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せっかちな子どもの心理とは?効果的な対応6選とポジティブな考え方を保育士が紹介

この記事を書いた人

宮先惟之 宮先惟之

宮先惟之

  • 保育士

保育所や子ども園にて15年間勤務。

主に、3〜5歳児のクラス担任や障がい加配保育士をしてきました。

2児の父でもあり、子育ての大変さや楽しさを感じながら、日々子どものやる気を引き出す環境作りや言葉のかけ方を工夫しています。

「慌てて取り組むためミスが多い」、「大人の説明を最後まで聞かずに行動してしまう」など、せっかちな子どもの姿が気になることはありませんか?もう少し丁寧に、落ち着いて行動したらいいのにと思いますよね。

実は、せっかちな子どもにはある思いや背景があります。

本記事では、保育士として子どもの心情を理解する筆者が、せっかちな子どもの心理を紐解き、適切な対応をお伝えします。3歳~小学校低学年の子どもに効果的ですので、ぜひご覧ください。

 

目次

1.せっかちな子どもの心理は?

まずは、せっかちな子どもの心理をみていきましょう。

いくつかパターンがありますので、お子さんの様子を思い浮かべながらご覧ください。

 

1-1.他にやりたいことがあるから

ひとつめは、他にやりたいことがあるから今していることが雑になるケースです。

小学生の場合、早く遊びたいために、計算や漢字の宿題を急いでおこない、計算ミスをしたり、字を雑に書いたりすることがあるでしょう。幼児だと、次の楽しみのために、今している遊びの片付けがいい加減になるなどです。

他のことに気持ちが向いていると、今していることへの集中が持ちにくいのは大人も同じですよね。子どもは、大人ほど気持ちのコントロールができず、行動に現れてしまうのでしょう。

 

1-2.早くおこなうことが良いと感じているから

なんでも早くできることが良いと感じている子どもは、多いでしょう。集団で過ごす中で、遊びや身の回りの準備など、誰が早いかと競い合うこともよくあるからですね。

また、親も「早くしてね」と子どもに声をかけることはありませんか?宿題も早くできたら、「もうできたの?すごいね」と褒めることも多いでしょう。

早くおこなうことに問題はありませんが、過度に早くしようすると子どもはせかせかします。早くしようと思い過ぎていないかが、ポイントですね。

 

1-3.落ち着いて遊ぶ経験が少ないから

お子さんは普段、どんな遊びをしますか?筆者が保育現場で子ども達に「おうちでは、何して遊ぶの?」と尋ねると、ゲームやYouTube、TikTokを見るといった回答が多いです。

さらに中身を尋ねていくと、スピード感があるものやテンポが良いものなど、興奮しやすいものを好む傾向にあることも分かりました。

さて、そういった遊び終えた子どもの精神状態はどうでしょう?

落ち着くとは反対に気持ちが高ぶっている状態にあり、せかせかしやすい心理になっていませんか?心を落ち着けて、じっくり遊ぶ経験も大事です。

 

1-4.親の言葉がけに緊張するから

親の言葉が刺激となって子どもがせかせかしている場面はありませんか?筆者は、親の強い口調や態度に緊張した子どもを見ることがあります。

保育現場でよくある親子の関わりをお話しますね。

子どもは登園や降園時に親から「早く!」とよく声をかけられています。仕事や家事など、時間を気にして動くときだからでしょう。

そこで、親自身が落ち着いて伝えるか、焦って伝えるかで子どもの様子は大きく変わります。焦って「早く!」と何度も伝えると逆効果で、子どもはパニックになりますよ。落ち着いて、子どもと関わっているか振り返ってみましょう。

 

1-5.好奇心が強いから

せっかちな子どもの心理の1つが、純粋な好奇心の強さでしょう。遊びの移り変わりが早い子や、文字や算数などの学習を次々と知りたがる子が当てはまりますね。

「もう少しじっくり遊んでほしい」、「断片的な学びが中途半端で気になる」といった思いをお持ちの方もいるでしょう。あれもこれもと興味を持つのは良いことではありますが、どこか急いでいるように見え、どう関わって良いか迷いますよね。

 

2.せっかちな子どもへの対応6選

続いて、せっかちな子どもへの対応を紹介します。

子どもに「落ち着いてね」と声をかけても効果はいまいちと悩まれている方にとって役立つ情報ですよ。保育士がお伝えする効果的なアプローチを、ぜひ参考にしてみてください。

 

2-1.子どもの気持ちを否定せず、受け止める

子どもがせかせかする様子を見たときは、どうしていますか?

まずは、否定せずに子どもの気持ちを受け止めましょう。これは、せっかちな原因が「1-1.他にやりたいことがあるから」の場合におすすめの対応です。

例えば、早く遊びたいがために宿題を雑に取り組んでいた子どもには、「きちんと宿題をしなさい」と言う前に「早く遊びたい気持ちは分かるよ」と思いを汲んであげましょう。子どもは、気持ちを理解してくれると安心しますよ。焦っていた気持ちも少し落ち着くでしょう。

さらに、宿題が終わった後には「遊ぶ時間も十分にあるよ」と伝えてあげると、さらに安心しますよ。年齢が小さいほど時間的な見通しは持ちにくいため、言葉で気持ちを共有してあげることがポイントです。

 

2-2.丁寧におこなうことの良さを伝える

丁寧におこなうことの良さを言葉にして伝えましょう。実はこの対応、筆者の家庭で有効でした。特に、早くおこなうことが良いと感じている子どもにはおすすめですよ。

あるとき娘の宿題ノートを見ると、字の丁寧さがバラバラで、焦って取り組んだときは雑でした。そこで宿題をチェックする際に、早く終えたかではなく、丁寧に書けた(取り組んだ)かをポイントに子どもに声をかけるようにしました。丁寧に書いていたときには、「この字がきれいだね」と具体的に伝え、褒めるようにしたのです。

すると、娘の意識が少しずつ変わり、焦っておこなうことも減りました。

 

2-3.親と落ち着いて遊ぶ経験を積む

普段の子どもの遊びに注目です。

1-3.落ち着いて遊ぶ経験が少ないから」が気になった方は、お子さんとゆったり遊ぶ経験を積んでいきましょう。おすすめは、トランプやすごろく、ボードゲームですよ。

理由は、以下の3つが経験できるためです。

・順番を待つ。
・ルールを守る。
・考えて取り組める。

どれもせっかちな子どもに必要な経験で、程よいスピード感の中で落ち着いて遊ぶことができるでしょう。人とペースを合わせることは貴重な体験ですよ。

また、家族と一緒に遊ぶことは心の安定にもつながります。穏やかな心情になれば、せかせかすることも減りますね。

 

2-4.子どもを急がせない

子どもを急がせていませんか?

「早くして!」と言いたくなる場面はあるでしょうが、「○○しようね。」と伝える方が効果的です。子どもがせかせか動いているときには、こちらの話はあまり耳に入りませんので、一度動きを止めてから話をしましょう。

ポイントは、子どもを座らせてから伝えることです。立ちながらだと、子どもの気持ちがまだ切り替わっていない場合もありますので、一旦落ち着けるようにしましょう。保育現場でも、よく使う方法の1つですよ。

 

2-5.子どもの興味を理解し、会話を楽しむ

好奇心が強く、興味が次々と移り変わる我が子にお困りの方は、子どもの興味を理解し、会話を楽しみましょう。ポイントは、親が力を抜き、子どもと関わることです。

筆者の友人である小学校の教員も話していましたが、あれもこれもとを知りたがることは、悪いことではありません。子どもが知りたいと思ったことを伝えていくと良いですよ。

例えば、「ひらがなを知りたい」と言ったかと思えば、「カタカナを知りたい」と言ってきた場合も「カタカナの何の文字が知りたいの?」と尋ね、知りたいことを探っていく対応で大丈夫です。子どもなりに満足したら落ち着いてきます。

子どもの好奇心を受け入れ、会話を楽しみましょう。

 

2-6.親も普段から慌てずに行動する

日常的に、子どもを急がせていないか振り返ることも大事ですね。

もし、「早く早く!」と焦って声をかけていた場合は、親自身が落ち着いた行動をとれるように意識しましょう。時間の余裕がなく、朝に忙しくなる場合は、子どもを今より早く寝かせることもポイントかもしれませんよ。子どもがスッキリ寝て、早起きするとテキパキ行動することもあるでしょう。

余裕が持てるよう、1日の過ごし方を振り返ったり家族で相談するのも1つですね。親に心の余裕があると、子どもの気持ちを受け入れることができるため、自然と子どもは落ち着きます。

 

3.せっかちな性格はダメなこと?

せっかちと聞くとマイナスなイメージを持たれる方が多くいますが、そうとも限りません。せっかちな性格は、子どもが大きく成長できるきっかけを秘めています。

見方次第では、長所にもなり得ますよ。ここでは、2点紹介しますね。

 

3-1.新しい発見やチャレンジができる

せっかちな子どもの好奇心が強い部分は、長所ですね。いろいろなことに興味を持つからこそ、新しい発見やチャレンジができます。

「ひらがなやカタカナを知りたい!」と学びを進めたり、遊びや運動でのチャレンジを通して様々な発見があるでしょう。保育現場で、好奇心の強い子は、自分で考えたことを試すなど創意工夫する楽しさも見出している場面もありますよ。

また、たくさんの取り組みをしたことで、本当に好きなことが見つかるかもしれませんね。

 

3-2.子どもの好きなことが分かりやすい

実は、せっかちな子ほど、何が好きか分かりやすいです。遊びの移り変わりが早い、せっかちな子どもを見ていると落ち着きませんよね。

しかし、そんな子が熱中して取り組むことがあればどう思いますか?急いでおこなうことが多い子が何かに熱中するってよほど好きなことですよね。やり込めるようにしたり、褒めて自信をつけることで才能が育つ機会を作れますよ。

あるせっかちな子は、粘土で遊ぶときは落ち着いていました。粘土ベラやカップなどを用意するとさらに遊び込み、作ったり構成したりする力が伸びましたよ。製作遊びにも、じっくり取り組むようになったことには、おどろきました。

 

4.せっかちな子どもの姿を受け入れ、個性を伸ばそう!

せっかちな子どもには、いろいろな心理があることがわかりましたね。せっかちは、ネガティブなことではなく特徴の1つです。

こちらの関わり方次第で、成長するきっかけになるとポジティブにとらえましょう。

私たち自身のふるまいにも気をつけながら、子どもにアプローチし、見守っていきたいですね。

 

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