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【年長】園のことを話さない子どもにモヤモヤ!話しやすい環境づくりのヒントを解説

この記事を書いた人

みき みき

みき

  • 高等学校教諭
  • 司書教諭
  • 中学校教諭

高校の国語講師として約8年勤務していました。

中学、高校の教員免許、図書館司書、司書教諭の資格を持っています。

現在は3人の子育てに奮闘中。

知識や経験を活かせるライターを目指し、勉強中です。

お子さんが幼稚園や保育園での話をしてくれず、心配になったことはありませんか。

他の保護者から「うちの子はよく話してくれる」と聞くと、焦りと寂しさでモヤモヤしてしまうこともあるでしょう。

小学校に入ると大人の目が行き届きにくくなるので、その前にお子さん自身が園での出来事をお話しできるようになっていると安心ですよね。

この記事では、幼稚園や保育園の話をしない子の特徴や、園のことを話さない子に向けた会話の引き出し方をお伝えします。

 

目次

 

1.園のことを話さない子どもの特徴

保育園や幼稚園での生活についてまったく話さない子どもがいる一方で、家事で忙しくしているママやパパの後を追って、丁寧に説明してくれる子どももいます。

この違いは何なのでしょうか。ここでは園のことを話さない子どもに見られる特徴を解説します。

 

1-1.「語り(ナラティブ)能力」が未発達だから

ナラティブとは、物語・語りという意味で、過去の出来事を他者に語り聞かせるためのスキルを「語り(ナラティブ)能力」と言います。

過去の出来事を他人に伝えるときは、「①出来事を記憶する」「②記憶を思い出す」「③他者に語り聞かせる」という3つのスキルが必要になります。

心理学の研究によれば、基本的な記憶能力は幼児期にはすでに成人に近いレベルまで達していると認識されており、過去の出来事を意識的に遡って想起する能力も乳幼児期の早い段階でかなり発達しているとする考えが広く浸透してきています。(※1)

一方で「他者に語り聞かせるスキル」は、周囲の人と過去の出来事を語りあう経験を積み重ねることで獲得されていきます

園での出来事を親に話すという行為は、大人からすれば簡単なことのように思えますが、実は高度な言語能力が求められるのです。

 

1-2.無口でおとなしい性格だから

積極的にコミュニケーションを取ろうとする子どももいれば、無口でおとなしい子どももいます。後者のタイプは、園であったことを話さない子が多いでしょう。

筆者は3人の子どもを育てていますが、長男は小さい頃から言葉数が少なく、園のことを聞いても「わからない」と言うだけで、なかなか話してくれませんでした。

一方で、2人の妹たちは筆者が何も聞かなくても、ものすごい勢いで話していました。同じような環境で育てていても、きょうだいで性格が全く違うのはよくあることです。

無口でおとなしいタイプの子を育てていると、おしゃべりな子が羨ましく感じられる場面もあるかもしれませんが、持って生まれた個性を尊重しながら、お子さんの長所を伸ばす関わりができるといいですね。

 

1-3.話をする必要がないと感じているから

「今日、幼稚園どうだった?」と聞かれても、毎日同じことの繰り返しだから特に話すことはないと感じる子どももいます。

ママに話したいと思うほど感動する出来事がない場合、どう答えたらいいのかわからないのです。

このタイプの子どもには、質問の仕方を変えると会話を引き出しやすくなります。詳しい内容は「2-1」で解説します。

 

1-4.疲れているから

帰宅後は疲れていて、何もしたくないという子どももいます。

年長さんになると、最高学年として運動会やお遊戯会の行事でも中心になることが多い分、疲れやストレスを感じやすくなります。

友達との関係も複雑になり、喧嘩や意地悪、うまく馴染めないなど、対人関係の悩みも増えていきます。

  • 降園後はイライラして機嫌が悪い
  • 部屋でゴロゴロしている
  • 遊んでいてもすぐに疲れたという

などの様子が見られるときは、お子さんが園でよく頑張っている証です。

あまり質問しすぎずに、そっとしておいてあげるのがいいでしょう。おおらかな気持ちで子どもの姿をそのまま受け入れることが大切です。

 

2.園のことを話さない子にもおすすめ!会話を引き出すコツ

ここからは、子どもに園での生活を楽しく話してもらうためのコツをお伝えします。口数の少ない子でも、質問の仕方を少し工夫するだけで、会話を引き出しやすくなりますよ。

 

2-1.「今日どうだった?」はNGワード

幼稚園や保育園から帰宅したばかりの子どもに「おかえり!今日どうだった?」と声をかけていませんか。

園での子どもの様子が知りたい気持ちはわかりますが、「どうだった?」という質問は漠然としていて、どう答えたらいいのかわからないと感じる子どもは多いです。

そのほかにも、

  • 「今日は何したの?」
  • 「何か面白いことあった?」

などの質問も避けたほうがいいでしょう。

 

2-2.具体的な質問をする

子どもに園のことを聞くときは、簡単に答えられる質問を意識するのがおすすめです。

⚫︎会話例1:はい・いいえで答えられる簡単な質問
ママ「今日はお外で遊んだ?」
子ども「うん」
ママ「お外で遊んだんだね。今日はお天気が良いもんね」

⚫︎会話例2:一言で答えられる質問
ママ「今日の給食は何が美味しかった?」
子ども「みかん」
ママ「へぇ、みかんがデザートに出たんだ!ママも食べたかったなぁ」

具体的な質問を投げかけ、子どもの答えに一言添えるような形で、次の質問をしていくと会話が続いていきます。

幼稚園の予定を把握した上で、

  • 「今日は制作の日だよね。何を作ったのかな?」
  • 「今日のお誕生日は誰だった?」

と話を広げてもいいでしょう。

ママが興味を持って子どもの話を聞く姿勢も大切です。ママが楽しそうに話を聞くことで、子どもの「話したい」という気持ちを引き出すことにつながりますよ。

 

2-3.問いかけは一つずつ

一度にたくさんの質問をしていませんか。

立て続けに質問を投げかけると、子どもはどう答えればいいのかわからなくなることがあります。

例えば、「今日は何したの?どんなことが楽しかった?」という二文だけでも、たくさん聞かれていると感じる子どももいます。

筆者も子どもと会話するときに、つい質問が多くなってしまい、「いっぱい聞かれてもわからない」と子どもから怒られた経験があります。

特に口下手な子どもは、質問に答えるまでに時間がかかることが多いので、親としてはもどかしい気持ちになるかもしれません。一つ質問したら子どもの答えをじっくり待つことも必要です。

一言でも返してくれると嬉しくなってたくさん聞いてしまいがちですが、子どもが「答えるのが面倒」と感じるほど、聞き過ぎないように気をつけましょう。

子どもが話してくれたら「〇〇ちゃんのお話をたくさん聞けて嬉しいな」など、親の気持ちを伝えると、子どもの話したい意欲にもつながります。

 

2-4.質問するタイミングも大事

子どもから園のことを聞き出すタイミングは、夕食や帰り道がおすすめです。

子どもが遊びやテレビなど、他のことに集中しているときに話しかけても生返事になる可能性が高いです。子どもが集中しているときはなるべく邪魔せずにそっと見守りましょう。

会話が広がらないときは無理に聞き出そうとせずに早めに切り上げます。

家事に追われてなかなか子どもと向き合う時間が取れない方は、お風呂や寝る前に5分だけでも、親子のコミュニケーションの時間も持つように意識してみてくださいね。

 

3.園での子どもの様子が気になるときは?

質問の仕方も工夫したけれど、なかなか園の話をしてくれないこともあるかもしれません。うまくいかなくても焦らずにじっくり待つ姿勢を心がけます。

ここからは、子どもから話を聞く以外に、園での生活を知る方法を紹介します。

 

3-1.子どもの様子を観察する

日頃、子どもの様子を観察していますか?

どんな遊びに夢中になっているのか、どんなときに笑顔になって、どんなときに怒るのかなど、子どもの表情や全身を観察します。

特に降園後は意識して、子どもの様子を気にかけてみましょう。

毎日観察していると、「今日はとても嬉しそう」「いつもより笑顔が少ない」などと気づくことがあるはずです。

子どもの心の状態を知る手掛かりだけでなく、子どもの強み・弱みを見つけるきっかけにもつながりますよ。

 

3-2.保育園の先生に話を聞く

子どもの様子で気になることがあれば、園の先生に聞くのもおすすめします。

送り迎えのときに「園ではどんな遊びをしていますか?」「お友達と遊べていますか?」などと聞いてみてもいいでしょう。

先生が忙しそうにしていたり、他のママがいて話しにくかったりする場合は、電話や連絡帳でコミュニケーションを取るのもおすすめです。

「園に行きたがらない」「癇癪がひどい」など家庭での子どもの様子で気になることがあれば、園でも様子を見てもらえるように伝えるといいでしょう。

家庭と園でうまく連携をとることで、先生にも子どものことを気にかけてもらいやすくなります。

 

3-3.ママ友やきょうだいに話を聞く

ママ友からクラスの様子や行事について聞くのもおすすめです。

我が家では小学校になっても長男から学校の様子を聞くことはあまりありませんでした。しかしママ友から、長男が楽しく過ごしていることを知ることができ、安心したことを覚えています。

家では無口な長男ですが、学校ではとてもおしゃべりであることも他のママ友の話で耳にすることがありました。親の心配をよそに子どもは成長するのだなと実感した体験でした。

園にきょうだいが通っている場合は、様子を聞いてみてもいいかもしれません。きょうだいの視点から話を聞くことで、親ではわからない情報を得られることもあります。

 

4.子どもが話したくなるまで「待つ姿勢」を大切に

子どもが園での生活について話してくれないと、「今のままで大丈夫なのかな」と不安や焦りを感じることもあるでしょう。

しかし子どもに無理して話をさせようとすると、おしゃべり自体が嫌いになってしまう可能性があります。

子どもによっては、園のことを根掘り葉掘り質問されるのが苦手な子もいます。

「何か困ったことがあったらいつでも聞くよ」という距離感で、子どもが安心して話せる関係を築いていけるといいですね。

 
※1:上原泉,乳幼児期の記憶能力の発達,Japanese Psychological Review,2006,(pg274)

 

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