4-3.親子で共に楽しもう

子どもたちは、親がしていること、興味のあることをよく知っています。

親も英語に興味をもって、一緒に取り組むことで、さらに子どもの意欲が掻き立てられるでしょう。

筆者も、親子の英語遊びの場では、子どもが「英語ってこんなに楽しいものなんだ!」と思える場所になるよう、皆で英語の歌を歌ったり、絵本の読み聞かせをしたり、と色々なことにトライしています。

「自分は英語が苦手だったけど、一緒に楽しめるだろうか…」と悩んでいる方も、一度子ども向けの英語の歌や絵本を見てみて下さい。

そこには、自分が子どもの頃には知らなかった英語の世界が広がっているでしょう。

英語の世界を子どもと共有することは親子の楽しみの時間にも繋がっていきますよ!

 

5.子どもが楽しめる早期英語教育を

早期英語教育は、様々なメリット・デメリットがあります。
しかしその中で、筆者が一番伝えたいことは

・早期英語教育の中に、子どもが新しい世界に触れるきっかけや親子で楽しめる空間が存在する
・お子さまが絵本でも歌でも、少しでも英語に興味を持ったタイミングが、英語学習を始める絶好のチャンスである

ということです。

今回の記事を参考に、いつからどのように始めるか、すでに始めている場合はさらに楽しめる心がけを実践してみませんか?
子どもたちが英語に興味を持ちながら、楽しみながら学べる環境を作っていきましょう。

 
 

主な参考文献
>文部科学省 「【外国語活動・外国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 」平成29年7月
>城一道子(2013) 「幼児期・児童期における早期英語教育のあり方 -小学校外国語活動で身につけられるコミュニケーション能力に関する考察をとおして-」 教育総合研究 第2号 17-25

 

ランキング

カテゴリー一覧

人気のタグ