【小1】宿題をしない子が習慣化するコツと効果的な声掛けを小学校教諭が紹介!
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yurinako
- 司書教諭
- 幼稚園教諭
- 小学校教諭
- 子育て支援員
小2と年長の娘のママ。
小学校教員として15年間勤め、小学1年生から6年生までの担任を経験し、
のべ1500人以上の子どもたちを指導してきました。
小学校教諭、幼稚園教諭、司書教諭、子育て支援員の資格を持っています。
親子で一緒に、本やダンス・料理を楽しんでいます!
小学校に入学し、初めてのことにドキドキわくわくな1年生。
そして、初めてのことの1つが「宿題」ですね。
宿題が始まって数日はやる気があっても、少しずつやる気がなくなってくる子が多いのが現状です。
「宿題終わったの?」と声をかけても「めんどくさい…」「ゲームで遊びたいよ」「今やろうと思ったのに!」と毎回のように言われると、親もイライラしてきてしまいますよね。
そこで今回はまず、「宿題をやりたがらない小学1年生の子どもの気持ち」をおさえていきます。
そして、小学校教員として15年間勤め、1500人以上の子どもたちを指導した経験のある筆者の目線から、「1年生のうちに宿題を習慣化する5つのコツ」と「お子さんに合った声掛けバリエーション」をご紹介します。
お子さん、そしてご家庭に合った方法で、1年生のうちに宿題を習慣化させていきましょう!
目次
1.宿題をしない子どもの気持ちとは?
子どもが宿題をなかなかやらないと一言で言っても、その理由は様々です。
宿題をやりたくない子どもの気持ちを理解することで、対策の仕方も変わってきます。
まずは、宿題になかなか取り掛かれない子どもの気持ち、理解していきましょう。
1-1.やらされている感があるから
宿題は、学校の先生が「これをやってきましょう」と設定した学習です。
特に1年生では、ひらがな練習やたし算・ひき算、音読など、反復練習型の宿題がほとんどです。
子ども自身が「やりたい!」という気持ちからスタートした学習ではないことが多いので、「やらされている感」を感じてしまう子どももいます。
何か物事に取り組む時には「内発的動機」といって、自分からそのことに取り組みたいという気持ちが重要になります。
小学校1年生はまだ自分のモチベーションを自分でコントロールすることは難しいので「やらされている感」を感じてしまうと、なかなか取り組む気にならない子どもの気持ちも理解できますよね。
1-2.学校での活動で疲れてしまっているから
1年生が学校で過ごす時間は、約7時間程度です。
幼稚園や保育園とは異なり、この7時間は時間の使い方が決められています。一生懸命勉強して、遊んで、やって帰ってきたらホッと一息つきたくなる気持ちも分かりますよね。
そして、リラックスしているうちにダラダラタイムに突入し、時間が過ぎてしまう…。
このタイプのお子さんは、学校では”きちんとやらなくちゃ!”とがんばって過ごしている子が多いです。
肩に力が入っているようなら、リラックスする時間も大切です。
1-3.宿題以外にやりたいことがあるから
学校から帰ってきたら、すぐおやつ、すぐゲーム、すぐタブレット…。
親としては「宿題をしてから遊びなさい!」と感じてしまうこともありますよね。
小学校低学年生は、まだ自分の気持ちにとても素直であり、自分がやりたいことは、1番最初に取り掛かってしまうことがあります。
学校からの帰り道を歩きながら「家に帰ったらおやつ食べて…そしたらゲームして…」と自分で計画を立てている子どももいるので、なかなか親が思い描く流れで行動してくれないこともあるでしょう。
1-4.遊ぶ予定や習い事があって忙しいから
学校から帰宅したら、すぐに友達と遊びに行ってしまったり、習い事に行ったりするお子さんもいらっしゃいますよね。
小学校1年生の8割以上が習い事をしているというデータもあります。
子どものための習い事ですし、友だちと遊ぶ時間も大切にしてあげたいですが、宿題の時間もしっかりと確保したいですよね。
2.宿題を習慣化させるための5つのヒント
では、小学1年生のうちに、宿題を習慣化するには、どんな工夫をしたらよいのでしょうか。
ここでは、「いつ・どこ・だれ・何・どのように」という視点で、5つのポイントをご紹介します。
お子さん、ご家庭の実態に合わせて、ベストな方法を探ってみてください!
2-1.いつ?:宿題初めの1か月で習慣をつける
実は、入学したばかりの1年生は、宿題が出ることを楽しみにしている子が多いのです。
それは、「宿題をやる=かっこいい1年生!」というイメージを持っている子が多いからです。
そんなかっこいい1年生に早く近づきたい!という思いから、宿題を楽しみにしています。
宿題が出されて数週間はやる気を持って取り組むのですが、1か月程度経って宿題の量が増えてくると、徐々に飽きたり疲れたりしてきてしまいます。
そこで、宿題を楽しみにしている最初の1か月で宿題をする習慣をつけることをおすすめします。
帰ってきたらすぐやるのか、夕飯までの好きな時間にやるのか、学童クラブで済ませてからくるのか、お子さんとご家庭に合うルーティンを、この1か月で作っていきましょう。
2-2.どこで?:安心して宿題に取り組める場所を作る
宿題をやるには、安心して取り組める環境が大切です。安心して取り組むには、
①気が散るものが少なく、集中できること
②困ったときにすぐ聞いて解決できること
の2点があげられます。
隣の人がテレビを見ていたり、近くで兄弟がおもちゃで遊んでいたりすると、なかなか集中できません。
そこで、家の中でできるだけ静かに学習できる場所を整えましょう。
リビングで宿題をする場合には、そのときだけでもテレビを消したり、兄弟も読書タイムにしたりして、静かな空間にすると集中しやすいですね。
また、まだ宿題に慣れていないこの頃は、「ひらがなの”ぬ”はこれでいいの?」「このたし算合ってる?」など細かなことでもすぐ質問して解決できることが安心につながります。
慣れるまでは、できるだけ寄り添って見てあげたいですね。
2-3.だれと?:親も一緒にやってみる
一人ではなかなか集中しにくい子、宿題の内容が簡単でつまらなさを感じている子には、親も一緒に宿題に取り組む、と見せかけてお子さんの宿題を促す方法をおすすめします。
「今日はママも〇〇ちゃんと一緒に宿題やろうかな」と言いながら、紙とえんぴつを用意します。
そして、「今日の宿題はどれ?ノートにどうやって書くの?」「〇〇先生、ちょっとお手本で書いて見せてくれる?」と促していきます。
1年生の宿題に出される学習内容は、授業でやったことの復習がほとんどですので、「ひらがなの『お』はどうやったら上手に書けるの?」と聞くと、「くるん、とするところを三角にするんだよ!」とポイントを話してくれるはずです。
こうやって、あくまでも「ママに教えてね」という立場で声をかけながら、お子さんの宿題を促していきます。
2-4.何を?:具体的な言葉でほめる
「宿題をやらないと怒られる」、「宿題は面倒くさい」というネガティブなイメージよりも、「宿題をやっておいてよかった!」というポジティブなイメージが持てるように声かけが大切です。
「すごいね」「えらい!」は短い言葉で使いやすいほめ言葉です。
しかしこれだけだと、ポジティブなイメージは伝わっても、何がすごいのかお子さんに伝わっていません。
■例
「この『あ』の字上手に書けてるね。昨日の宿題でいっぱい練習したもんね!」
「今日の授業で引き算の問題、答えられたの?うれしいね、毎日ドリルを頑張っていたもんね!」
というように、どんなところがすごかったのかを具体的に、そして頑張った過程をほめる言葉を伝えてあげましょう。
2-5.どのように?:次の行動につながるように伝える
宿題を習慣化させるためには、より具体的で意図をもった言葉かけをおすすめします。
■例
「ごはんを食べる前に、自分で宿題できたんだね」…自主的に取り組むことを促す
「最後まで集中して終わらせられたね。」…集中して取り組むことを促す
「学童で終わらせてきたんだね。いつもよりゆっくりごはん食べられるね」…学童で済ませてくることを促す
できたこと、今後習慣にしてほしいことを具体的に言葉にして伝えることで、子どもは「自分ができたこと」を認識し、また「明日も自分で宿題をしよう!」「集中するのっていいことなんだ」と感じることが出来ます。
3.宿題をやりたくない時は?~お悩み別声掛けバリエーション~
では、宿題をやりたがらないお子さんがいたら、親は具体的にどんな声掛けをしたらいいのでしょうか。
親の思いを込めつつ、子どもも気持ちよく受けとれるような言葉を使っていきたいですね。
ここでは、子どもの様子に合わせた、声掛けのバリエーションをご紹介します。
3-1.「なんで宿題があるの?」と聞かれたら…
宿題の意図を、子どもに分かりやすい言葉で伝えましょう。
このときのポイントは、肯定的な言葉で伝えることです。
■例
・子ども自身の力になる
「宿題をすると、○○ちゃんがひらがなを上手に書けるようになるよ!」
・復習のため
「学校で習ったことを復習するためだよ。せっかく新しく覚えたことも、復習しないと忘れちゃうよね!」
・次の学習の準備のため
「この問題ができるようになると、明日の授業がもっとわかるようになって楽しいよ!」
継続力をつける、学びの楽しさを知る、など宿題の意義は様々あります。
お子さんと一緒に一度意義を考えてみるのもいいでしょう。
宿題の意義を理解できると、宿題をただの反復練習と捉えるのではなく「『あ』を10回練習すると、前より『あ』が上手く書けるようになるぞ!」、「今日習ったことを忘れないように、計算問題を10問やるぞ!」と先を見据えて宿題をすることができるようになります。
【コラム】そもそも学校はなぜ宿題を出すの?
学校が宿題を出す1番の意図は、家庭で、机に向かって学習することに慣れることです。
小学生から始まる本格的な学びは中学生、高校生、大学生になっても続いていきます。
物事に興味関心をもち、自学自習をしていく力は社会人になっても役立つものです。
一度「やらない習慣」がついてしまうと、年齢が上がるにつれその習慣をなくすことは難しくなります。
小学1年生の間に自学自習の習慣の土台を作ってしまいましょう。
また宿題によって反復学習することで、基礎学力の向上にもつながります。
1年生の宿題は、ひらがな、計算、音読が出されることが一般的です。
例えば、学校の授業でひらがなの「あ」の書き方を学んだ日には、「あ」の練習をしたり「あ」のつく言葉をプリントに書き出す宿題が出されます。
学校で学習した内容を、宿題でも繰り返し学習することで、学習内容の定着を図ります。
学年が上がると、宿題の意図は少し変化しますが、何年生になっても、家庭で学習に取り組むことは必要です。
入学したての1年生のうちに、家庭学習の習慣をつけておきましょう!
3-2.帰宅後、リラックスモードな子どもに…
リラックスする時間も大切ですので、どこで切り上げるかを明確にしましょう。
「長い針の8になったら」、「あと15分したら」など、お子さんのスイッチが入りやすい切り替えを探ってみましょう。
また、宿題が終わったらまたリラックスタイムができることを示しておくのもおすすめです。
■例
「何時になったら宿題やろうか?」
「宿題終わったらおやつにしようね」
3-3.宿題をやる前にゲームやおもちゃに手を伸ばす子どもに…
こんなお子さんの場合は、ゲームを手に取る前に、いつ宿題をやるのか確認しましょう!お子さんと相談して、宿題とゲームの時間の約束を作り、守れた時・守れなかった時のルールまで明確にしておくと良いでしょう。
■例
「宿題終わったら好きなこといっぱいできるね。」
「先に宿題やって後はめいっぱい遊ぶのと、遊んでおなかすいてから宿題やるの、どっちがいいと思う?」
3-4.習い事などで忙しい子どもに…
習い事の予定はあらかじめわかりますよね。
1週間分のお子さんの予定を書き出し、忙しいと思われる日は、あらかじめ予定を決めておきましょう。
帰宅後では慌ただしくなりますので、学校に行く前に確認をしておくことがポイントです。
■例
「(学校に行く前に)今日は学校の後スイミングだよね。宿題はいつやる?」
4.宿題をしない子どもにごほうびを使った声掛けは注意が必要!
1500人以上のお子さんを見てきた筆者からはおすすめできない解決策があります。
それは、ごほうびのために宿題をさせることです。
具体的には、「早く宿題やりなさい!宿題やらないと~~あげないよ。」「テストで100点だったら~~を買ってあげるね」というような言葉かけです。
宿題は、家庭学習の習慣や基礎学力をつけるためのものであり、子どもが子ども自身のためにやるものなのです。
ごほうびをちらつかせると子どもが一生懸命宿題に取り組むことがあるかと思います。
しかし、それをルーティーンにしていると、「ごほうびがないと宿題をやらない子」になってしまうおそれがあります。
時々使う程度なら問題はありませんが、宿題の目的がごほうびにならないように気をつけましょう。
5.宿題を習慣化する近道は「勉強=楽しい」という経験
小1の子どもを持つご家庭の皆さんにお伝えしたいのは、お子さんとご家庭に合ったやり方を色々と試してみるということです。
お子さんが慣れない学校生活で疲れている様子の時は、ママやパパが手伝ってあげても大丈夫です。
もし、宿題が難易度がお子さんに合わない、ご家庭の事情に合わないときは、正直に担任の先生に相談してみましょう。
例えば、ブロックを10まで数えられるようになったばかりのお子さんに、ひき算30問の宿題は難しすぎます。
また、家族が忙しく、ゆっくり宿題をみてあげられないなどの家庭事情もあるかもしれません。
課題の難易度や量を調整してもらえたり、宿題でない形でカバーしてもらえたりすることがあります。
小1のうちは「勉強が楽しい」と思える経験が、その後の学習意欲へとつながっていきます。
宿題が始まったばかりの1年生のうちに家庭学習の習慣をつけておくと、子どもも前向きに日々を過ごすことができますし、お父さん・お母さんも小言を言わなくて済みます。
子どもが「宿題をしない」と悩んだ時には、ぜひ思い返してみてくださいね。
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