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【2〜3歳】「静と動」でメリハリを!室内遊びのコツを保育士が伝授

この記事を書いた人

小原宏美 小原宏美

小原宏美

  • 保育士

大学で音楽療法について学び、卒業後は児童養護施設で4年間勤務。

大学での実習や卒業後の仕事、また自身の子育てを通じて、0歳から高校生まで幅広い年齢の子供達と関わってきました。

現在はWEBライターと並行して、子育てと自分育てのために心理学を勉強中です。

特技はピアノと歌うことです。親子で歌ったり、楽器を演奏する時間を楽しんでいます。

雨で室内遊びが続くと、遊びの内容がマンネリ化してしまうものです。さらに、夏は日中の暑さから室内で過ごす時間がますます長くなります。

親としては「夏休みの間、お出かけばかりする訳にもいかないし、一体どう過ごしたらよいの?」と悩んでしまいますよね。

実は「静」と「動」の遊びを組み合わせることで、室内遊びのマンネリ化は簡単に解消できるんです。今回は、自宅でできる「静」と「動」の遊びを紹介します。

筆者は元保育士で、現在6歳と3歳の姉妹の母です。保育士の知識と子育て経験をもとに、身近な材料ですぐに遊べるものを選びました。主に2歳〜3歳向けの遊びを紹介しますが、他の年齢のお子様にも応用できるのでぜひ参考にしてくださいね。

 

目次

1.子どもの遊びには「静」と「動」のメリハリが大事!

子どもの遊びは「動」と「静」のどちらかに偏るのではなく、両方を取り入れてメリハリをつけることが大切です。

2〜3歳の子どもは「自分でできる」「もっとやりたい」という意欲に溢れています。室内でじっとしている状態が続くと、エネルギーを持てあまし、イライラが溜まってしまう恐れがあるでしょう。しかし長時間激しい運動を続けると子どもは疲れてしまい、体調を崩す原因になってしまう場合もありますよね。

そこで「動」の遊びの後に「静」の遊びでクールダウンさせると、子どもの心身の安定につながると考えられています。ここから保育士の資格を持つ筆者が詳しく解説していきますね。

 

1-1.「静」と「動」を組み合わせるメリットとは?

「静」と「動」を組み合わせるメリットは、子どもが遊びに集中して取り組めるようになり、遊びの満足度が上がることです。例えばお子さんがエネルギーがありあまっている状態のときに「机に座って集中しなさい」と言っても、集中するのは難しいでしょう。

そんな時は、まず体を動かす遊びをした後で、机に座って集中する遊びを取り入れると、どちらも集中しやすくなります。このように「静」と「動」の遊びは子どもの様子を見ながら組み合わせるのがおすすめです。

子どもにとっても「楽しかった」「上手くできた」という達成感が得られると、子どもの情緒が安定し「もっとやりたい」という向上心も芽生えます。

 

1-2.「動く遊び」でエネルギーを発散

2歳の子どもは歩く・走る・跳ねるといった運動機能の発達が目ざましいときです。3歳になるとさらに押す・蹴る・転がるといった複雑な動きもできるようになります。

2〜3歳の子どもは「もっと体を動かしたい」「自分で何でもやってみたい」というエネルギーで溢れています。思いっきり体を動かす時間を作ってエネルギーを発散させてあげると、子どもの心も満たされますよ。体を動かすことで筋力がつき、さらに新しい遊びにもチャレンジできますね。

子どもの運動機能の発達に応じて行動範囲が広がり、「動く遊び」を通じて他者に関心を持ち、社会性が育まれます。

 

1-3.「動く遊び」の後で「静かな遊び」をすると集中できる

2〜3歳は、運動機能だけではなく、紙をちぎる、貼るといった指先の発達も目ざましいときです。スプーンやフォークを上手に使えるようになったり、ボタン付きのお洋服を自分で着脱できるようになるお子さんもいます。

「動く遊び」でしっかりエネルギーを発散した後で、机に座ってお絵かき、工作などの静かな遊びをすることで、子どもは集中して取り組めるようになります。

また2〜3歳は他者への興味関心が広がる時期でもあります。「静かな遊び」である絵本などを通じて、他の人の気持ちを感じる時間も大切にしたいですね。

 

1-4.「静」と「動」の繰り返しが情緒の安定につながる

2〜3歳の子どもは、まだ自分で感情や行動をコントロールできません。そこで親が子どもの様子を見ながら、静と動の遊びをバランスよく取り入れてあげましょう。

「静かな遊び」と「動く遊び」を交互に取り入れると、子どもは集中して遊びに取り組めるようになり、情緒の安定に繋がります。

最初は親にサポートしてもらいながら、年月をかけて少しずつ子ども自身で感情や行動をコントロールできるようになっていきますよ。

 

2.おうちでできる「動く遊び」

ここからは、2〜3歳の子どもと一緒に室内でできる「動く遊び」を紹介します。

今回は「運動」「音楽」「ゲーム」の3つのグループに分けて、すぐに取り入れられる遊びをご用意しました。ぜひ参考にしてくださいね。

 

2-1.運動グループ:親子体操、風船バレー

室内の運動遊びでおすすめなのは「親子体操」です。親子体操は、親子ともにメリットが豊富です。

とくに親子の触れ合いが子育てのストレスを和らげ、気持ちの安定にもつながります。「どんな体操をやったら良いか分からない」という方は以下を参考にしましょう。

  • NHKの「おかあさんといっしょ」
  • 佐賀県唐津市公式YouTubeチャンネル内の「親子体操【幼児と一緒に♪】」

親子の体調に合わせて、無理のない範囲で行ってください。

その他、100均などで売っている風船を膨らませて風船バレーも良いですね。ビニール風船、紙風船と日によって種類を変えるのも、跳ね方が違って楽しめます。

 

2-2.音楽グループ:歌、演奏

親子でおうちカラオケを楽しむのも良いですね。歌は腹式呼吸を使うので、良い疲労感を得られるでしょう。さらに、歌詞を覚えれば記憶力の向上や語彙力も自然と増えます。さらに声を出すことで感情表現ができ、リフレッシュにもつながるでしょう。

家に楽器が無い方も、歌に合わせて手拍子をしたり、足踏みをするだけで立派な演奏です。これは「ボディパーカッション」というものですね。

YouTubeで好きな歌を流しながら、自由に歌ったり体を動かしたりして音楽を楽しみましょう。

 

2-3.ゲームグループ:かくれんぼ、だるまさんが転んだ

2〜3歳は少しずつ社会性が芽生える時期です。遊びの中にルールのある「ゲーム遊び」を取り入れると、他者への関心と、適度な緊張感が生まれ、集中力の向上に役立ちます。

「だるまさんが転んだ」はひとつの遊びの中に「静」と「動」が盛り込まれていますよね。2歳のお子さんには「ママが振り向いたら止まってね」「ママが振り向いたらしゃがんでね」など、簡単なルールにアレンジすると良いですよ。

また、筆者の子ども達が大好きなのが「おうちかくれんぼ」という遊び方です。

まず自宅のリビングと寝室など、隠れる範囲を事前に決めます。次に親と子のどちらが鬼になるかを決めて、鬼が10数える間に隠れてもらいます。

「もういいかーい」「もういいよ~(まーだだよ)」とやり取りをした後、隠れている人を探しに行きましょう。

2歳のお子さんの場合は、親がオニ役をしてあげると良いですね。3歳以降になると、「鬼をやりたい!」と言うお子さんも出てきますので、その時は鬼をさせてあげてください。

親は見つけやすい場所に隠れてあげるのが楽しむポイントですよ。

戸締りをきちんとしておくなど、安全面に配慮したうえで、かくれんぼを楽しんでくださいね。

【ポイント】

室内でできる「動く遊び」は、「運動」「音楽」「ゲーム」とさまざまなバリエーションがあります。お子さまの興味関心に合わせて、できそうなものから遊んでみてくださいね。

 

3.おうちでできる「静かな遊び」

ここからは室内でできる「静かな遊び」を紹介します。今回は「創作」「脳トレ」「想像」の3つのグループに分けて、すぐ取り入れられる遊びをご用意しましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

3-1.創作グループ:工作、お菓子づくり

2~3歳は指先の機能が著しく発達するときです。手で紙をちぎるほか、ハサミで紙を切る練習をたくさんさせてあげましょう。小さな子ども向けの「安全はさみ」は、100均や文具店で販売されています。

好きな色の折り紙を自分で切って、画用紙に貼るなどの簡単な工作もおすすめです。小さな作品でも「自分でできた」という達成感が次のやる気につながります。

食べることが好きなお子さんとは、ぜひ10時や15時のお菓子作りを一緒にやってみてください。バナナを手でちぎってお皿に盛って、スプーンでヨーグルトをかけるなど、簡単なものから始めましょう。

お菓子作りは、食材の手触りや匂い、盛り付けなど、五感をフルに使います。筆者の子ども達はクッキーの型抜きが大好きで、ノリノリでやってくれますよ。

 

3-2.脳トレグループ:パズル、迷路などのドリル

2〜3歳は指先の機能が発達するので、描くことが上手になる時期でもあります。なぐり描きからちょっとレベルアップして、「迷路などのドリル」を取り入れるのもおすすめです。

2〜3歳向けのドリルは文具店や100均で売っている他、ネット上で無料でダウンロードできるサイトもあります。迷路だけではなく、ぬりえや点つなぎなど、お子さんの好みに合わせて選んでみましょう。

パズルは指先を使う他、記憶力や集中力の向上にも役立ちます。筆者の子ども達は、同じパズルを完成させてはバラバラに戻して、何度も繰り返し遊びました。

最初は親がやってお手本を見せてあげることで、子どももパズルの遊び方が分かり、徐々に一人でも遊べるようになります。まずは親子で楽しんでやるステップが大切ですね。

 

3-3.想像グループ:絵本の読み聞かせ、ごっこ遊び

2〜3歳は他者への関心が高まり、社会性が芽生える時期です。絵本の読み聞かせやごっこ遊びはとても大切な役割を担っています。

子どもがぬいぐるみや人形を赤ちゃんに見立ててお世話をする姿は、とてもかわいらしいですよね。ごっこ遊びで自分以外の役割を体験することで、相手の立場や気持ちを想像し、思いやりの心が持てるようになります。室内遊びでは、親もごっこ遊びに参加すると会話のやり取りが楽しめて、コミュニケーションの幅が広がりますよ。

親子のゆったりした時間づくりに、絵本の読み聞かせもおすすめです。絵本は自分以外の人やものの立場を考えるのに役立つほか、語彙力が増えるメリットもあります。

何かと忙しい毎日ですが、絵本は10分あれば1冊読めるのも魅力ですね。

【ポイント】

室内でできる「静かな遊び」は「創作」「脳トレ」「想像」とさまざまなバリエーションがあります。「動く遊び」でしっかりエネルギーを発散した後は「静かな遊び」でゆったりした時間を楽しんでくださいね。

 

4.「静」と「動」の遊びを組み合わせるときの注意点

ここからは「静」と「動」の遊びを組み合わせるときの注意点を解説していきます。心に留めておくと、より室内遊びを楽しめるのでぜひ参考にしてくださいね。

 

4-1.幼児の集中できる時間は「年齢+1分」

一般的に、幼児の集中できる時間は「年齢+1分」と言われています。

つまり、以下のように考えられます。

  • 2歳だと集中できるのは3分
  • 3歳だと集中できるのは4分

よく、子どもが何か遊び始めてもすぐ他の遊びに移ってしまい「うちの子、集中力ないのかな?」と心配する声を耳にします。一方でそもそも子どもの集中できる時間は短いということを頭に留めておくだけで、親の気持ちも楽になりますよね。

もちろん、子どもが本当に好きな遊びに関しては、長い時間集中することもあります。まずは気負わず色々な遊びをやってみて、子どもの興味関心のあるものを楽しみながら探していきましょう。

 

4-2.無理強いはせず、子どもの様子を見ながら取り入れよう

当然お子さんそれぞれに好みがあり、合う遊びと合わない遊びがあります。また、年齢の経過に伴って、最初は嫌がっていたけれど、大きくなったら楽しめるようになったという遊びもありますよね。

2~3歳のお子さんにとって、遊びはまず「安心して、楽しめること」が大切です。「静」と「動」のメリハリは親が主導してコントロールしつつ、それぞれの遊びは無理強いしないように心がけましょう。

子どもが好きなもの、楽しめるものを一緒に探す気持ちで、多種多様な遊びを試してみるのがおすすめです。

 

4-3.完璧じゃなくて良い!親子で楽しく過ごせるのが一番

2~3歳の子どもと一緒に遊んでいると、親の思った通りに事が運ばないときは山ほどあります。

お菓子作りを例にあげると、材料を床にこぼしたり、上手く混ざらなかったり……。想像以上に時間がかかって、1日のスケジュールがずれ込んでしまうことは珍しくありません。

はじめてする遊びや慣れない遊びをするときは、時間に余裕を持ってスケジュールを組むのがおすすめです。遊びの中で「静」と「動」のメリハリは大切なのですが、完璧にやろうとすると、かえって親のストレスに繋がることもあります。

一番大事なのは「親子で楽しく過ごせること」です。子どもの表情を見て「今は退屈そうだな」と感じたら、遊びを「静」から「動」に切り替えてみるなど、柔軟に対応していきましょう。

【ポイント】

「静」と「動」のメリハリは大切ですが、子どもの集中力は短く、段取り通りにいかないことも多くあります。大事なのは「親子で楽しく過せること」です。完璧にしようとせず、子どもの様子を見ながら遊びを切り替えてみましょう。

 

5.「静」と「動」の遊びを組み合わせて、室内遊びを楽しもう

「静」と「動」の遊びを組み合わせることで、遊びにメリハリが生まれ、子どもの情緒の安定に繋がります。室内では「静かな遊び」しかできないと思いがちですが、実は室内でできる「動く遊び」も沢山あるんです。

一方で、子どもが集中できる時間は短く、短時間で興味が他へ移ってしまうことも珍しくありません。そんな時のために、遊びの幅を増やしておくと、お子さんが飽きてしまったときも、臨機応変に対応できます。

今回紹介した遊びも、ぜひ参考にしてくださいね。「静」と「動」の遊びを上手に取り入れて、梅雨と真夏の室内遊びを楽しみましょう。

 

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