年子育児はありえない?年子育児の魅力と子育てを楽しむコツ
この記事を書いた人
アリサ
- 幼稚園教諭
- 保育士
保育現場で約10年間働いていました。
1歳児~5歳児のクラス担任、障がい児加配の経験があります。
現在は、2歳と5歳のパワフルな息子たちの子育てに奮闘するかたわら、WEBライターとして活動中です。
一筋縄にはいかない子育ての中で、保護者の皆様の心が少しでも軽くなる情報を発信していきたいと考えています。
好きなものは絵本、読書、お花、柴犬です!
「年子育児は大変」「一体いつになったら少し楽になるの?」、そんなお悩みはありませんか?
この記事では年子育児のメリットや楽しむコツ、楽になる時期を紹介します。年子育児で大変なポイントの解決策や一人ひとりの子どもとの関わり方についてもお伝えしているので、ぜひ試してみてください。
目次
1.年子育児のメリット、デメリットとは?
年子とは、上の子どもと1歳違いで生まれた兄弟姉妹のことを指します。
学年差については、1学年差をイメージする方が多いと思います。しかし、上の子どもが早生まれ(1月~3月)の場合、下の子が4月生まれなら2学年差に、また、上の子どもが4月生まれで下の子どもが3月生まれの場合は同学年になることも。
ここでは実際に、年子育児のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのか解説します。
1-1.年子育児のメリット
・ベビーグッズやおもちゃを共有できる
年子育児では、身の回りのベビーグッズや服をそのまま下の子で使うことができます。
ベビーグッズやおもちゃを下の子でも続けて使えるため、家の中で長期間保管する必要がありません。保管のスペースを取り続けることがないのが嬉しいですよね。
・お互いが遊び相手になる
年子育児では年齢が近いことから、個人差はあるものの、興味があるものや遊び方が似ていることが多い傾向が見られます。お互いが遊び相手になるので、一緒に遊べる期間が長いのがメリットと言えます。また、おもちゃを一緒に使うこともできます。
・子育てが一気に終わるため、キャリア形成がしやすい
年子育児では、短いスパンで産休や育休を取ることになりますが、長い目で見れば育児に集中している時間は短くなります。復帰後は休むことなく働き続けられるので、キャリア形成がしやすいと考えられています。
・上の子の赤ちゃん返りが少ない
一般的に、赤ちゃん返りをするのは自我が強くなる2歳以降が多いと言われています。年子育児の場合は、上の子どもが2歳になる前に下の子が生まれるため、赤ちゃん返りが少ないのがメリットと言えるでしょう。
1-2.年子育児のデメリット
・育児の大変な時期が重なる
育児が短期間で終わる一方で、大変な時期が集中するのが年子育児です。上の子どもの食事や排泄、衣服の着脱など生活全般においてパパとママの援助が必要な時期に下の子どもが生まれるため、赤ちゃん2人のお世話を一気にすることになります。
・体力面や精神面で親の負担が大きい
年子だと、上の子どもがまだ授乳が必要な時期に下の子どもの妊娠生活が始まります。まだ、夜泣きがあるお子さんもいるでしょう。上の子どものお世話をしながら妊娠生活を過ごし、その後すぐに新生児を抱えての生活がスタートするため、ママには体力的にも精神的にも負担がかかります。
・同じ時期にオムツや学費などの出費がかさむ
年子は、2人同時にオムツを使用する期間が長いため、その分、出費がかさみます。また、入学や卒業、受験などが連続するので計画的に貯金しておくなど対策が必要です。
2.年子育児の大変ポイントと解決策は?
年子育児は具体的にどのような場面で大変なのでしょうか?また、大変なポイントでの解決策についてもご紹介します。
2-1.生活面の大変ポイント
・食事
下の子どもの月齢が低いうちは、食事のタイミングや食事の形態が異なるため、それぞれに合わせた食事を用意する必要があります。また、同時に2人の食事の援助が必要なこともあるでしょう。自分の食事をゆっくりとることが難しくなるかもしれません。
・生活習慣
トイレや衣服の着脱などの基本的生活習慣において、上の子どもと下の子どもで、それぞれ援助しなければなりません。そのため、どちらかに待っていてもらったり、時間がかかったりすることがあります。
・お風呂
下の子どもの首や腰が座らないうちは、2人同時にお風呂に入れるには工夫が必要です。安全な場所で待っていてもらったり、扉を開けたまま入浴したりする必要があるでしょう。ゆっくりと入浴するのは難しくなることがあります。
・寝かしつけ
2人の生活リズムが違うと同時に寝かしつけることが難しいです。また、どちらかに夜泣きがある場合には、泣き声でもう一人も起きてしまうこともあります。
2-2.外出面の大変ポイント
・買い物やお出かけ
カートに乗せたり、抱っこ紐を使ったりしながら2人を同時に連れていく必要があるため、重たい荷物を持つのは難しいでしょう。また、どちらの子どもも抱っこをせがむ時期が重なるので、抱っこ紐だけでなくベビーカーの用意も必要になり、荷物が増えます。
・動きたい盛りの子どもなので人手が必要
年齢が低いうちは、身の回りのすべてのことに興味関心があり、非常に好奇心旺盛です。どこへ出かけても、子どもたちそれぞれが自分の興味のあるところへ一目散に走っていってしまうことがあるため、場面によっては一人で子どもたちを見るのは難しいことがあります。
2-3.年子育児を楽にする方法
毎日時間に追われる大変な年子育児。少しでも楽にする方法をご紹介します。できそうなことがあれば、ぜひ試してみてくださいね。
・誰かに助けてもらう
子育ては一人ではできません。子どものパパやおじいちゃん・おばあちゃんなど、周りの人に協力してもらいましょう。また、仕事などで協力してもらえない場合には、ファミリーサポートに登録したり、ベビーシッターを頼むのも一つの方法です。
支援センターなどに出かけて、他のパパとママや支援員さんに話を聞いてもらったり、子育て世帯が使える行政サービスを調べたりするのもおすすめです。
・時間に余裕をもって行動する
早めの行動を心がけましょう。育児は思いがけないタイミングでのハプニングがつきものです。時間に余裕がないと、突発的な出来事が起きたときに焦ってしまいます。時間がないときに限って、子どものイヤイヤが発動することもあるため、時間には余裕をもって行動するといいですよ。
・便利グッズを使う
便利なサービスやグッズを進んで活用しましょう。子どもを2人連れての買い物は時間も労力もかかるため、ネットスーパーを利用するのがおすすめです。また、移動時には2人乗りベビーカーやベビーカーステップを活用することで、一度に2人を乗せることができます。
お風呂に入れるときには、バスマットやバスチェアを用いることで、お風呂の時間がぐっと楽になりますよ。
・家事を完璧にこなそうとしない
2人の育児をしながら、家事を完璧にこなすのは難しいものです。食洗器やロボット掃除機、便利な調理家電などを導入することで、今まで家事に費やしていた時間を別のことに活用したり、親が休む時間を作ったりできます。食事はレトルトや冷凍食品も活用してみましょう。「~しなければいけない」と思うとしんどくなってしまうので、「まあいいか」と肩の力を抜いて過ごせるといいですね。
・リフレッシュの時間を持つ
たまには子どもたちを誰かに預けるなどして、リフレッシュの時間を持ちましょう。ゆっくり寝たり、自分の趣味の時間を取ったりするのもいいですね。親の心と体が元気でいることで、結果的に心に余裕をもって子どもと関われます。
3.【年子育児】一人ひとりの子どもとの関わり方
「年子2人のお世話に追われる日々でも、一人ひとりの子どもときちんと向き合いたい!」「でも、どんな風に子どもと関わればいいのか分からない」とお悩みの方に向けて、どんな関わり方をすればいいのか具体的にお伝えします。
3-1.子どもとスキンシップをとる
子どもとスキンシップをとりましょう。ふれあい遊びをしたり、絵本を読んだりするのがおすすめです。
ふれあい遊びの中でも「いっぽんばしこちょこちょ」や「きゅうりができた」などは子どもたちに大人気です。
絵本を読むときには、子どもを膝の上に乗せてあげると距離が縮まり、安心感が増します。
時間の長さが大切なのではなく、どれだけ密な時間が過ごせたかが大切なので、1曲だけ、1冊だけなど短時間でも大丈夫ですよ。
3-2.たまには子どもと2人きりで出かける
兄弟や姉妹がいると、どちらかの子どもと2人きりで出かけることってないですよね。たまには、誰かに協力してもらって上の子ども、下の子どもそれぞれとの2人きりの時間を作るのがおすすめです。
パパとママをひとり占めできる時間は、子どもにとっても特別なもの。存分に甘えさせてあげることで、子どもの心が満たされるでしょう。また、パパとママにとっても一人の子どもとじっくりと関わる時間は、「こんなことができるようになったんだな」「こんなところが素敵だな」などと、子どもの姿から新しい発見があるかもしれません。
3-3.子どもへの思いを言葉にして伝える
「ありがとう」や「大好き」など、子どもへの思いを言葉にして伝えましょう。普段頑張っている部分や素敵なところを、あえて言葉にして認めてあげることで、子どもは「ちゃんと見ててくれるんだ」という安心感を感じることができ、自己肯定感を育むことへと繋がります。
4.いつになったら楽になる?年子育児のターニングポイント
年子育児で大変な時期には「いつになったら少し楽になるんだろう」という気持ちが出てくるかもしれません。年子育児に何度か訪れるターニングポイントについてまとめました。
4-1.下の子どもが生後3ヶ月ごろ
下の子どもが生後3ヶ月ごろになると、授乳の間隔が少しずつ開きはじめたり、昼夜の区別がついたりする時期です。中には、少しまとまって寝てくれるお子さんも出てくるでしょう。上の子どもも赤ちゃんがいる生活を受け入れる姿が見られるようになります。親自身も年子育児のリズムが少しずつつかめる時期です。
4-2.下の子どもが生後6ヶ月ごろ
下の子どもが生後6ヶ月ごろになると、寝返りやお座りができる子どもも増えます。遊びの幅や興味関心も広がるため、少しの時間であれば一人遊びをしたり、上の子どもと遊んだりする姿も見られるようになるでしょう。離乳食が始まるため、食事の準備は大変になるかもしれません。
4-3.下の子どもが1歳ごろ
下の子どもが1歳になるころには、自分の意志で広い範囲を移動できるようになり、さらに探索活動が楽しくなります。下の子どもの行動に目が離せない反面、上の子どもと一緒に遊ぶ姿も多く見られるようになるでしょう。個人差はあるものの、卒乳する子どもも出てきます。また生活リズムが整う時期のため、ママの体は随分楽になると言われています。
4-4.下の子どもが2歳ごろ
下の子どもが2歳ごろになると、イヤイヤ期を迎えることが多く、自我がさらに強くなります。また、何でも「自分でしたい!」という意欲にあふれている時期でもあります。食事や衣服の着脱など自分でできることがぐんと増えるので、お世話が楽になりますよ。
4-5.上の子どもが2歳~3歳ごろ
下の子どもが大きくなるにしたがって、自分で出来ることが増えるのでお世話の面では楽になります。加えて、上の子どもの年齢も年子育児を行う上で重要なポイントです。
上の子どもが2歳~3歳ごろになると、食事や衣服の着脱、排泄などの基本的生活習慣がずいぶん自立します。さらに、言葉でのやりとりもスムーズにできるようになるため、パパとママは楽になるでしょう。また、家族の一員として簡単なお手伝いを喜ぶ時期です。自分がお兄ちゃんやお姉ちゃんだということに自信を持ち、下の子どものお世話を手伝ってくれることもありますよ。
5.年子育児は頑張りすぎずに楽しむ気持ちが大切
年子育児は、お世話が大変な時期や大きな出費がある時期が重なることで、パパとママにとって大変な時期があるかもしれません。
しかし、長い目で見ると、大変な時期がぎゅっと濃縮されているだけで、子育てが一気に終わるのが年子育児のメリットです。
一方で、毎日子どものお世話に追われ、心と体が疲れてしまうこともありますよね。家族や行政サービスを頼ったり、便利なグッズを活用したりして、パパとママが息抜きする時間を意図的に作りましょう。パパとママの心と体が元気でいることは、余裕をもって子どもたちと関わることへとつながります。
子どもたちの成長はとても早く、振り返ってみると一瞬の出来事です。小さくてふわふわの手も、舌足らずな話し方も、かわいい言い間違いも、どれも今だけの特別な姿。適度に息抜きをしながら、肩の力を抜いて頑張りすぎずに年子育児を楽しんでくださいね。
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