無視、口答え…5歳・6歳、小学生頃の「中間反抗期」の特徴と対応のコツ
この記事を書いた人
遠藤さおり
- 社会福祉士
大学在学中に社会福祉士・介護福祉士の資格を取得。
知的障害児のレスパイトサービスや高齢者介護施設での勤務を経て、現在は福祉系ライターとして活動中です。
自身も小学生の子の母として、子どもの可能性を伸ばすことを第一に考えながら子育て奮闘中!
福祉の視点を活かしながら、お悩みに寄り添った記事の執筆を目指してまいります。
幼児期からグンと成長して、着替え、トイレ、食事、お風呂など一通りのことが自分でできるようになり、物分かりもよくなってきた6歳頃。
やっと穏やかに過ごせると思った矢先にやってくるのが「中間反抗期」です。
急に口が悪くなったり、親に反抗的な態度を見せたり……思わぬ困りごとが連発するのは、この「中間反抗期」が原因かもしれません。
中でも、小学校入学と重なる時期は親の目が届きにくくなり、不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。
今回は、とくに幼稚園年長〜小学生低学年(6~8歳)の時期に焦点を当てて「中間反抗期」の特徴と対応のコツ をご紹介します。
難しい時期も子どもの成長のチャンスと捉え、前向きに乗り越えましょう!
目次
1.中間反抗期って何?
あまり聞き慣れない「中間反抗期」というワード。
2つの大きな反抗期の間にやってくることから、そう呼ばれています。
子どもが「反抗期」を迎えそうなときは、親も心の準備をしておきたいですよね。
ここでは、中間反抗期の時期と原因について、詳しく見てみましょう。
1-1.中間反抗期はいつやって来る?
子どもは、成長の過程で2度の大きな反抗期を迎えます。
最初に起こるのが2歳前後、「イヤイヤ期」とも呼ばれる「第一次反抗期」です。
この時期は、自我が芽生え始めることで自己主張が強くなります。
「自分でやりたい気持ち」と「上手く出来ない現状」にジレンマを感じ、癇癪を起こします。
次に起こるのが、小学生高学年から中学生くらい、いわゆる「思春期」と重なる「第二次反抗期」です。
自立心が芽生えるこの時期は、大人への反発を通して自分の価値観や自我を確立していきます。
反抗的な態度が強く、親も自分の経験が記憶に残っているからこそ、覚悟している方も多いのではないでしょうか?
「中間反抗期」はこの2つの反抗期の間に起こります。
だいたい幼稚園年長頃から小学生中学年の間に起こると言われており、子どもによってその程度・タイミングはまちまちです。
今回は、幼稚園年長〜小学生低学年の時期、6〜8歳にフォーカスして見てみましょう。
1-2.中間反抗期の原因とは?
中間反抗期の原因は、2つの大きな反抗期と同様に「自我」の発達が関係しています。
6〜8歳は言語能力が増し、子ども同士のコミュニケーションもより活発になる時期です。
今まで親と密接な関係を築いてきた子どもたちも、友達との関わりの中で、関心の中心が親から友達へと次第にシフトします。
世界が広がることで「自分で考えて、自分で行動したい」気持ちもより強くなり、親の干渉や手助けを嫌がるようになるのです。
また、小学校入学を機に行動範囲が広がったり、自分で判断・実行する機会が増えたりするることで、子どもの自信も育まれていきます。
この時期は自分の考えと大人の考えの微妙なズレを敏感に察知し、自分の意思を貫こうとすることで、反抗的な態度が現れやすくなるのです。
2.中間反抗期の特徴
中間反抗期は、次に挙げるような、今までになかった反抗的な態度が目につくようになります。
・親の干渉を嫌がる
・親に口答えをする
・家庭のルールを守らない
・注意しても、聞かない・無視をする
・乱暴な言葉遣いをする
・親に隠し事をしたり、嘘をついたりする
・なんでも自分でやりたがる
・親よりも友達を重要視する
親の目の届かない人間関係も広がり、友達にはどう接しているのか、はたまた友達から悪い影響を受けてきたのか、心配ごとも増えるでしょう。
中間反抗期は第二次反抗期と似ていますが、異なる点があります。
それは、親への大きな甘えがあることです。
この時期の子どもは「自己主張をしたい」という気持ちと「甘えたい」気持ちの2つの間で葛藤を抱えています。
第二次反抗期も親への甘えが無いわけではありませんが、周囲への反発・反抗を起こすことで、自分の価値観を確立し、自立していく、という側面が大きいことが特徴です。
それ故に、中間反抗期は試すような行動をされたり八つ当たりされたりと、親にとってはイライラさせられるような出来事も多いのが特徴です。
子どもは、親から「愛されている」「見捨てられることはない」という絶対的な安心感と信頼感があるからこそ、自分をさらけ出している状態です。
親からするとまだまだ心配事が多いものの、子どもは着実に親離れのステップを進んでいます。
何でも自分で考えて行動したいこの時期は、自立への一歩を踏み出し始めている時期でもあるのです。
3.中間反抗期〜対応のコツ6つ〜
難しい時期ではありますが、親子の距離がまだ近いこの時期は、親の接し方を工夫することで親子ともに穏やかに過ごすことができるでしょう。
ここでは、対応のコツを6つご紹介します。
3-1.子どもの話をじっくり聞く雰囲気をつくる
中間反抗期の子どもは、親と距離を取りたい・親からの干渉を嫌がるといった反抗的な態度を見せることもありますが、まだまだ親とのつながりを強く求めている時期です。
言葉ではあまのじゃくな態度をとり、親としてはイライラすることも多くなりますが、子どもの主張をしっかりと受け止める姿勢を見せましょう。
「そんなこと言うなら、もう知らない!」「勝手にしなさい」というように突き放すと、大人が思っている以上に子どもの心は傷ついてしまいます。
「あなたの話をしっかり聞くよ」という雰囲気を作ることで子どもの心も落ち着き、反発で意思を貫こうとするよりも、話し合うことを選ぶようになるでしょう。
3-2.子どもの友達を否定しない
子どものコミュニティが広がるにつれて、親が把握できない子どもの世界が多くなります。
お母さんの顔まで分かる乳幼児期とは違い、名前を聞くだけの友達も増えてくるでしょう。
そんなときに注意したいのが、子どもの友達を否定してしまうことです。
子どもから聞く話の中で「えっ?」と気になることがあっても、口を出さないのがベストです。
子どもは自分の友達を否定されると、自分も否定されたような気持ちになり、親に積極的に話さないことが増えていきます。
親への隠し事は、できればしてほしくないもの。子どもの住む世界を否定しないよう、干渉するのは悩み事を抱えているときだけにしたいですね。
3-3.ルールは親子で決める
中間反抗期の悩み事として、家庭で決めたルールを守らないといったこともよく見られます。
例えば、テレビやゲームをなかなかやめなかったり、やらなければならないことを後回しにしたりと、今まで素直に取り組んできたことに対して反抗的な態度を取ることが少なくありません。
「30分の決まりでしょ」「先に宿題やるって約束したじゃない!」と頭ごなしに叱っても、なかなか素直に聞き入れてはくれないでしょう。
そのようなときは、ルールを見直すチャンスです。
「もう少し時間を増やして欲しい」「お腹が空いて集中できないから、宿題は食後にやりたい」など、子どもには子どもなりの言い分があるのかもしれません。
親にも「こうして欲しいのに」という思いがありますが、「結果的に宿題が終わっていればよし!」とするなど、ときには譲歩して新しいルールを作っていきましょう。
自分の主張が取り入れられたルールであれば、子どもにも「守らなければならない」という気持ちが生まれます。
決して子どもの言いなりになるわけではありません。
「自分の主張を通したいのであれば、その分、ルールはしっかりと守る」というように、権利と責任のバランスについても親子で考えていきたいですね。
3-4.親の考えを伝える叱り方をする
反抗的な態度が多いこの時期は、親が注意する機会も多くなりがちです。
口も達者になり、「ああ言えばこう言う」状態にうんざりすることもあるでしょう。
「そういう決まりだから」「他人に迷惑がかかるから」というように、漠然とした叱り方では通用しなくなってきます。
まずは「あなたが〇〇して悲しい」「あなたが危険な目に遭ったらと思うと、心配だから」というように、お母さん・お父さん自身の気持ちや考えを伝えましょう。
反抗期と言えど、まだまだお母さん・お父さんが大好きなこの時期は、一番身近にいる大人がどのように感じるか、子どもにしっかりと伝えることが効果的です。
3-5.叱ったときに手応えがなくても、よしとする
幼い頃は叱られると泣いたり、素直に謝ったりしていた子どもも、中間反抗期を迎えると無視したり、ふてくされた返事をしたりと反抗的な態度が目につくようになります。
「わかってるの?」「反省しているの?」と更に小言を続けたくなってしまいますよね。
この時期は、親が言っていることは理解していても、それを素直に態度に表すことができない反抗心があるのです。
親は不完全燃焼な気持ちになりますが、口先だけの「ごめんなさい」を促すより、「これでよし」と気持ちを切り替えましょう。
3-6.NGラインを決めて、それ以外は干渉しない
親から自立の一歩を踏み出している中間反抗期の子どもたち。
まだまだ心配事が尽きませんが、親にとっても子離れする準備を始める時期と言えます。
各家庭で「ここは絶対に譲れない」という部分と、「ここは気になるけど、子どもに任せよう」という部分を決めて見守りましょう。
色々と口出ししたくなりますが、譲れない部分にフォーカスすることで、必ず守って欲しいこと・重要なことが子どもにも伝わりやすくなります。
中間反抗期を機に、親子の間でステップアップした関係が築けるといいですね。
4.男女別の「中間反抗期」対応のコツ
第二次反抗期、いわゆる思春期を迎える前の子どもたちは、男女によって中間反抗期の傾向に差が見られます。
ここからは男女別の傾向と対応のコツをご紹介します。
4-1.男の子の場合
男の子は遊びでも勉強でも、夢中になると熱中しやすい傾向があります。
没頭しているときに妨げるような声掛けをすると、反発したり、親の話を聞き流したりすることも少なくありません。
時間に対してルーズになったり、やるべきことがおろそかになってしまうときは、改めてルールを見直しましょう。
そのときは、子どもの言い分に耳を傾けることが重要です。
口達者な女の子に比べて、自分の気持ちを言語化する力が未熟なこともあるので、親がしっかりと向き合うのが大切です。
4-2.女の子の場合
女の子は友達同士の繋がりがより深くなり、親より友達との価値観を重要視する傾向にあります。
親への秘密や隠し事が増え、ときには嘘をつくこともあるかもしれません。
その一方で、他人からの評価も気になるようになり、友達との人間関係にストレスが生じやすくなります。
外でのストレスを発散するかのように家庭で親に八つ当たりしたり、拗ねて注意を引こうとすることもあるでしょう。
親に対して口答えや屁理屈が多くなりますが、本音は親に「認めてほしい」という思いが強くあります。
周りと比べず、自信を支えるようなポジティブな声掛けを心がけましょう。
5.中間反抗期は成長の証!親も子離れの準備を
子どもの日常的なお世話からだいぶ手が離れ、穏やかに過ごせるかと思っていた時期にやってくる「中間反抗期」。
小学校入学などを機に親の手や目が離れたタイミングと重なった場合は、戸惑うことも多いかもしれません。
この時期は、これから迎える大きな反抗期、第二次反抗期の準備期間であるとも考えられます。
子どもが順調に成長していることを前向きに捉え、子どもと一緒にお互いの自立に向けてのステップを踏みましょう!
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