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育てやすい子どもほど「いい子症候群」に?チェックリストや対処法を紹介

この記事を書いた人

多村美穂 多村美穂

多村美穂

  • 保育士

元保育士のWEBライターです。

保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。

現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。

保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!

「あまりにも子どもの聞き分けが良すぎて心配」
「うちの子は『いい子症候群』かもしれない」

親や先生の言うことをよく聞く我が子の姿を見て、このような不安を抱える人もいるでしょう。

「いい子症候群」の子どもがそのまま成長すると、自己肯定感が低くなったり人任せな態度になってしまったりなど、世の中を生き抜く力が弱くなってしまう恐れがあります。

この記事では、「いい子症候群」のチェックリストや原因・対処法を紹介します。

「うちの子は『いい子症候群』かもしれない」と不安に思っている人は、ぜひ参考にしてください。

「いい子症候群」についての正しい知識を身につけることで、子どもの「いい子症候群」改善に向けての行動が分かるようになりますよ。

 

目次

1.「いい子症候群」とは

「いい子症候群」とは、「いい子でいたい」と思うあまりに、親や先生の顔色をうかがって行動してしまう子ども のことです。

「尾木ママ」という愛称でおなじみの、教育評論家 尾木直樹さんが発言したことから広がったと言われています。

「いい子症候群」の子どもは「いい子」であることを優先してしまうあまりに、自分の気持ちを表せなくなったり、自分の意志で行動するのが苦手になったりします。

 

2.「いい子症候群」チェックリスト

「いい子症候群」の説明を読んで、「うちの子はいい子症候群かもしれない」と不安に思った人もいるでしょう。

以下でいい子症候群のチェックリストを紹介します。

子どもに当てはまる項目がないか確認してみてください。

いい子症候群 チェックリスト

□ 親や先生・友だちの顔色をうかがっている

□ 親や先生からの指示がないと行動しない

□ 自分に自信がなく、いつもおどおどしている

□ 感情表現や自己主張が苦手

□ 物事を自分で決められない

□ 完璧主義

□ 人の誘いを断らない・断るのが苦手

□ 自分のしたいこと・やりたいことが分からない

□ イヤイヤ期、反抗期がない

 

当てはまる項目が多い子ほど、「いい子症候群」の恐れがあります。

 

3.「いい子症候群」の子どもが成長した場合のリスク

「いい子症候群」の子どもが「いい子」のまま成長すると、将来的に次のようなリスクを負う可能性があります。

■自己肯定感が低くなる

「いい子症候群」の子どもは、他人からの評価である「いい子であること」を物事の評価基準にしてしまいがちです。
そのため他人の意見やルールに振り回されてしまい、自己肯定感が低くなる恐れがあります。

 

■感情をため込みすぎた反動で極端な行動をする

いい子でいるために自分の感情を押し殺すのも、「いい子症候群」の特徴です。
感情をため込みすぎたあまりに、反動で突然キレる・心を病む・親の見ていないところで悪いことをするなど、極端な行動をする可能性があります。

 

■自分の本当の気持ちが分からなくなる

「いい子症候群」の子どもは、親や先生・友だちの望む行動をしがちです。
自分の感情と異なる行動ばかりしていると、自分の本当の気持ちが分からなくなってしまうリスクがあります。

 

■「嫌だ」「無理だ」と思っていても断れない

自分の気持ちより親や先生・友だちの気持ちを優先してしまうのも、「いい子症候群」の特徴です。
例えば万引やいじめなども、本心では「嫌だ」「無理だ」と思いつつ、断り切れず実行してしまう恐れがあります。

 

■指示待ちになり、自分の意思で行動できない

親や先生・友だちの思う通りに行動することが基準になっている「いい子症候群」の子どもには、自分の意思が育たない恐れがあります。そのため、指示がなくては行動できない大人になってしまいがちです。

 

■人に助けを求められない

「いい子症候群」の子どもは、迷惑をかけて嫌われないかを非常に気にします。
迷惑をかけることを避けるあまりに、人に助けを求められず1人で抱え込む傾向があります。

 

■人任せになる

自分の価値観で物事を考えられないのも、「いい子症候群」の特徴です。
物事を自分で決められず、何事も人任せになり責任を取らない大人になる恐れがあります。

 

■相手によって態度が変わる

「いい子症候群」の子どもは、周りからの評価が絶対になりがちです。
そのため人からいい評価を得るために行動し、相手によって態度を変えてしまうのです。

 

4.子どもが「いい子症候群」になる5つの原因

子どもが「いい子症候群」になってしまうのは、主に以下の5つの原因があると言われています。

 

4-1.子どもの行動を制限しすぎる

子どもの行動を制限しすぎることは、「いい子症候群」の原因の1つであるとされています。

「あれもダメ」「これもダメ」と禁止し続けることで、子どもは自己主張の機会を奪われ、自分の気持ちを発信できなくなってしまうからです。

なお、家庭内で厳しすぎるルールを定めている場合も、子どもの行動や考えに制限をかけてしまうことになります。

 

4-2.叱る頻度が高い・過度に叱る

頻繁に叱られたり、過度に叱られたりした子どもは、「いい子症候群」になりやすいと言われています。

叱られすぎた子どもは叱られることに恐怖を覚え、「叱られないようにする」ことを行動の基準としてしまうからです。

叱られないために親や先生の顔色をうかがいながら生活するうちに、「いい子症候群」になってしまうのです。

 

4-3.親の価値観を押しつける

親の価値観の押しつけも、「いい子症候群」の原因として挙げられています。

親の考えを押しつけ、子どもの意見を聞かないでいると、子どもは自分の気持ちを伝える機会がなくなってしまいます。

自分の考えに自信が持てなくなり、親の指示通りにしか動けなくなってしまうこともあるでしょう。

なお、子どものやりたいことではなく親のやりたいことを押しつけることも、価値観の押しつけと同様の結果になりがちです。

 

4-4.子どもに過剰な期待をかける

子どもに過剰な期待をかけることで、子どもが「いい子症候群」になってしまう場合もあります。

子どもは意識・無意識に関わらず親から期待されたら応えようと頑張ってしまうものです。

親の期待が強すぎると、親の期待に応えることが最大の目的となってしまい、「いい子症候群」になってしまうリスクが高まるのです。

親の期待に応えられなかった場合、「親から失望された」と感じた子どもは、自信も失ってしまうでしょう。

 

4-5.子どもに無関心

子どもに無関心だったり、子どもを褒めなかったりすることも、「いい子症候群」の原因になる恐れがあります。

親の愛情や関心が感じられないと、子どもは親に振り向いてもらうために必死になります。

親の望む「いい子」でいることで、親の興味を引こうとするのです。

 

5.親が意識したい「いい子症候群」の対処法4選

ここからは、子どもを「いい子症候群」にしないために親ができることを4つ紹介します。

 

5-1.子どもの気持ちを尊重する

日常生活を送る上で、子どもの気持ちを大切にすることを忘れないようにしてあげてください。

もちろん子どもは大人に比べて知識・経験が足りないため、親が見て歯がゆくなったり禁止したくなったりするような行動をとることもあるでしょう。

しかし身に危険が迫ったような場合でない限りは、まず子どもがどのような気持ちで行動しようとしたのか聞き、受け入れてあげてください。

共感を持って親が子どもの言葉を聞けば、子どもは「受け入れてもらえた」と安心でき、次の機会でも自分の気持ちを親に伝えてくれるでしょう。

その上で、親からの注意が必要だと感じた時に、あらためて正しいルールやマナーを説明してあげてください。

【具体例】

寝る前にお菓子を食べたがった時に「お菓子が食べたくなっちゃったんだね。でも今食べると虫歯になるから明日のおやつにしようね」と伝える。

 

 

5-2.子どもに決めさせる

子どもが自分で物事を決める機会をたくさん作ってあげてください。

「自分で決めた」という経験を多く積んだ子どもは、自信をつけ、自己肯定感を育てていきます

この時、身に危険が迫るようなことなどがない限りは、子どもの決めたことを否定せずそのまま受け入れてあげることが大切です。

自分で決めたことに自覚があれば、責任感も身につけていくでしょう。

【具体例】

寝る前に読む絵本を子どもに決めてもらう。読み終わった後に「寝る前にこの本が読めて良かった、いい気持ちで眠れそうだね」と伝える。

 

 

5-3.ルールを厳しく決めすぎない

家庭内のルールを厳しく決めすぎず、なるべく子どもがやりたいことを自由にさせてあげてください。

ルールが多すぎたり厳しすぎたりすると、子どもは自分の気持ちを伝えにくくなってしまう恐れがあります。

また、ルールを破って叱られるのを恐れ、自分のしたいことも我慢するようになってしまうでしょう。

子どもがのびのびできる環境を作ることで、子どもは「自分の意思で何をするか決めてもいいんだ」と安心できます

【具体例】

子どもが遊んでいる時は、危険なことやマナー違反などがない限り、口出しせず見守る。

 

 

5-4.結果ではなく過程を褒める

子どもを褒める時は、結果ではなく過程を褒めてあげてください。

結果を出した時だけ褒めていると、「結果を出さないと親に認めてもらえない」と親からの評価を気にするようになる恐れがあります。

反対にチャレンジの過程を褒め、失敗したことを気にしないように伝えることで、「私のことを見てくれている」「いい子じゃなくても大丈夫」と安心できます。

【具体例】

ブロックを思った通りに組みあげられなかった時に「随分長い間頑張ってたね」「ここの部分、すごく工夫してるね」と声をかける。

 

 

6.子どもの気持ちを尊重し、「いい子」から卒業させてあげよう

「いい子症候群」に対処するためには、子どものありのままを受け止め、子どもを尊重することが大切です。

「ママは私のことを分かってくれてる」「パパは僕を信頼してくれてる」と感じ、安心して生活することで、子どもは「いい子」でなくても大丈夫と思えるようになるでしょう。

 

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