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一人寝のタイミングはいつから?一人寝のメリット・デメリットも解説【5・6歳】

この記事を書いた人

狩野淳 狩野淳

狩野淳

  • 公認心理師
  • 臨床心理士

大学、大学院にて発達心理学と臨床心理学を専攻していました。

臨床心理士と公認心理師の資格を保有しております。

子ども達とその保護者の方の支援を仕事にしており、子ども達へは主に応用行動分析を認知行動療法用いて、保護者の方にはブリーフセラピーを使ったアプローチを行っています。

もうすぐで1歳になる男の子がいて、毎日癒されています!

「来年から小学生。そろそろ一人で寝てもらいたいけど、きっかけ作りが難しい」
「自立に向けて一人で寝かせたいけど、寂しい思いをさせるかも…」

など、「一人で寝かせたいと思っていても、なかなか行動に移せず困っている」という悩みを抱えている方へ、一人寝のメリット・デメリット、一人寝を定着させるためのポイントを紹介します。

将来的に子どもの自立を目指すためにも、一人寝は欠かすことのできない課題となります。

スムーズに一人寝が出来るようになるためにも、ぜひ参考にしてください。

 

目次

1.一人寝のメリット・デメリット

一人寝が出来るようになると、子どもにどんな良い影響があるのでしょうか。また逆に、一人寝をすることでどんな不都合なことが生じるのでしょうか。

一人寝をすることによって得られるメリットと、一人寝をさせることで生じてしまうデメリットを、2つずつ紹介していきます。

 

1-1.メリット1|睡眠の質の向上

メリットの1つ目は、「睡眠の質の向上」です。これは子どもだけではなく、親にも当てはまるメリットです。

子どもが21時頃に寝るのに対して大人は24時頃に寝るなど、大人と子どもでは寝る時間帯が異なります。

そのため子どもが寝た後に、親が同じ寝室や同じ布団に入ると、物音や布団の動きなどで子どもが起きてしまうなど、睡眠の質を下げてしまいかねません。

また、体温や寝やすい室温、布団の枚数も子どもと大人では異なるため、親子が一緒に寝ることが必ずしも最適な睡眠環境だというわけではないでしょう。

しかし、子どもに一人で寝てもらうことで、上記のような問題は解決し、互いにとって一番良い睡眠環境を作ることができ、睡眠の質を向上させることができるのです。

 

1-2.メリット2|自立心の育ち

2つ目のメリットとして、一人寝は「子どもの自立心の育ち」を促すことができます。

小学校から中学、高校と進むにつれて、自分一人で決めたり、行動したりしなければならない場面が増えていきます。

もちろん、「一人寝ができなければ自立心が育たない」というわけではありません。

しかし、一人で過ごせる時間が増えることは自信につながります。「ママ・パパがいなくても一人で寝られた!」という経験が子どもの心を育てていきます

このような点でも、一人寝は重要な意味があるといえるでしょう。

 

1-3.デメリット1|とっさの対応ができない

次に、デメリットについてです。

1つ目のデメリットとして「(親が子どもに対して)とっさの対応ができない」ことが挙げられます。

例えば、「熱帯夜にエアコンが壊れ、脱水症状を起こしてしまう」「夜中に風邪をひき、咳が出たり呼吸が苦しくなる」といったイレギュラーな事態が子どもに生じた際に、同じ部屋や布団で大人が寝ていれば、異変に気付いて迅速に対応することができますが、一人寝の場合はそうはいきません

また、万が一、大地震が発生した際にも、一緒に寝ていればすぐに避難ができますが、子どもの寝室が離れている場合は避難に時間が掛かってしまう可能性もあるでしょう。

 

1-4.デメリット2|愛着形成阻害の可能性

2つ目のデメリットは「愛着形成阻害の可能性」です。

愛着とは、特定の人に対して作られる特別な情緒的結びつきのことです。特に、幼児期までの子どもと親との間に形成される関係のことを指します。

愛着関係を作ることは、乳幼児の発達はもちろん、青年期や成人期などのその後の人格形成にも大きく影響します。

安定した愛着関係が構築されると、対人関係においても深い信頼関係を築くことができるようになります。

しかし、この愛着形成がうまくできていないタイミングで一人寝をさせようとすると、「パパとママに嫌われちゃったのかな」「怖いのに誰も助けてくれない」と、親の願いとは反対の感情を抱かせてしまう可能性があります

 

 

2.一人寝の始め方のヒント

一人寝にはメリットもありますが、デメリットもあります。

一人寝を始めるタイミングを間違えてしまうと、期待していたメリットが得られない可能性もあります。

では、どのように一人寝を始めていけば良いのでしょうか。あくまでも一例ですが、一人寝を始めるにあたってのポイントをいくつか紹介していきます。

 

2-1.一人寝の開始時期

子どもの一人寝を始める時期は、4歳~小学校入学頃から始める方が多いです。

しかし、「小学校入学=一人寝の開始時期」と決めてしまうのではなく、その子の性格や環境などをもとに決めていくといいでしょう。

もともと一人で過ごすことが好きなお子さんなら、早い段階で一人寝を始めてもいいでしょう。逆に年下の弟妹が多く、両親との時間がなかなか取れていない場合には、一人寝の時期を遅らせることも視野に入れることをおすすめします。

また、3月や4月に一人寝を始めるのは避けた方がいいでしょう。

卒園、入学のシーズンは環境の変化が大きいため、不安な気持ちが大きくなりやすいからです。新しい環境に慣れてからか、新しい環境になって1週間程度は一人寝をお休みするなど、柔軟に進めていくのがいいでしょう。

 

2-2.「一人で寝たい」と思える環境作り

子どもに一人寝をさせるときに「親の気持ち」が先行してしまい、「子どもはどうしたいのか」がないがしろにされるされるケースが少なくありません。

一方的に「そろそろ一人で寝てね」と伝えられると、子どもは不安に思ってしまいます。

また、怖がりな子どもの場合は「部屋にかけてあるコートがオバケに見える」「窓から入ってくる光が人の顔に見えて怖い」と感じてしまい、一人寝に対して強い拒否感を示すこともあるでしょう。

そうした事態を避けるためには、子どもが「一人で寝られる」と思えるような環境づくりが大切です。

「自分の好きなぬいぐるみや本がたくさんある『自分だけの部屋』を用意してあげる」などが、例として挙げられるでしょう。

怖がりなお子さんに対しては、「どこが怖いと思うのかを聞き取り、できるだけ要因を排除する」「一人寝を始めた最初の数日は少しだけ添い寝をしてあげる」など、一人寝に安心して臨める空間を作ってあげてください。

どんな環境なら一人で過ごせるのかは子どもによって異なります。一人寝に対して不安を訴える子どもには「どうすれば一人で寝ることができるようになるのか」を丁寧に聞き取り、一緒に考えていくことが大切です。

 

2-3.まずは週に1回から

一人寝を始める際に、いきなり毎日一人で寝る必要はありません。

子どもと話し合い、特定の曜日を決めてまずは週1回挑戦してみる。そして慣れてきたら2回、3回と段階的に一人で寝る日数を増やしていくことで、スムーズに一人寝を習慣化できるようになるでしょう。

このように目標への過程をいくつかのステップに分け、段階的に目標に近づいていく手法を心理学では「スモールステップ」と呼びます。

スモールステップはあらゆる課題に対して有効ですので、ぜひ活用してみてください。

<スモールステップ(スモールステップ法)とは>

最初から高い目標を掲げるのではなく、目標を細分化し、小さな目標を達成する体験を積み重ねながら、最終目標に近づいていくこと。

−−デジタル大辞泉より

 

2-4.日中のコミュニケーションを大切に

最後に、最も重要なこととして、「日中のコミュニケーションを大切にする」ことが挙げられます。

1つ目のデメリットである「とっさの対応ができない」に対しては、子どもに「困ったことがあったら知らせに来ること」「地震が起きたら、すぐにパパ・ママのところに来ること」などを伝えたうえで、親が注意を払うことで対応ができます。

しかし、2つ目のデメリットである「愛着形成阻害の可能性」については、一朝一夕でなんとかなる問題ではありません。

たしかな愛着形成のためには日ごろから、何でもないような些細な話から、どんなことを思っているのか、何が嬉しくて何が嫌だと思うのかなど子どもが自分のことを話し、親子間での理解を深めておく必要があります

また、子どもは経験が浅いため、言葉にしないと伝わらないこと、親がやって見せないとできないことがたくさんあります。

親がどれほど子どもを思っているのか、言葉や態度でじゅうぶんに伝えることが大切でしょう。

小さなコミュニケーションを積み重ね、きちんと言葉にして伝えられる親子関係を作り上げていくことが、大切なのです。

 

3.一人寝のベストなタイミングは子どもによって異なる

ここまでお伝えしてきたように、一人寝をしなければ自立心が芽生えないわけではありませんし、絶対に一人で寝られるようにならなければいけない訳でもありません。

「早い時期から一人寝をさせる」という欧米式のやり方を参考にしている方もいらっしゃいます。実際にアメリカでは、約8割の家庭が乳幼児期から一人で寝かせているというデータもあります。

しかし、子ども達は十人十色です。

「他の人がうまくいっているから」「そういう習慣のところが多いから」と情報を鵜吞みにせず、「うちの子の場合はどうか」「なにが自分たちの子どもに一番合っているのか」と、我が子を主軸として考えていく必要があります

ぜひ今回の内容を参考にしつつ、子どもにとってベストな方法はなにか、一番適切な一人寝のタイミングはいつなのか、どうしたら一人で寝ることができるようになるのかを、子どもと一緒に考えてみてください。

 

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参考文献/記事
・吉田 美奈 . 浜崎 隆司「添い寝が子どもの愛着および自尊感情へ及ぼす影響」 応用教育心理学研究 第 30 巻 第 2 号(通巻第 41 号)29 〜 37 頁
・ARINA株式会社「子どもが一人で寝始めた年齢は?」(インターネット調査)

 

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