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【4~6歳】写し絵で成功体験を積もう!知育効果や遊び方をご紹介

この記事を書いた人

工藤りえ 工藤りえ

工藤りえ

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

幼稚園・こども園にて12年勤務。主にクラス担任と障害児保育を経験してきました。

特に障害児保育に関心を持ち、子どもの自己肯定感を高める関わり方を勉強しています。

小1・2歳の兄弟がおり現在は、ママ向けWebマガジンや保育メディアなどで記事執筆を行っています。

得意なことは、ダンス、歌遊び、読み聞かせ、リトミックです。

お子さんに対して、「いつも自信がなさそうにしていて将来が心配」「絵や文字を描くのが苦手な気がする」といったお悩みはありませんか?

お子さんが集団に入ると、周りの子がいる中で気になることがどうしても出てきますよね。そんなお悩みをお持ちの方におすすめの遊びが「写し絵」です。

本記事では、「写し絵とはどんな遊び?」「どのような効果があるの?」といった疑問をお持ちの方へ、成功体験を積めて知育効果がある「写し絵」について詳しくご紹介します。

ご家庭でも簡単に取り入れられる遊びなので、ぜひご覧ください!

 

目次

1.写し絵とはどんな遊び?

「写し絵」がどんな遊びか、ご存じない方もいらっしゃいますよね。もしかしたら、説明を聞くと「子どもの頃にやったことがある!」というママも多いかも知れませんね。

ここでは、写し絵がどんな遊びなのか、保育現場ではどのように取り入れているかを詳しくお話しします。

 

1-1.「写し絵」とは

写し絵とは、見本となる絵の上に紙を敷き、透けている線をなぞって描く遊びのことです。

写し絵のことを「直写(ちょくしゃ)」と呼ぶこともありますが、同じ意味合いで使われています。写し絵は、見本をなぞって描くので完成度が高い絵を完成させられるのが大きな魅力ですよ。

「思うように絵が描けた!」という達成感が得られるため、絵に苦手意識がある、思うように描けず途中で諦めてしまう、そういった子にはぴったりの遊びです。

子どもによって個人差がありますが、手先の動きが器用になり、手本をなぞれるようになる4歳頃から写し絵で遊べますよ。

 

1-2.「模写」や「なぞり絵」との違い

写し絵と類似している遊びに、「模写」「なぞり絵」があります。

ここでは、写し絵と模写・なぞり絵の違いについてお話ししますね。

「模写」は、目の前にある手本を見て模倣し描くことをいいます。自分が描く紙の近くに手本を置いて見えたとおりに真似をして描くので、写し絵より難易度が上がりますよ。

「なぞり絵」は、薄く線がある部分を直接なぞって絵を完成させる遊びです。写し絵のように紙を重ねずになぞるため、比較的簡単に遊べます。

上記の3種類を難易度順でいうと、簡単なものから
①なぞり絵
②写し絵
③模写
になります。

[写し絵は多くの保育・療育現場で取り入れられている]

写し絵は、子どもが育つ保育・療育現場で取り入れられる機会が多い遊びです。特に発達支援の観点から、個別・小集団療育でプログラムに組み入れられていますよ。

筆者も保育現場で、写し絵の時間を設けた経験があります。写し絵は、見本があり完成するイメージが具体的に浮かぶため、普段絵を描くのが苦手な子も完成に向かって一生懸命取り組む姿がありました。

子どもの意欲を引き出しつつ、完成イメージを持たせると最後まで諦めずに取り組む子が多かったですよ。

写し絵は、絵を描くのが苦手、集中できる時間が短い、鉛筆を思うように動かして描けない、というようなお悩みがあるお子さんには非常に効果的です。

 

2.写し絵で得られる知育効果

「紙の上から絵をなぞる遊びに、効果はあるの?」と疑問に感じる方もいるかもしれませんね。実は、写し絵は非常に知育効果が高い遊びなのです。

どんな良いところがあるのか、写し絵で得られる知育効果について詳しくお話しします。

 

2-1.成功体験によりチャレンジ精神が身につく

写し絵は、成功体験を少しずつ積み重ねることで、次もやってみたいというチャレンジ精神が身につく遊びです。

見本の絵を紙の上からなぞると、思い描いた絵に極めて近い作品ができます。「自分でできた」経験を積み重ねやすいので、子どもは「次もやってみよう」と意欲がわくのですね。

経験を積むと「次はもう少し難しい絵にチャレンジしてみたい」と思えるので、成功体験は「もっとやってみたい」を引き出す大切な経験です。

成功体験を積みやすい写し絵は、子どもの意欲を伸ばすために適している遊びといえます。

 

2-2.自己肯定感が高まる

自己肯定感とは、自分を認め、受け入れる考えのことです。

写し絵は、見本のような絵を自分の手で完成させることで「できた」経験を積むことができます。その「できた」という嬉しい気持ちは子どもの自信につながる大切な感情になりますよ。

自己肯定感が高まると、自分のことを好きになり、ポジティブなイメージを持って生活していけます。困難や壁にぶつかったときにどのように立ち向かえるかは、自己肯定感が大きく関係してくるといっても過言ではないでしょう。

 

2-3.集中力が高まる

写し絵は、手でしっかりと紙を押さえ、線がずれないように丁寧に描かなければ見本のような絵は完成しません。そのため、子どもは集中して写し絵に取り組み、より完成度の高い絵を求めます。絵を完成させるまでの集中力は、驚くほど高まっていますよ。

写し絵で繰り返し遊ぶことで、集中する時間も長くなります。集中力は、長い時間授業に取り組めるか、やるべきことに向き合えるか、などに大きく関わるでしょう。

幼児期から集中力を養うと、将来お子さん自身が好きなことにとことん向き合って取り組める強みにもなりますね。

 

2-4.手先が器用になる

紙を押さえながら鉛筆を持つ手を動かすのは、慣れるまで難しいと感じる子も多いでしょう。1度に複数の動きができなければ成り立たない写し絵は、実は高度な遊びでもあります。

紐を結ぶ、ボタンをはめる、チャックの開閉をする、といった日常生活の動作も、手先の動きが充分に発達することでできるようになります。

繰り返し遊ぶと、手先・指先の力加減をコントロールする力も身につきますよ。

 

2-5.運筆力が身につく

運筆力とは、自分で思い描いたように鉛筆を走らせる力のことです。

絵や文字の形はもちろん、筆圧や文字の大きさなどをコントロールするときも、運筆力の影響が非常に大きく関わってきますよ。

写し絵は、見本のような絵を描くためにどのように鉛筆を動かしたら良いかを考えながら遊ぶため、運筆力を身につけるには非常に効果的な遊びといえます。

自分で鉛筆を走らせるコツを習得しておくと、学校生活への不安も少なくなるでしょう。

 

3.写し絵で遊んでみよう


「写し絵って家で簡単に遊べるの?」と疑問を抱く方もいるでしょう。写し絵は、おうちでも簡単に取り入れられる遊びですよ!

準備や片付けが少ないので、お部屋が散らかりにくくママにとっては嬉しい遊びです。筆者も、家で子どもとよく写し絵をして遊んでいますよ。

ここでは、おうちで写し絵をするときの準備や遊びのポイントをご紹介しますね。

 

3-1.準備するもの

写し絵で準備するものは、以下の通りです。

・見本の絵(濃く黒い線のもの)
・白い紙(できれば薄くて透けやすいもの)
・鉛筆と消しゴム
・必要であればクリップやマスキングテープ

写し絵の準備をするときのポイントは、子どもがスムーズに遊べるよう整えることです。やりにくさを感じると、次への意欲がわきにくくなります。

見本の絵は、子どもが好きなキャラクターやイラストを用意すると、初めての遊びでもスムーズに取り組んでくれることが多いでしょう。

塗り絵のイラストを使用するのもおすすめですよ。線が細い、紙に透かすと見えにくいときは、ママがマジックで線を見やすく書き足すのもおすすめです。

クリップやマスキングテープは、見本と絵を描く紙がずれないようにするために使います。初めは固定した方が描きやすいので、子どもが自分で紙を押さえられるようになるまで使用しても良いでしょう。

 

3-2.写し絵で遊ぶときのポイント

写し絵は、見本の絵が透けて見えなければ遊びにくくなるため、明るい室内で遊ぶと線が見やすくなりますよ。

また、上記でご紹介したようにママがマジックで線を見やすくしたとしても、どうしても見本の線が見えにくいことがあるかと思います。そうなると、子どももイライラして楽しく遊べないですよね。

線が見えないときは、見本と紙をマスキングテープで窓に貼り付けて遊ぶのがおすすめです。陽の光で紙が透けやすくなり、テーブルで描くよりはっきりと見本の線が見えますよ。

窓で描くのは特別感があり、喜んでくれる子が多いです。ガムテープやセロハンテープは窓に貼ると綺麗にはがれないことがあるので、ご注意くださいね。

 

3-3.ママの関わり方のコツ

写し絵を始めるときは、ぜひママも一緒に遊んでみてください。ママが手本になると子どもは完成までの過程がわかり、より楽しみを持って取り組めます。写し絵は、大人が遊んでも案外面白くてストレス発散になることもありますよ。

子どもが写し絵に集中している時は、声を掛けず見守ってあげてくださいね。また、完成したときには最後までやり遂げたことをたくさん褒めてあげてください。そうすると、子どもはより達成感を味わいチャレンジ意欲が増しますよ。

ママの声掛けが、子どもの成功体験をより次につながる素敵な時間にしてくれるのです。

 

4.写し絵で楽しく成功体験を積み知育効果を得よう

写し絵は、楽しく成功体験を積み重ねられる遊びです。おうちで簡単に取り入れられるのも魅力的ですね。知育効果が豊富なので、子どもの心と身体の成長にアプローチできる遊びでもあります。

幼児期は「できた」「次もやってもよう」「自分はこんなにできるんだ」といった気持ちを育むことが、将来困難や壁にぶつかった時の対応にも関係してきます。たくさんの成功体験が、自分を好きになる心を育みますよ。

ぜひ、写し絵で楽しい親子時間を過ごしてみてくださいね!

 

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