保育園・幼稚園の英語教育って何をするの?~保育英語講師が解説~
この記事を書いた人
山﨑
- 幼稚園教諭
- 小学校教諭
- 児童英語講師
- 保育士
保育士、幼稚園教諭、小学校教諭、児童英語講師の免許所持。
子どもが大好きで心の繋がりを重視した保育や教育を大切にしています。
世界の保育事情や幼児教育にも興味があり、実際にニュージーランドの保育施設で働いた経験もあります。
ニュージーランドで英語の大切さに気付き、現在も日本の子どもたちに英語の楽しさを伝える活動もしています。
一児の母として、バイリンガル教育にも力を入れています。
英語教育の低年齢化に伴い、英語を取り入れているという幼稚園や保育園も年々数を増しています。
お子さんの園を探す中でも、“英語”という文字を見たことのあるママ・パパも多いのではないでしょうか?
この記事では、
- 園でどのような英語教育がされているの?
- どんな先生が来てくれるの?
- 全く英語に興味がない子でも大丈夫なのかな?
など、保護者の目線で保育施設で行われている英語教育について解説していきます。
目次
1.保育施設に英語教育が取り入れられた背景
2020年から小学校の英語教育が日本で必修となりました。これによって、保育業界にも英語活動がさらに取り入れられるようになりました。
さらに保護者の中でも、
- 子どもには小さい頃から英語に触れてほしい
- 英語を好きな気持ちを持ってほしい
と願う方も多いのでないでしょうか?
このような保護者の声や、幼児教育における英語教育の需要が高まっている背景から見ても、保育施設に英語教育を取り入れる園が増えたのは自然なことかもしれません。
2.英語教育を取り入れている園ってどんなところ?
実際に日本で英語教育を取り入れている園と言っても、どんなところがあるのでしょうか?まずはその種類について紹介していきます。
2-1.インターナショナルプリスクール
インターナショナルスクールとは、元々日本に住む外国人国籍の子どものために作られた、主に全てのことを英語で学ぶ教育施設です。
しかし、最近では日本国籍の子どもも受け入れているスクールが増えてきています。
18歳までの小・中・高生はインターナショナルスクールに通います。インターナショナルスクールに通う前の、未就学の子どもが通うのがインターナショナルプリスクールです。
この園は、ネィティブの先生がメインで英語で保育をする場所を指し、インターナショナルスクールに併設されていることが一般的です。ここでは、日常生活全てが英語で行われます。
2-2.プリスクール
英語本来の「プリスクール(pre school)」は幼稚園や保育園の意味を持っています。
しかし日本では、英語を通して未就学児の保育をおこなう保育施設を「プリスクール」と呼びます。プリスクールのほとんどは「認可外」の保育施設として扱われますが、ネィティブの先生と英語力の高い日本人の先生が両方いて、手厚くサポートしてくれるところが多くあります。
つまり、英語を身に付ける環境を意識して作られていると言えるでしょう。園によっては、英語だけではなく、日本語を学ぶ時間を取り入れているところももあったりと、それぞれ独自のカリキュラムが組まれています。
2-3.定期的に英語教育を取り入れている幼稚園・保育園・こども園
幼稚園・保育園・こども園などで英語教育を取り入れている園はたくさんあります。例えば、週1・月1・課外レッスンなど多岐に渡ります。
また、保護者が希望すれば別料金で保育時間外に園で英語レッスンが受けられるところもあります。園では保育・教育がメインですが、その中でどのような英語教育がなされているのかは園によって様々だと言えるでしょう。
今回の記事では、定期的に英語教育を取り入れている園に焦点をあてて、解説していきます。
3.保育園・幼稚園での英語活動ってどんなことをしているの?
それでは、定期的に英語活動を取り入れている園ではどのようなことが行われているのでしょうか?現在の子どもたちの英語レッスンをのぞいてみましょう。
3-1.歌・ダンス・体操
ほとんどの園では、歌やダンス、体操などを取り入れています。これは幼児期の子どもたちにとって音楽は身近なものであり、自然と生活の一部になるからです。毎日聴いたり、歌ったりする音楽をいつの間にか口ずさんでいるという子どもの姿はよく見られます。
そんな子どもたちの生活の中で、音楽と紐づけた英語教育はとても楽しいものだと言えるでしょう。歌っているうちに自然と覚えられる英単語もたくさんあります。
また、ダンスや体操では、身体を動かしながら歌を聴いたり歌ったりします。身体を動かしながら覚えたことは長期記憶に残りやすく、学習効果も高いとされているので、非常に効率の良い楽しい英語教育につながります。
3-2.絵本の読み聞かせ
絵本も子どもたちにとっては身近なものです。先生が目の前で読んでくれる絵本の世界に耳を傾け、そのお話の世界に入っていくのはとても心地よい時間です。
英語の絵本も同じことが言えます。幼児向けの絵本は、絵が鮮やかで分かりやすい絵本が多くあります。それを大好きな英語の先生が読んでくれることが、とても心地よい時間になっていきます。
なかには「言語が違っていて、理解できないんじゃないの?」と思われるママ・パパもいるかもしれません。けれど、子どもたちにとって言語の違いなど大きな問題ではないのです。
英語は日本語よりも言い方や音の抑揚が幅広い言語です。そんな違いを楽しめる子どもたちにとって、絵本の読み聞かせは欠かせないものだと言えるでしょう。
3-3.工作・絵
園では、子どもたちが何かを作ったり描いたりする時間がたくさんあります。そんな制作活動を英語と紐づけて行っていきます。
幼児期の子どもたちはそれらの活動を楽しんで取り組んでいます。そして、自分の作品には愛着がわき、大切にしようと思うのです。
英語を使って取り組んでいくので、そんなに難しい工程では作りませんが、工程の中で覚えられる英単語がたくさんあります。
年齢が上がり、少しずつ英語に慣れてくれば簡単な英語で紹介するところもあります。それを大切におうちに持って帰る姿が、とても微笑ましいものですよ。
このように、幼児期の子どもたちにとって英語教育は、普段の園生活の中に織り交ぜられていることがほとんどです。「英語は難しいものではなく、楽しいものである」ということを伝えるのが第一だと言えるでしょう。
筆者も子どもたちの中で「英語が楽しかった!」という思いを持って、小学校に上がってほしいと願って取り組んでいます。
4.保育園での英語教育の実際の声
実際に保育園で英語教育をしている英語講師と、その保育園で英語教育を受けている子どもの保護者にインタビューを行いました。ここでは、実際の声をお届けします。
4-1.<保育施設で定期的に教えている英語講師>
<親子英語・保育英語に携わって10年以上の日本人英語講師>
【どれぐらいの頻度で園でレッスンを行っていますか?】
- 月に2回
【何歳児向けにレッスンを行っていますか?】
- 0.1.2.3歳
【どのようなねらいを持って取り組んでいますか?】
- まずは子どもたちが楽しみながら英語に触れてもらうことを大切にしている
- 楽しく英語に触れることで興味がわき、この先長く続いていく英語学習の土台となるため
- 日本語にはない音をたくさん聞くことで、英語独特の発音を聞き分けたり発話する力を身に付けられる
- ハロウィンやクリスマスなど異文化を通して、日本とは違う習慣や考え方があることを学ぶ
- 英語絵本に出てくる色彩の違いや文化の違いなども伝えることで、子どもたちの広い視野を育てられる
【レッスンではどのようなことを行っていますか?】
- 子どもたちが飽きないように、静と動のアクティビティを織り交ぜる
- 簡単なフレーズを子どもたちから発話するように促す(Please.Thank you.など)
【子どもたちの反応はどうですか?】
- それぞれ色々な反応を見せてくれる。
- 最初から一緒に体を動かしてくれる子もいれば、初めは遠くからこちらの様子をうかがっている子もいる。そういう子たちでもレッスンの回数を重ねるたびにどんどん距離が縮まっていき、いつの間にか元気いっぱいに踊ってくれたりする。
- 園の先生方も一緒に盛り上げて歌ったり踊ったりしてくれるので、子どもたちも集中してレッスンに取り組んでくれる。
【園でレッスンをすることによって、どのような成長を感じますか?】
- 月2回のレッスンでも、レッスンを重ねていくと、一緒に英語の歌を歌う子、手遊びをする子が増えてきます。歌のイントロを聞くと、「あ、〇〇の歌!」と先に教えてくれる子もいるんです。英語で指示すると意味を分かって身体を動かすことができるようになっていきます。このような姿から、子どもたちの英語耳はしっかりと育っているように感じます。
4-2.<保育施設で定期的に受講している保護者の方>
<2歳児 女児の母親>
【園に英語レッスンがあることを魅力的だと感じることはありますか?】
- 英語教育に関心はあるが、年齢的にも親の時間的にも休日にわざわざ別の英語スクールなどに習わせるのはまだ早いと感じるので、保育園に預けている間に英語レッスンをしてもらえて助かっている。
【子どもからレッスンの様子などを聞くことはありますか?】
- レッスンでどんな英語ソングを歌ったかや手遊びをしたかなどの話を聞くことはある。
【園でレッスンをすることによって、どのような成長を感じますか?】
- 英語の音やアルファベットに興味を持つようになった。
- ABCのうたを歌う。
- 文字としてアルファベットを認識しているようで、アルファベットの文字表記を見つけると「これエービーシー!」と伝えてくれる。
5.保育施設での英語教育には無限大の可能性!
続いて、筆者が実際に保育の中で英語を取り入れたときの子どもたちの様子や感想をお伝えします。
筆者が保育園で英語遊びを取り入れたときは、まず英語に興味を持つというねらいを第一に取り組んでいました。絵本とクラフトを組み合わせて、保育の時間でひとつの大きな作品を作り上げました。
日本語も交えてでしたが、子どもたちは自ら絵本を開き、用意した紙にアルファベットを書いたり色を塗ったり、その形を切ったりします。
それを段ボールに貼って、アルファベットのうたを歌う子もいます。それぞれが興味のあるところで英語に触れる環境を作り出しました。最後は形を組み合わせて、大きな作品を作り出すことで、皆が達成感を味わうというものでした。
子どもたちが英語に触れる第一歩になれるような保育施設で行う英語教育の可能性は無限大だと感じています。
6.保育の中の英語教育を親子で楽しもう!
幼児期の子どもたちの吸収力は私たちの想像をはるかに超えるものがあります。そんな時期だからこそ、保育施設での英語の時間は子どもたちの将来に繋がっていくと言えます。
子どもから、英語の歌や単語などが出てきたときは、是非興味を持って耳を傾けてあげてくださいね。
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