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朝の準備に時間がかかる!子どもが支度をスムーズに進めるコツ【保育士が解説】

この記事を書いた人

なな なな

なな

  • 高等学校教諭
  • 保育士

早稲田大学在学中に放課後等デイサービスでアルバイトとして勤務。

一般企業に就職後、子どもの人生に関わる仕事がしたいと思い、保育園で働きながら保育士資格を取得しました。

現在は保育士として勤務しています。

「子どもと一緒に楽しむ」ことを大切に、子どもと接しています!

「子どもの朝の準備に時間がかかり、いつもバタバタする」
「もうすぐ小学生だけど、なかなか時間を意識してくれない子どもにイライラしてしまう」
「こんなにマイペースで大丈夫なの?」

そんなお悩みはありませんか?

今回は、子どもの朝の準備が遅くて困っている親御さんに向けて、朝の支度をスムーズに進める工夫を紹介します。

現役保育士の筆者が、マイペースなお子さんへの対応として園で心がけていることについてもお伝えします。ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。

 

目次

 

1.朝の準備に時間がかかる理由

朝は時間が限られているにも関わらず、のんびりと支度するお子さんの姿に、うんざりしてしまう親御さんも多いでしょう。

一口に「朝の準備が遅い」と言っても、その原因はさまざまです。まずは、子どもが朝の準備に時間がかかる理由を解説します。

 

1-1.先の見通しを立てるのが苦手だから

大人は時計を見ながら「あと何分で○○と××をしないといけない」など、未来を想像しながら行動することができます。

しかし子どもは、目の前のことしか見えておらず、大人と同じペースで先の見通しを立てて動くことができません。

5〜6歳頃には、「過去・未来」の概念が理解できるようになりますが、時間を意識しながら行動できるようになる年齢は、9〜10歳頃が目安と言われています。

そのため、子どもに「あと10分だよ、急いで!」などと声をかけても、「10分とはどのぐらい先の未来なのか」がピンと来ません。

「時計の長い針が9のところに来るまでに朝ごはんを食べ終えようね!」など、目に見える形で伝えるなどのサポートが必要でしょう。

 

1-2.やるべきことを忘れてしまうから

「着替えは?」「時間ないから早くご飯食べて!」など、朝の忙しい時間に子どもに声をかけなければならず、そのことがストレスになっているママやパパも多いと思います。

大人は何も考えなくても、自然と体が動いて、朝の支度をこなすことができますが、子どもは言われたことをすぐに処理して行動に移せるわけではありません。

複数のことを記憶する力も未熟なので、一つの作業に取り組むうちに、次にやるべきことを忘れてしまうこともあります。

 

1-3.まだ眠たい・遊びたいから

「声をかけてもなかなか起きない」「抱っこしてなんとか起こしても、眠たくてぼーっとしている」など、すっきりと目覚められないことも、朝の準備が遅くなる原因です。

もし眠たくて機嫌が悪いようであれば、生活リズムを見直す必要があるでしょう。お子さんの年齢に合った睡眠時間が確保されているか、確認してみてください。

園では、お昼寝から起きる10分ほど前にカーテンを開けて、「そろそろ起きようね」と声をかけています。太陽の光を浴びることで、少しずつ目が覚めていきます。お家でも取り入れてみてくださいね。

また幼児期は「やるべきこと(=朝の支度)」よりも、「自分がやりたいこと(=楽しい遊び)」を優先して行動します。目の前にお気に入りのおもちゃを見つけると、つい遊び始めてしまい、朝の準備が中断することもあるでしょう。

 

2.朝の準備がスムーズに進む「お支度ボード」の活用法

朝の準備をスムーズに進めるためにおすすめなのが、「お支度ボード」です。

朝やることが可視化されるので、子どもが自分から動いてくれるようになります。

材料はすべて100円ショップで揃えることができますので、お子さんと一緒に作ってみてくださいね。

 

2-1.お支度ボードの作り方

準備するもの
紙、両面テープ、ホワイトボード、マグネット、マグネットを入れる箱

作り方
➀朝の準備の項目を書き出す
お子さんと一緒に「朝の支度はどんなことがあったかな?」と話しながら、お支度ボードに載せる項目を考えます。最初は項目数を少なめに設定します。3つから始めると達成しやすく、継続につながりますよ。

②紙に必要な項目をイラスト付きで書く
朝の支度は「文字+イラスト」で書くと、お子さんも理解しやすく、スムーズに動けるようになるのでおすすめです。イラストが苦手な場合は、「お支度表 イラスト 無料」などで検索し、フリー素材の中からお子さんの好きなデザインを選んでもらい、家庭用のプリンターで印刷します。

③紙をハサミで切って、マグネットに貼り付ける
②で用意した紙をマグネットの大きさに合わせてハサミで切ります。両面テープでカットした紙をマグネットに貼り付けましょう。

④マグネットをホワイトボードに貼る
動きやすい動線を意識しながら、マグネットをホワイトボードに貼り付けたら完成です!

 

お子さんが自分でできた項目は、マグネットを小さな箱へ移動させます。箱をポストの形にすると、郵便屋さんごっこのように遊び感覚で取り組むことができて楽しいですよ。

朝の支度が終わった後、家を出発するまで「絵本を読める」「テレビが見られる」などのお楽しみがあると、お子さんもモチベーションを維持しながら、身支度に取り組むことができます。

 

2-2.お支度ボードの効果

お支度ボードにはどのようなメリットがあるのでしょうか。親子それぞれの目線でまとめてみました。

子どものメリット
・やるべきことや終わったことが一目でわかる
・「自分でできた」という自信につながる
・楽しみながら支度ができる

親のメリット
・「早く食べて」など急かすことが減り、イライラがなくなる
・朝のバタバタが減り、時間に余裕が生まれる

 

お子さんのタイプによっても、お支度ボードの効果は異なります。最初から完璧を目指さずに、お子さんに合ったものを試行錯誤してみてくださいね。

 

3.朝の支度が遅い【お悩み別・解決方法】

ここからは、朝の支度の中でも特に時間がかかる「着替え」「朝ごはん」「持ち物の準備」をスムーズに進めるコツを紹介します。

 

3-1.着替え

着替えには「洋服を選ぶ」「パジャマを脱ぐ」「選んだ洋服を着る」など複数の工程があります。

お子さんによっては、着替えの途中で「次は何をするんだっけ?」と分からなくなる子もいます。着替えの手順を覚えるまでは、ママやパパがそばで見守ってあげるといいでしょう。

着替えの途中で遊び始めてしまう子には、部屋の隅で壁を向いて着替えさせます。壁を向くことでおもちゃなどに気を取られず、着替えに集中しやすくなりますよ。

声がけをするときは、「着替えて!」ではなく、「パジャマを脱ぐよ」「ズボンをはいてね」など、具体的な行動をひとつずつ伝えるのがポイントです。

毎日同じ順番で行うと、着替えの流れを体で覚えることができ、スムーズに動けるようになっていきます。

 

3-2.朝ごはん

まずは「テレビを消す」「おもちゃが見えない位置に座る」など、食事に集中できる環境を整えましょう。

朝ごはんを食べるのに時間がかかるのは、小さい子どもによくあることです。メニューは、パンやバナナなどお子さんが短時間で食べられるものを用意します。無理に間食を目指さなくても大丈夫です。

その日の体調や前日の運動量などによっても食べる量は変わってきます。成長曲線に沿って成長しているのであれば、食べる量が少なくても心配はありません。

園では、時間がきたら量を減らし、一口ずつ食べておしまいにするところが多いです。

時間内に完食できたときは、フルーツを2つ食べられるなど、ちょっとしたご褒美があると、お子さんのペースアップにつながりますよ。

 

3-3.持ち物の準備

持ち物の準備は、なるべく前日のうちに済ませておきます。お子さんが慣れるまでは、親子で一緒に確認しながら進めましょう。

このとき、園で使う持ち物を一つの場所にまとめておくことも大切です。子どもが自分で準備しやすい環境を整えてくださいね。

小学生になると時間割に合わせて自分で持ち物を用意するので、より時間がかかります。就学前から自分で持ち物を準備する習慣を身につけておくことで、小学校に向けて少しずつ「自分のことは自分でできる子」に育てていけるといいですね。

 

4.子どもが早く動いてくれるテクニック

お子さんが自分から前向きに支度に取り組んでくれる工夫を紹介します。

 

4-1.早めに準備できた後のご褒美を用意する

「早く準備したら絵本を1冊読める」「送迎中に5分だけ公園で遊べる」など、お楽しみやご褒美を用意すると朝の支度がスムーズになることが多いです。

ご褒美を設定するときは、条件を明確に決めておくのがおすすめです。

・長い針が9のところにくるまでに、着替えができたら好きなテレビが見られる

などと伝えることで、子どもは「ダラダラと準備するだけではダメだから、時間内に集中して終わらせよう」という意識を持ちやすくなります。

 

4-2.朝のルーティンを固定する

朝起きてから出発するまでの流れを固定すると、子どもは戸惑うことなく、朝の準備を進めることができます。

園では、登園後すぐに「➀着替えをロッカーにしまう」「②うがいをする」「③体温を測る」というルーティンを作っています。毎日決められた動作を繰り返すことで、先生が違う日でも子どもたちは迷わずに朝のルーティンをこなすことができています。

この方法はお家でも取り入れられますよ。「①トイレに行く」「②着替える」「③朝ごはんを食べる」など、朝やることを明確にします。

このとき、毎日同じ流れを取り組むことを意識し、日によってやることの順序が変わらないように気をつけましょう。

昨日は着替えより食事が先だったのに、今日は着替えた後に食事だと子どもは混乱して、親の指示があるまで自分から動けなくなります。

ぜひお支度ボードを活用しながら、子どもが自分で考えながら行動できるようにサポートしていきましょう。ルーティンを決めると、先の見通しを立てて行動する力も育まれていきますよ。

 

4-3.ポジティブな言葉がけをする

お子さんができていないことに目を向けるのではなく、「できたこと」を認める関わりを心掛けましょう。「自分で準備してくれて嬉しかったよ」など、行動をほめるだけでなく、ママやパパの気持ちも一緒に伝えるとさらに効果的です。

「急いで」「遅れちゃうよ」と声掛けをしても、何を急いだらよいのかわからず、パパやママの焦りや苛立ちだけが伝わっていきます。

「ありがとう」「助かるよ」などのポジティブな声掛けでよい行動を増やしていきましょう。

 

5.親子で楽しく朝の準備ができる工夫をしよう

大人も子どもも、朝は1日の始まりとして気持ちよく過ごしたいですよね。

ちょっとした工夫や声掛けで、お子さん自ら動いてくれるようになります。ぜひ親子で楽しみながら朝の準備ができる方法を考えてみてくださいね。
 

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