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過干渉な親の特徴をチェック!子どもへの影響と過干渉にならないための対策を紹介

この記事を書いた人

多村美穂 多村美穂

多村美穂

  • 保育士

元保育士のWEBライターです。

保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。

現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。

保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!

「子どものすることに口出しをしてしまう」 「子どもに干渉しすぎているかも…」

子育てをしていると、自分の行動が「過干渉」になっているかもしれないと思い、不安になることもあるでしょう。

過干渉は、子どもの自信や気力を奪い、健やかな成長を妨げる可能性があります。

この記事では、親の過干渉が子どもに与える影響過干渉にならないための対処法を解説します。

過干渉な親の特徴や、過干渉にあたる具体的な行動も紹介するので、子どもへの接し方に悩む人はぜひ参考にしてください。

過干渉についての理解を深めることで、子どもとの距離感が分かり、自信を持って対応できるようになりますよ。

目次

1.「過干渉」と「過保護」の違い

過干渉についての理解を深めるために、似た言葉である過保護との違いを押さえておきましょう。

過干渉と過保護は、親が子どもに対し過度に働きかけるという点で共通しています。
しかし、以下の通り両者には根本的な違いがあります。

過干渉とは親が子どもの行動を制限したり、親の考えを押し付けたりすることにより、子どもの成長を阻害する行為です。

児童精神科医の佐々木正美先生も、過干渉は子どもの自主性、主体性を損なう恐れがあると警鐘を鳴らしています。

一方、過保護とは、子どもの要求を、子どもが望む通りに応えてあげることを指します。

悪いイメージを持たれがちな過保護ですが、親子の情緒的結びつき(愛着)を形成する大切な行為です。

愛着形成することによって、子どもは自立心や自己肯定感を獲得していきます。

 

2.どこからが過干渉?過干渉な親の特徴をチェック!

日頃の行動は自分では当たり前になっていて、過干渉だと気づかないことも多いでしょう。

過干渉な親の傾向を具体例とともに紹介するので、自分にあてはまる点がないかチェックしてみてください。

 

2-1.話をさえぎる

過干渉な親は、子どもの話を途中でさえぎったり、子どもが話し出す前に話してしまったりする傾向があります。

話をさえぎられた子どもは、自己肯定感を低下させ、自信をなくしてしまいます。

また、子どもが自分で考え、問題を解決する機会も失われてしまうでしょう。

【具体例】

・子どもが今日のできごとを話している途中で、「それはダメなことだよ」と口出しする

・保育園で、先生が子どもに話しかけているのに、親が答える

 

 

2-2.友だち関係に口を出す

子どもの友だち関係に首を突っ込み、勝手に決めてしまうというのも、過干渉な親の特徴です。

親が子どもの友だち関係を決めてしまうと、さまざまなタイプの子と接しながら友だちになるという経験を奪い、社会性の成長を阻んでしまう可能性があります。

【具体例】

・園から帰ってきた後に遊ぶ友だちを勝手に決める

・「〇〇ちゃんと遊んじゃだめ」と禁止する

 

 

2-3.子どもの希望を尊重しない

子どもの意思や希望を尊重せず、親の意思を押し付けるのも、過干渉な親がしがちな行動です。

親が決めたことに従ってばかりいると、失敗したときに「自分のせいじゃない」と責任逃れをするようになるかもしれません。

【具体例】

・子どもが着たがっている服を着させず、親が選んだ服を着させる

・子どもが嫌がっているにもかかわらず、小学校受験をさせる

・子どもがやりたがっている習い事ではなく、親がやらせたい習い事をさせる

 

 

2-4.ダメ出しばかりする

過干渉な親は、親の価値観と合わないものを否定するため、褒めるべき場面でも子どもを褒めず、ダメ出しをする特徴があります。

褒められるべき場面で褒めてもらえなかった子どもは、自己肯定感や自尊心を低くしてしまう可能性があります。

【具体例】

・かけっこで2位になれたのに、「もう少し頑張ったら1位になれたのに」と言う

・子どもが描いたネコの絵を見て、「ネコの耳はこんな形じゃないよ」と修正する

 

 

2-5.先回りする

子どもの失敗を恐れて、子どもができることにも手を出し、先回りして物事を処理するのも、過干渉な親の特徴です。

子どものやる気や、失敗から学ぶチャンスを奪い、子どもの成長を妨げてしまいます。

【具体例】

・子どもがやりたがっているにもかかわらず、時間がかかるからと親が後片付けをする

・明日着る服や持ち物を親が準備する

 

 

3.親の過干渉が子どもに与える影響

過干渉な親の元で育つと、さまざまな悪影響が出る恐れがあります。

 

3-1.自信が持てなくなる

親が子どもに干渉しすぎると、子どもが自分に自信を持てなくなる恐れがあります。

過干渉な親は、子どもが自分で決めたことを尊重せず、親の価値観で物事を決めてしまいます。

すると、子どもは「自分は何かを決めたり問題を解決したりできない」と感じ、自己肯定感や自信を持てなくなってしまうのです。

 

3-2.無気力になる

過干渉は、子どもから気力を奪う原因にもなりかねません。

過干渉な親は子どもを監視し、子どもの行動を制限する傾向があります。そのため子どもは自分のしたいことができず、「どうせ自分のやりたいことはできないんだ」と希望を失い、無気力になってしまうのです。

 

3-3.自己決定力がなくなる

過干渉な親の元で育つと、自己決定力がなくなる可能性もあります。

過干渉な親は、子どもに決定権を与えず、何事も子どもより先に決めてしまいがちです。

自分で物事を決定する経験ができなかった子どもは、何事に対しても「親が決めてくれる」と思うようになります。

そして、自分で考えたり決めたりする力が育たないまま、大人になってしまうのです。

 

3-4.親との関係が悪くなる

親に干渉されすぎた子どもが思春期を迎えると、必要以上に反抗的な態度をとる傾向があると言われています。

自己決定する機会や自由な行動を奪われてきた子どもは、自分の意思や感情をうまく表現できず、親への激しい反抗で反発心を表すことがあるからです。

また、親をわずらわしく思い、過剰に避けるようになることもあります。

 

4.過干渉にならないための対処法

ここからは、過干渉をやめたいと思っている人に向けて、具体的な対処法を紹介していきます。

 

4-1.子どもを見守る勇気を持つ

子どもが行動しようとしている際は、手を出したくなる気持ちをぐっとこらえ、子どもを見守る勇気を持ちましょう。

親が見て失敗しそうなことであっても、子どもが親の予想以上に物事をこなし、成功させる場合もたくさんあります。

仮に失敗したとしても、子どもはその経験から学び、次回に生かしていくでしょう。

また、子どもが自分で考え行動し、達成することで、自立心やチャレンジ精神が育っていきます

自立心が育てば、子どもが自分から行動するようになるため、親が手出しする場面も減少していくでしょう。

子どもの身体や心に危険がなく、周囲に迷惑をかけない状況であれば、子どもの好きなように行動させてあげてください。

 

4-2.子どもの選択を尊重する

親と子どもは別の人間であることを意識し、子どもの選択を尊重しましょう。

子どもの成長段階に合わせてアドバイスやサポートをするのは大切です。

しかし、最終的な意思決定は子どもにさせ、その気持ちを大切にしてあげてください

「自分で決めたことだ」と子どもが意識すると、その選択に対して子どもが責任感をもちます。

また、自分で決めるという経験を重ねることで、自分の人生を自分で決める力がついていくでしょう。

習い事を始める・やめるタイミングから、毎日のお洋服選び、大きくなってからは進路選択まで、「子どもの選択を尊重しているか」を気に留めてみてください。

 

4-3.他の子どもと比べない

過干渉にならないためには、我が子を他の子どもと比べないことも重要です。

他の子と比べることで、親に「〇〇しなければならない」という焦りが生まれてしまう可能性があるからです。

焦りが生まれると、子どもではなく親の意思を優先し、子どもを思い通りに動かそうと過度に干渉してしまう恐れがあります。

兄弟・姉妹や友だちと比較された子は、親からの愛情に不信感を抱き、自己肯定感を低くしてしまうこともあります。

比較するのは、その子の過去と今を比べて成長を喜ぶ場合に限定し、自分の子どもをしっかり見つめてあげてください

 

4-4.先回りしない

過干渉対策として大切なポイントとなるのが、先回りしないことです。

前述の通り、親が何でも先回りしていると、子どものやる気や自立心を奪ってしまいます

子どもの代わりにやってあげるのではなく、子どもが自分で問題を解決する環境を整えてあげることで、子どもの能力は飛躍的に向上します。

もちろん、子どもの力では解決できない場合は、アドバイスやサポートが必要です。

しかし、そのサポートも最小限にして、あくまでも子ども自身に問題を解決させるよう心掛けましょう。

【例:うまくブロックが組み立てられないとき】

・基本的に何もしないで見守る

・「あっちのパーツも面白そうだね」などと小さなヒントを出す

【例:子どもが洋服を選んでいるとき】

・基本的に何もしないで見守る

・「明日は寒そうだね」「雨が降るらしいよ」などと情報だけ伝える

・子どもが選んだものに文句をつけない

 

 

4-5.親自身の趣味を見つける

子育て以外に目を向けられるように、自分の趣味や好きなことを見つけるのも、過干渉対策になります。

好きなことを見つけ、趣味の時間を作れば、物理的に子どもにかける時間を減らせます。

また、趣味を楽しむことでストレスが発散され、余裕を持って子どもに接することができるようになるでしょう。

少ない時間でも構いません。自分を大切にするひと時を作ってみてください。

 

5.過干渉を理解し、適度な距離を保つことで子どもの自立心を育てよう

子どもを見ていると、じれったかったりハラハラしたりして、手を出したくなってしまうことも多いでしょう。

しかし、過干渉は子どもの成長に悪影響を及ぼします。「子どものため」とこらえて、干渉は成長に合わせた必要最小限なものに留め、子どもを見守ってあげてください。

適度な関わりとたっぷりの愛情の元で育った子どもは、自立心を持ち、健やかに成長していきますよ。

 

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参考文献
・『はじめて出会う育児の百科』監・文/汐見稔幸  監・文/榊原洋一  監・文/中川信子
・『子どもへのまなざし』佐々木 正美 著
・『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子  著

 

 

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