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早起きすぎる子どもへの対応とは?早起きのメリットと睡眠時間の確保の仕方を解説

この記事を書いた人

狩野淳 狩野淳

狩野淳

  • 公認心理師
  • 臨床心理士

大学、大学院にて発達心理学と臨床心理学を専攻していました。

臨床心理士と公認心理師の資格を保有しております。

子ども達とその保護者の方の支援を仕事にしており、子ども達へは主に応用行動分析を認知行動療法用いて、保護者の方にはブリーフセラピーを使ったアプローチを行っています。

もうすぐで1歳になる男の子がいて、毎日癒されています!

「子どもが早朝に起きてしまって、十分な睡眠時間が取れているのか心配」「睡眠不足が心身に悪影響を与えそうで心配」など、子どもの睡眠に関するお悩みをお持ちの方へ。

2歳のお子さんが早朝に起きてしまう原因と、睡眠不足が引き起こす悪影響、適度な早起きがもたらすメリットについて解説していきます。

 

目次

1.【2歳】子どもが早起きすぎる…。原因について解説!

まずは、幼い子どもが早朝に目が覚めてしまう原因から解説していきます。

様々な要因が子どもの睡眠を阻害している可能性があるため、我が子の場合の原因を探り、睡眠環境改善の参考にしてください。

 

1-1.原因①|外からの刺激が強い

原因の1つ目は「外からの刺激が強い」です。

朝日や外からの騒音、温度や湿度などの影響でお子さんが早朝に覚醒してしまう可能性があります

特に夏は、日の出と共に気温が高くなるだけでなく、クーラーによって室温が下がって寒くなってしまったり、強い日差しで眩しくて起きてしまったりしているのかもしれません。

対策としては、寝室を外部刺激の少ない環境にする必要があります

具体的には遮光カーテンで外からの光を遮る、室温・湿度を一定に保つようにエアコンのタイマー機能などを活用する、二重窓やシャッターを取り付けて屋外からの音を遮断するなどが挙げられるでしょう。

 

1-2.原因②|昼寝から就寝まで時間が空いている

2つ目の原因は「昼寝から就寝まで時間が空いている」です。

早い時間帯に昼寝から起きてしまったり、昼寝ができなかったりしたなどの理由で、活動時間が長くなりすぎるとストレスホルモンであるコルチゾールが過剰分泌されてしまいます

その結果、脳が興奮状態になり眠りにくくなったり、睡眠が浅くちょっとしたことで起きてしまったりする可能性があります

このような原因の場合、環境やお子さんの性格にもよりますが、お昼寝の時間帯を調節することで改善する場合があります

また、早起きしすぎずぐっすりと眠れた日があったなら「どうしてぐっすり眠れたのか」「眠れた要因はなんだったのか」を考えてみてください。

このように、いつもと違い上手くいった事例の要因を探すことを心理学では『例外探し』といいます。

「たまたまできた」「偶然うまくいった」ことにも必ず理由があり、その理由や法則を明らかにしていくことで問題解決へ繋げることができるのです。

睡眠に関する問題以外にも『例外探し』の手法は使えますので、覚えておくことをおすすめします。

 

1-3.原因③|寝る前の行動が睡眠の質を下げている

考えられる原因の3つ目は、「寝る前の行動が睡眠の質を下げている」です。

例えば、早く寝かせなければと考えるあまり、ご飯を食べさせたあとにすぐに寝かせていませんか?

寝る直前まで、テレビやタブレットを見せていませんか?

これらの行動も睡眠の質を下げ、早朝に目が覚めてしまう原因となります。

食事をとった後すぐに寝てしまうと、胃や腸の働きによって睡眠の質は低下します

また、テレビやタブレットからでるブルーライトによって脳が興奮してしまうことによっても、睡眠の質が下がります

可能な限り食事と就寝の時間はあけ、寝る1時間前には薄暗い静かな部屋で過ごさせてあげましょう

平日は仕事などで忙しく、完璧な環境を作り出すことは難しいかもしれませんが、まずは意識することから始め、変えられる部分を少しずつ変えていきましょう。

 

 

2.【2歳】睡眠が足りていない場合、子どもへの影響は?

一般的に、2歳児の理想的な睡眠時間は、昼寝を含めて11時間〜14時間とされています。

昼寝を2時間したとして、夜には9時間から12時間程度睡眠をとるのがベスト、ということになります。

では、睡眠時間を十分にとることができなかった場合、子どもにどんな影響が及ぶのでしょうか?

 

2-1.機嫌が悪くなる

睡眠には、精神状態の安定を保つ働きがあります。そのため、睡眠時間が足りていないと、機嫌が悪い時間が長くなりがちです。

2歳頃はイヤイヤ期と重なり、親御さんの言うことをますます聞かなくなりますので、そこに機嫌の悪さが加わると手がつけられなくなることもあるでしょう。

睡眠不足はお子さんのストレスの原因となるだけではなく、親御さんの育児ストレスの原因にもなってしまうのです。

 

2-2.成長ホルモンの分泌が少なくなる

睡眠の質が低かったり、早すぎる時間に起きることで、睡眠中に成長ホルモンが十分な量分泌されず、子どもの成長に悪影響を与える可能性があります

成長ホルモンは幼児期から思春期に盛んに分泌され、丈夫な体を作るのに必要不可欠です。

一説には「22時〜2時のあいだに成長ホルモンが分泌される」とされていますが、「最初の熟睡の際に大量に分泌される」という説もあり、詳細なメカニズムは解明されていません。

いずれにしても睡眠の質を高め、適切な睡眠時間を確保することでがよい成長を促します。

 

2-3.免疫機能が低下する

「免疫機能の低下」を引き起こす可能性もあります。

睡眠を十分取ることができていないと自律神経が乱れ、免疫機能を維持・強化することがでません

そのため、免疫細胞の分泌が抑制され、免疫力が下がってしまいます。

2歳では、幼稚園や保育園に通っているお子さんも多いと思います。

免疫力が低下することで、風邪や胃腸炎、アデノウイルスなどに感染する確率が高くなる傾向にあります。

それにより、親御さんが仕事を休まなくてはならなくなったり、さらには、お子さんが社会性を学ぶ機会が減ってしまったりします。

 

3.【2歳】早起きのメリットとは?

ここまでで、子どもが早起きしすぎる原因と、睡眠時間が足りていないことによる影響について整理してきました。

問題なのは、早起きしすぎること自体ではなく、それにより十分な睡眠時間が確保できないことです。

質の良い睡眠を十分とって早起きすることは、いうまでもなく子どもに良い影響を与えます。

そこで最後に、早起きすることで生じるメリットについて改めて整理しましょう。

 

3-1.朝食の時間に余裕がもてる

早起きをすると朝の準備の時間に余裕が生まれるため、しっかりと朝食をとることができます。

朝食をとることで脳にエネルギーが供給されて、集中力や日中の記憶力が高まるとされているだけでなく、小腸や大腸が動き始めるため排便に繋げることができます

便は寝ている間にたくさん作られるため、朝食後に排便のリズムができると便秘になりにくくなるとされています。

親御さんもゆっくりと準備をすることができるため、精神的に楽になりますね。

 

3-2.午前中の活動時間が充実する

早起きをすることで、午前中の活動時間が増えます。

午前中は午後に比べ疲れがないため、集中して活動に取り組むことができます

保育園や幼稚園でも創作活動は午前中に行われることが多く、私たち心理士の世界でも、発達検査や知能検査を行う場合には午前中に行うことが推奨されています。

それだけ、子どもが午前中にだせるパフォーマスは午後よりも高い、ということですね。

 

3-3.人生が豊かになる可能性がUPする?

早起きをして朝食を食べ、早い時間に就寝するという生活リズムを習慣化することは、子どもの将来に大きな影響を及ぼすとされています。

『早寝早起き朝ごはん』全国協議会の報告書によると、早寝早起きで朝ごはんを毎日食べている子どもは、「自分でできることは自分でする」といった自律性、「人から言われなくても自分から進んでやる」といった積極性、「困っている人がいたときに手助けをする」といった協調性などの行動習慣が身についている傾向にあるとされています。

また、子どもの頃に規則正しい生活習慣を送っていた人ほど、自信や意欲・関心、ルールを守ろうとする誠実性、人間関係を作り上げる力が高い傾向にあることもわかっています。

このように、早起きをすることは現時点でのメリットだけでなく、将来にわたって良い影響を及ぼすのです。

 

4.適切な睡眠時間で健やかな成長を促そう

年子

子どもが早起きしすぎてしまう原因はいくつか考えられ、心身に悪影響を与える可能性も考えられます。

とりわけ、睡眠の質が低かったり、睡眠時間が短かったりすることで生じるデメリットは、子どもの成長に大きな影響を与えてしまいます。

しかし、対策することでいずれも改善することができるでしょう。

「早起きすぎる」こと自体を困りごととして捉えず、適切な睡眠時間を確保しつつ、早起きのメリットを享受できるように環境を整え、健やかな成長をサポートしてあげてくださいね。

 

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参考文献
・「早寝早起き朝ごはん」全国協議会「『早寝早起き朝ごはん』の効果に関する調査研究 報告書」 

 

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