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一人遊びができない子どもにおすすめのおもちゃと親の働きかけ

この記事を書いた人

かわもと かわもと

かわもと

  • 高等学校教諭
  • 公認心理師
  • 中学校教諭

中学校教諭、高等学校教諭、公認心理師の資格を所持しています。

大学卒業後、療育施設にて勤務していました。

現在は、0歳の子どもを育てながら、子育てに役立つ記事を執筆しています。

得意なことは、絵本の読み聞かせ、歌遊びです。

「なかなか一人遊びができない」
「いつも親や大人と一緒に遊びたがる」

など、子どもの一人遊びについて悩む親御さんは多いでしょう。

この記事では、子どもが一人遊びを始める時期や、一人遊びをさせるメリット、一人遊びができない子の特徴や親の働きかけのヒントについてお伝えします。

療育施設で勤務経験がある筆者が、2歳〜6歳の子どもの一人遊びを充実させる「おすすめのおもちゃ」についてもご紹介します。ぜひ参考にしてください。

目次

 

1.子どもの一人遊びはいつから?

子どもの一人遊びは、生後2~3ヶ月頃から始まると言われています。

生まれてすぐの頃は、1日のほとんどを寝て過ごしていた赤ちゃんも、生後2〜3ヶ月頃になると、「視覚」や「聴覚」など、五感の発達に伴って、自分の手をじっと見たり、ママやパパの声や生活音に耳を傾けたりして遊ぶようになります。

その後、ハイハイ、つかまり立ちなど、運動能力が発達することで、興味のあるおもちゃを掴んだり、自由に動き回れるようになったり、さらに一人遊びの幅が広がります。

発達心理学者のパーテンによると、周りに人がいても子どもが集中して一人で遊べるようになる年齢は、「2歳半から3歳」が最も多いと言われています。(※1)

2歳は、運動能力や指先の機能が発達し、粘土遊びやお絵描きなど、一人で集中して取り組む子どもも増えてきます。

また、象徴機能(現実にない物事を他のものに置き換えて表現する働き)の発達により、見立て遊びやごっこ遊びを楽しむ子どももいるでしょう。語彙が豊かになることで、様々なことを考えながら、一人で遊べるようになってきます。

しかし、子どもの性格や生育環境によっては、一人遊びをしたがらない子もいるので、あくまでも一つの目安として捉えましょう。

 

2.子どもの一人遊びのメリット

子どもにとって、一人遊びを経験することは多くのメリットがあります。ここでは、具体的に3つご紹介します。

 

2-1.自立性を育む

一人遊びは、自立の第一歩につながります。

親から遊びの内容を提案・助言されるのに比べて、一人遊びは子どもが主体的に考えながら、遊びを選択する機会が増えます。「どのおもちゃで、どんなふうに遊ぶのか」を自分で考え、行動することで、自立性を育むことにつながります。

また、子どもは一人遊びを通して、自分の好きなことや、面白い・楽しいと思えることを発見します。

充実した「一人遊びの経験」を積み重ねることは、就学後の学習面においても「もっと知りたい」「こんなこともやってみたい」など、主体的に学ぶ姿勢にもつながるでしょう。

 

2-2.想像力や思考力が養われる

一人遊びは、子どもの想像力や思考力を養います。

筆者が療育施設で出会ったお子さん(Aちゃん)のエピソードを紹介しましょう。

Aちゃんは、お姫様の塗り絵が大好きなお子さんでした。いつも一人で黙々と塗り絵をしていましたが、あるとき、お姫様の横にお菓子やお城の絵を描いて、ストーリーを考え始めました。お姫様の塗り絵を折って、人形に見立てて、話しかける姿も見られました。

子どもは一人で遊ぶとき、いろんな想像を膨らませ、おもちゃを使って形にしようとします。幼児期に夢中で一人遊びをする経験は、子どもの想像力や思考力を磨くきっかけになるでしょう。

 

2-3.集中力が鍛えられる

一人遊びは、第三者に介入されずに、子どもが自分のやりたいことや好きなことに没頭できる時間です。

好きなことをしている時は、大人も時間を忘れてしまいますよね。子どもも、自分の世界に自由に浸ることができると、集中して遊ぶようになります。

また、一人で遊んでいると、「これはどういうことだろう?」「どうしてこうなるのだろう?」と疑問が湧くこともあります。

その疑問を解決するために、じっくりと考えたり、調べたりする経験を通して、さらに集中力を鍛えることができるのです。

 

3.一人遊びができない子どもの特徴

幼児期の一人遊びは、友達との遊びを豊かに広げるための土台となります。

しかし、なかなか一人遊びをしたがらない子どももいますよね。ここでは、一人遊びができない子どもの特徴をご紹介します。

 

3-1.一人で遊ぶことに慣れていない

親や兄弟・姉妹、祖父母などがいつも傍にいるお子さんは、一人で過ごすことに慣れていません。常に誰かと一緒に遊ぶことが当たり前になります。

周囲の人に遊んでもらうことに慣れていると、「ちょっと一人で遊んでてね!」と親から言われても、何をしたらいいのか分からなくなる子どももいます。

 

3-2.性格・気質によるもの

一人遊びを好むかどうかは、子どもの性格や気質も大きく影響します。

甘えん坊で、寂しがり屋な性格で、「親がそばにいないと不安」に感じる子どもは、なかなか一人遊びをしたがらないでしょう。

しかし今は一人遊びをしたがらない子でも、成長とともに「一人で上手に遊べるようになった」という話も聞きます。焦らずに気長に待つことも大切ですね。

 

3-3おもちゃの遊び方がわからない

おもちゃの遊び方がわからないから、親と遊びたがるというケースもあります。

特に、買ったばかりのおもちゃや、パズルやプラレールなど、手順が複雑で、難易度の高いおもちゃは、遊び方を覚えるまでに時間がかかります。

「興味はあっても、一人ではうまく遊べない」という思いから、家族と一緒に遊びたがる子どももいます。

その場合は、まず親子で一緒に遊びましょう。少し慣れたきたかな?というタイミングで、親は手を出すのをやめて、そばで見守ります。

その場を離れる時は、「できなかったらママやパパを呼んでね」と伝えると、お子さんも安心して遊ぶことができますよ。

 

3-4.おもちゃが合わない・飽きている

身の回りにあるおもちゃとお子さんの好みが合わないことも、一人遊びをしない理由として挙げられます。

例えば、家で静かに遊ぶよりも、外で体を使って遊ぶのが好き。車のおもちゃよりも、おままごとが好きなど、おもちゃや遊びの好みが合わない場合、一人でうまく遊べない子どももいます。

また、子どもの成長スピードは早く、興味・関心が移り変わることも多いです。療育施設でも、「前回までは楽しそうに遊んでいたおもちゃで急に遊ばなくなった」というケースはよく見られました。

毎日同じおもちゃで遊んでいて、飽きている可能性もあるでしょう。今あるおもちゃは本当に子どもにとって楽しいものなのか、この機会におもちゃを見直してみてもいいですね。

 

4.子どもに一人遊びを促す方法

一人遊びが苦手なお子さんには、どのように接すればいいのでしょうか。ここでは、一人遊びを促すための親の働きかけについてご説明します。

 

4-1.安心させる

一人で遊ぶのが寂しいと感じる子どもには、スキンシップやコミュニケーションを多めに取り入れるのがおすすめです。

子どもは、親子関係を通して「絶対的な安心感」を感じられると、少しずつ一人で遊べるようになっていきます。

「行ってらっしゃい!」の挨拶とともにハイタッチをする、おやすみ前に「大好きだよ〜」とハグをするなど、日常生活の中で手軽にできるスキンシップを心がけてみてください。

子どもが話をしているときは、なるべく目を合わせて、子どもの気持ちに共感しながら、最後まで聞くことも大切です。

愛情のこもったスキンシップやコミュニケーションを通して、子どもは「自分は親から愛されている」「守られている」という感覚を持つことができます。

毎日実践できそうなものを選んで、続けてみてくださいね。

 

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4-2.少しずつ距離を取る

お子さんに「一人遊びをしてほしい」という気持ちがあっても、いきなり「ママ、台所にいるから、ちょっと一人で遊んでてくれる?」と言って、その場を離れるのは逆効果です。

まずは親子で一緒に遊び、子どもが楽しそうに遊ぶ姿が見られたら、少しずつ離れていきましょう。

幼児期の子どもは、まだまだ親と一緒に遊ぶのが楽しいと思う時期です。子どもが一人遊びできないことに焦りすぎず、少しずつ導いていきましょう。

 

4-3.子どもの興味を知る

一人遊びを促すには、子どもの興味を知ることが大切です。普段から子どもをよく観察しましょう。

例えば、外に出かけると、頻繁に空を見上げる子がいるとします。よく観察すると、鳥が飛んでいる姿を見ているようです。

その様子から、「飛ぶものに興味があるのかな?」「見た目に興味があるのかな?」「どんな鳥が好きかな?」「飛行機はどうかな?」と考えることで、子どもの好きな遊びを見つける手がかりとなります。

おもちゃで上手に一人遊びができない子の場合は、「どんなおもちゃなら興味を示すのか?」という視点でお子さんを観察してみると、何か発見があるかもしれません。

 

4-4.外へ出る

お家の中で一人で遊ぶのが苦手な子どもは、外へ連れ出しましょう。

屋外は五感を刺激する遊びがたくさんあるので、一人遊びに向いています。

風を肌で感じたり、蝉の鳴き声を聞いたりと、五感が育まれることで、想像力も豊かになります。

体を動かすのが好きな子どもは、全身を使って遊べますし、エネルギーの発散にもつながるでしょう。

 

4-5.アドバイスを控え、静かに見守る

子どもが一人で集中して遊んでいたら、親は「静かに見守る姿勢」を心がけましょう。

例えば、子どもがブロックで遊んでいる時、つい「こうしたいいんじゃない?」など、先回りしてアドバイスをしてしまうことはありませんか?

そんな時、子どもは「ここにのせてみよう」「どうしてはまらないのかな」と頭の中で考えながら遊んでいるかもしれません。

親が口を出してしまうと、子どもの思考が止まってしまいます。子どもの一人遊びは、少し離れたところから優しく見守るのがポイントです。

ただ放置するのではなく、「危ない時は助言をする」「助けを求めている時はサポートする」などの関わりを心がけます。

また、お子さんが「できた!」と嬉しそうな顔で見つめてきたときは、そばに寄り添って、ニコッと微笑んだり、「やったね!」と褒めたりしましょう。

そうした親子の関わりによって、「ママは離れてても、いつも見てくれている」という安心感を子どもに与え、一人遊びを促すことにつながります。

 

5.一人遊びが充実する!おすすめのおもちゃ

ここでは、一人遊びが充実する、おもちゃ選びのポイントをご紹介します。今回は、

  1. シンプルで遊びの幅を広げられるおもちゃ
  2. ゴールに辿り着くおもちゃ
  3. 見立て遊びができるおもちゃ

の3つの視点で、解説をします。

 

5-1.シンプルで遊びの幅を広げられるおもちゃ

ニューブロック

柔らかくて組み立てやすいです。観察力、記憶力、集中力などを鍛えることができます。

色々な形があるため、毎日違う作品を組み立てることができるのも嬉しいポイントです。おもちゃに飽きやすい子どもにピッタリですね。

 

プラレール

電車が好きな子どもに人気です。踏切やトンネルなどの情景を組み合わせれば、小さな街を作ることもできて、想像力を膨らませながら遊ぶことができます。レイアウトを自由に変更して、線路をつなげるだけでなく、電車を走らせることもできますよ。

 

5-2.ゴールに辿り着くおもちゃ

くもんのジグソーパズル

パズル初心者から上級者まで、子どもに合わせて難易度が選べます。ピースに厚みがあり、丈夫なので、繰り返し遊べます。絵柄も豊富なので、お子さんの気に入ったものを選んでくださいね。

 

「遊んで学べる」迷路絵本シリーズ

迷路のほか、かくし絵やクイズもあって、盛りだくさんな絵本です。「昆虫」「宇宙」「乗り物」「動物」「お化け」「おもちゃ」など、全19弾のシリーズで展開されています。

 

「ウォーリーをさがせ!」シリーズ

有名な「ウォーリーをさがせ!」シリーズです。筆者が勤務していた療育施設では、特に年長さんに人気で、夢中になって探していましたよ。

 

5-3.見立て遊びができるおもちゃ

Hape積み木

知育玩具の定番ですね。電車やお家など、積み木を色んなものに見立てて、遊ぶことができます。シンプルで飽きのこないデザインで、お子さんの想像力も広がります。

 

アンパンマン かまどでやこう♪ジャムおじさんのやきたてパン工場

子どもに人気のアンパンマンは、小さい子どもから年長さんまで楽しく遊べますね。このおもちゃは、パン屋さんになりきることができます。

 

6.一人遊びはメリットがたくさん!安心・安全が大切

子どもの一人遊びには、自主性や考える力を育んだり、集中力を鍛えたり、たくさんのメリットがあります。お子さんの興味関心に寄り添いながら、温かく見守っていきたいですね。

お子さんが一人遊びに没頭するためにも、「安心・安全に遊べる環境」を整えることも大切です。

「それは触っちゃダメ!」「危ないよ!」などの声かけは、子どもの好奇心や集中力を削いでしまいます。

あらかじめ触って欲しくないものを子どもの手の届かないところに置くなど、子どもが一人遊びに集中できるようにサポートしていきましょう。

 

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参考文献
※1:中島義明・安藤清志・子安雅生・板野雄二・繁枡算男・立花政夫・箱田裕司(編),『心理学辞典』,有斐閣出版,1999年

 

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