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しりとりは何歳から?しりとりが身に付く絵本やアレンジの方法を紹介

この記事を書いた人

みき みき

みき

  • 司書教諭
  • 中学校教諭
  • 高等学校教諭

高校の国語講師として約8年勤務していました。

中学、高校の教員免許、図書館司書、司書教諭の資格を持っています。

現在は3人の子育てに奮闘中。

知識や経験を活かせるライターを目指し、勉強中です。

「しりとりっていつからできるの?」と漠然とした疑問を持ったことはありませんか。

同年齢の子どもがしりとりをしているのに、わが子がなかなかできるようにならないと焦ってしまいますよね。

この記事では、しりとりができるようになる年齢の目安や、しりとりで身に付く力について解説します。

しりとりのやり方を教えるときにおすすめの絵本や遊びも紹介しますので、参考にしてみてください。

 

目次

 

1.しりとりは何歳からできるの?

まずはしりとりができるようになる年齢の目安や、しりとりをするときに必要な能力について解説します。

 

1-1.しりとりができるようになる年齢

しりとりができるようになる年齢は、4〜5歳頃が一つの目安です。

<しりとりができるようになる発達の目安>

  • 友達との関わりが増え、会話を楽しむようになる
  • 文字に興味を持ちはじめたり、ひらがなの読み書きができる
  • 興味の幅が広がり、知っている言葉が増える

などの項目にお子さんが当てはまる場合は、しりとりを教えるのに適したタイミングと言えます。

お子さんがひらがなへの関心を示したら、しりとりのやり方を伝えてみてもいいかもしれません。

 

1-2.しりとりに必要な音韻認識とは

しりとりができるようになるためには、音韻認識という能力が必要になります。

音韻認識とは「いくつの音で単語ができているか」「単語のはじめの音は何か」「単語の終わりの音は何か」と言ったことが理解できる能力のことです。

例えば「りんご」を使って音韻認識をすると

  • 3つの音からできている
  • 単語のはじめの文字は「り」
  • 最後の文字は「ご」

となります。

しりとりをするときは、

  • 「り・ん・ご」という音を正確に聞き分け、それが3つの音から成り立っていると理解する
  • 相手が言った単語の「終わりの音」を認識し、同じ音で始まる単語を探し出す

という作業が必要になります。

ある論文では、「しりとりができるようになることと、文字の読みと音韻認識には相互に密接な関係がある(※1)」ことも明らかになっています。

音韻認識が未発達の子どもにとって、しりとりは高度な言葉遊びであることがご理解いただけたかと思います。

 

1-3.筆者の子どもたちの体験談

筆者も子どもたちが4〜5歳の頃にしりとりを教えたことがありますが、最初はルールを説明してもうまく理解してもらえませんでした。

<しりとりをはじめた頃の親子の会話>

筆者「しりとりをはじめるよ。しりとりは最後に「り」がつくから、「り」で始まる言葉を考えてみよう」
子ども「・・・あり!」
筆者「いいね。ありは最後に「り」がついてるね。そしたら最初に「り」がつく言葉は何かな?」
子ども「きりん!」

筆者が「りで始まる言葉」を尋ねても、子どもたちはうまく答えられないことが多かったです。

そのため最初は、しりとりのルールに縛られずに、「りんご」「りす」「りく」など、同じ語頭の言葉を探す遊びをたくさんしました

親子の会話や言葉遊びを通して、子どもたちは自然としりとりに必要な能力を身につけていきます。

1度でしりとりを習得させようとせずに、お子さんの発達段階に合わせて遊びをアレンジしながら楽しめるいいですね。

 

2.しりとりで身に付く力

ここからはしりとりで身に付く3つの力について紹介します。

 

2-1.語彙力が上がる

しりとりは語彙力の向上が期待できる言葉遊びです。

しりとりを通じて自然とたくさんの言葉に触れることができるので、楽しみながら語彙を増やすことができます。

しりとりをしながら子どもが知らない言葉があれば、スマホや辞書などで一緒に調べることで、知識の定着にもつながりますよ。

 

2-2.集中力が高まる

しりとりは、前の人が言った言葉の語尾の音を拾い、その音から始まる言葉を探し出す作業を一度に行う必要があります。

子どもは最初の1文字を探すことに一生懸命になるため、自然と集中力が養われていきます。

しりとりに慣れてきたら、「3文字の言葉だけでしりとりをする」などお子さんのレベルに合わせてオリジナルのルールを作るのもおすすめです。より難易度が上がり、集中力を発揮できますよ。

 

2-3.待つ・聞く力が身に付く

しりとりを通して、コミュニケーションの基本である「待つ・聞く力」を育てることもできます。

しりとりは他の人とのやり取りで成り立つ遊びです。自分以外の人が言葉を考える間は、静かに待つ必要があります。

他の人が言った言葉もしっかり聞いて覚えておかなければ、うっかり同じ言葉を言って負けてしまうこともあるため、聞く力を養うことにもつながります。

 

3.しりとりが身に付く絵本や遊び

しりとりのルールがなかなか身につかない場合、絵本や遊びから取り入れるとスムーズにできるようになることがあります。

ここでは、おすすめの絵本や遊び方を紹介します。

 

3-1.おすすめの絵本

おすすめの本を2冊紹介します。

 

しりとりしましょ!―たべものあいうえお(作・さいとうしのぶ)

おすすめポイント

ひらがな50音に加えて、濁音・半濁音まで、67音の食べ物限定のしりとりが紹介されています。

「ん」のつく言葉で終わると、しりとり番犬に逮捕されてしまうという設定で、しりとりのルールも楽しみながら学ぶことができます。

イラストも可愛く、小さなサイズなのでお出かけのお供にもぴったりです。

「しりとりしましょ!―たべものあいうえお」 Amazon販売ページ

 

しりとりあそびえほん(作・いしづちひろ/絵・荒井良二)

おすすめポイント

大きくなるしりとり、小さくなるしりとり、色や季節のしりとりなど、10個のテーマでしりとりが描かれています。しりとりのルールを身につけるのにも効果的な絵本です。

>「しりとりあそびえほん」 Amazon販売ページ

 

3-2.おすすめの遊び

続いて、しりとりに慣れるためにおすすめの遊びを2つ紹介します。

 

音韻ですごろく遊び

単語がいくつの「音」でできているのかを認識する力を育む遊びです。

<やり方>

  1. サイコロの目の代わりにそれぞれ絵を貼る
  2. サイコロを振り、出た絵の言葉を答えて、その言葉が何文字でできているかを考える
  3. 単語の文字数だけすごろくを進める

 

言葉集め

しりとりをはじめたばかりのお子さんには、同じ音で始まる「言葉集め」がおすすめです。

<やり方>

  • 「あ」から始まる言葉を順番に挙げていく
  • もし言葉が思いつかない場合は、図鑑を見たり、家の中にあるものから探したりするといいでしょう。

言葉集めをすると、語彙が増えて、遊びながらしりとりを学ぶことができます。

 

最初はヒントや手助けをしながら進めよう!

最初はしりとりのルールを理解するのが難しい子も多くいます。その場合は、ママやパパがヒントを与えながら、誘導してみましょう。

例えば、「いちごだから、次は(ご)から始まる言葉だよ」と手助けをすることでスムーズに進めることができます。

また次の言葉が浮かばない場合は、「(ご)で始まる、〇〇ちゃんの好きな動物がいるね」とヒントを出してあげるといいでしょう。

 

4.しりとりに慣れてきたらおすすめのアレンジ

しりとりに慣れてきたらアレンジを加えてみましょう。ここでは、しりとりのアレンジ方法について紹介します。

 

4-1.語尾の音を絞る

しりとりの語尾の音を絞ると、難易度が上がります。

例えば、「あ」で終わる言葉でしりとりをするとしたら、「アジア→アカシア→アラビア」などと続けます。

はじめはテンポよく答えられますが、大人でも言葉に詰まるようになっていきます。

音を限定すると、語彙を増やせる上、集中して言葉を探す力もつくのでおすすめです。どうしても単語が見つからない場合は、辞書を使うのもいいですね。

 

4-2.ジャンルを限定する

食べ物や動物など、言葉のジャンルを限定するしりとりも楽しいです。

例えば、食べ物なら「シイタケ」「ケーキ」「キャベツ」のように続けていきます。

限定する範囲を狭くするともっと難しくなります。

例えば、食べ物から野菜に限定すると「シイタケ」「ケール」「ルッコラ」など、大人同士でやってもなかなか言葉が思いつかず大変です。その分、新しい言葉と出会うチャンスも広がりますよ。

 

4-3.文字数を制限する

言葉の文字数を制限するしりとりもおすすめです。

例えば、2文字のしりとりなら「はな」「なす」「すみ」というように言葉をつなげていきます。

はじめは何文字までの言葉や、何文字以上の言葉と広く設定してもいいでしょう。

臨機応変に家族や子ども同士で話し合ってルールを作ります。

お互いが楽しむためにルールを作り、コミュニケーションをとることの大切さを学ぶこともできます。

 

5.しりとりは楽しく無理なく取り入れよう

しりとりは道具なしでいつでもどこでも楽しむことができます。年齢を問わず、楽しめるのも魅力です。

病院の待ち時間や、長距離の移動でお子さんが飽きてきたときに、ぜひ親子でしりとりを楽しんでみてください。

子どもから思ってもみない単語が出てくると、成長を感じることもできますよ。

 

参考文献
※1:東俣淳子,『読み書きの発達における研究動向と今後の課題』,2019

 

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