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幼児期の恋愛感情・好きとは?親はどのように対応すればよい?心理師が解説!

この記事を書いた人

狩野淳 狩野淳

狩野淳

  • 公認心理師
  • 臨床心理士

大学、大学院にて発達心理学と臨床心理学を専攻していました。

臨床心理士と公認心理師の資格を保有しております。

子ども達とその保護者の方の支援を仕事にしており、子ども達へは主に応用行動分析を認知行動療法用いて、保護者の方にはブリーフセラピーを使ったアプローチを行っています。

もうすぐで1歳になる男の子がいて、毎日癒されています!

「まだ小さいのに好きな子ができたって、なんだかショック」、「子どもの好きや結婚したいって、どういうこと?どこまで考えてるの?」、そんな風に思ってドキドキしたことはありませんか。

まだまだ、かわいい盛りの我が子に「好きな子」ができるだなんて、うれしいような寂しいような気持ちになりますよね。

でもその「好き」という気持ちは、一見、恋愛感情に聞こえますが、大人とは違った意味合いをもっているかもしれません。

この記事では、3歳頃から見られる「好きな子」への気持ち(幼児期の恋愛感情)の意味や、子どもの「好き」への親の受け止め方や対応の仕方について、お話しします。

大人とは異なる視点の「好き」とは、いったいどんな気持ちなのか…! 子どもの初恋の芽について、ぜひ参考になれば幸いです。

 

目次

 

1.幼児期の恋心?「好き」にはどんな意味がある?

「幼稚園に好きな子がいる」「〇〇くんと結婚する」…。そんな言葉を聞くと、大人はつい自分たちの恋愛感情と重ねてしまい、驚いたり戸惑ったりしがちです。

しかし、幼児期に語られる「好き」は、大人がイメージする恋愛感情とは必ずしも同じものではありません。

発達心理の視点で見ると、子ども達の「好き」には「他者への関心」や「安心感」、「親しさ」といった、この時期ならではの心の動きが反映されています。

まずは、幼児期の「好き」がどのような意味を持ち、どんな特徴があり、いつ頃から芽生えてくるものなのかを整理していきましょう。

 

1-1.同じ意味でも大人の「好き」とは異なる

幼児が口にする「好き」は、情熱的な恋愛感情というよりも、「一緒にいると楽しい」「そばにいると安心する」といった気持ちの表現であることが多いとされています。

大人の恋愛は相手を特別視し、独占欲や将来への期待を伴うことがありますが、幼児期の「好き」はそこまで複雑ではありません。

身近な友だちや先生、よく遊んでくれる相手に対して自然に生まれる好意を、身につけ始めた言葉で表現している段階だと考えられているため、正面から受け止めすぎないことが重要です。

 

1-2.幼児期の「好き」の特徴

また、この時期の「好き」には移ろいやすさがあるのも特徴です。昨日まで「結婚する」と言っていた相手が、翌日には別の子に変わっていることも珍しくありません。

これは感情が浅いという意味ではなく、その時々の楽しい体験や安心感に素直に反応している結果です。また、相手の外見や社会的な価値ではなく、「一緒に遊んでくれた」「優しくしてくれた」といった具体的な経験が好意の中心になります。

そのため言っていることが変わったとしても大きく心配しすぎないで「そういうものなのだな」と考えてあげてください。

 

1-3.何歳頃から恋は始まる?

発達心理の観点では、幼児期に見られる「好き」は、本格的な恋愛の始まりというより、他者への関心が外に向き始めたサインとされています。

おおよそ3〜5歳頃になると、家庭外の人間関係が広がり、特定の友だちを意識するようになります。

ただし、この段階では恋愛と友情の区別はまだ曖昧ではっきりとしていません。思春期以降に見られるような恋愛感情とは連続しつつも質が異なるものであり、成長の土台となる自然な心の発達といえるでしょう。

 

2.コラム:「男の子・女の子と遊ばない!」男女で遊ばなくなるのはいつから?

「もう男の子(女の子)となんて遊ばない!」そんな時期が来ると少し寂しいですが、これは「ジェンダー分離」と呼ばれる成長の証です 。

ある研究によると、3歳頃までは9割以上の子が異性と関わりますが、4~5歳になるとその割合は約半数に減少します。競争を好む男児と協調を好む女児で遊びのスタイルが変わるため、自然と距離ができるようです。

しかし、子どもたちの世界は単純に二つに分かれるだけではありません。5歳頃になっても異性とうまく遊べる高い社会性を持つ子がいたり、遊びの中で性別の枠を軽々と飛び越えたりする姿も見られます。

例えば、戦いごっこを仕切る女の子や、ままごとで母親役を楽しむ男の子など、性別の境界を行き来する「越境(えっきょう)」と呼ばれる行動も確認されています。

この時期の「性別への違和感」や「興味」は一時的なものであったり、成長と共に変化したりすることも珍しくありません。

「遊ばない」も「仲良し」も、あるいは「性別を飛び越える」のも、すべて子どもなりの社会性の発達過程です。大人が「男/女らしく」を急ぎすぎず、その時々の自然な表現を温かく見守ってあげたいですね。

 

3.親への「好き」はどんな好き?恋や単なる愛情とは異なる視点

ここまで同級生や外部の人に対する「好き」について取り上げてきましたが、幼児期の「好き」は、同年代の友だちだけでなく、親に対して向けられることもよくあります。

幼児が親に向けて「大好き」「パパと結婚する」といった言葉を使うと、単なる甘えや愛情表現かと思いがちですが、それだけではありません。

そこで次に、親に対して「好き」という心理の背景を説明する代表的な理論として、エディプス・コンプレックスとエクストラ・コンプレックスを紹介します。

 

3-1.エディプス・コンプレックス

エディプス・コンプレックスは、幼児期の一時期に無意識のうちに異性の親に特別な好意を抱き、同性の親をライバルとして意識するという考え方です。

例えば、男の子が母親に強い愛着を示しつつ、父親に対して嫉妬や競争心を抱く、といった状態が想定されています。

こうした心の動きは、昔ながらの心理学(精神分析)において、子どもが「自分らしさ」や「男の子・女の子としての自覚」を身につけていくための、大切な成長過程だと考えられています。

▼ 精神分析とは?

精神分析とは、精神科医のフロイトが提唱した「自分でも気づかない心の奥(無意識)」を探る心理へのアプローチ。人の言葉や行動は、実は過去の経験や隠れた本音に大きく影響されていると考えます。

子育てにおいては、子供の不可解な行動や、親自身のイライラの原因を「表面的な行動」だけでなく「心の深い部分」から理解しようとする際に役立つ考え方です。

 

3-2.エクストラ・コンプレックス

女児に関してはエレクトラ・コンプレックスという言葉が使われることがあります。

これは、男児のエディプス・コンプレックスに対応する概念として提唱されているもので、幼児期の女の子が父親に対して強い愛着を感じ、母親への対抗心を伴うとされるものです。

精神分析では、こうした感情の揺れが子どもの性別役割や家族内での位置づけを学ぶ一過程と見なされてきました。

ただし、現在では科学的な根拠が薄いため、あくまで心理学の「歴史」として扱われるのが一般的です。

 

3-3.2つの理論から何が分かるか

エディプス・コンプレックスやエレクトラ・コンプレックスという考え方から分かるのは、幼児が特に異性の親に強い愛情を示すこと自体が、決して特別でも問題でもなく、発達過程における自然な心の動きだという点です。

異性の親はその気持ちをむげに否定せず、素直な思いとして受け止めつつも、年齢に応じて過度なスキンシップは控え、少しずつ距離感を整えていくことが大切です。

一方、同性の親は無理に引き離して、やめさせようとする必要はありません。

順調に心が育っているサインとして見守りながら、同性として安心できる良い関係を築いていくことが、子どもの健やかな成長につながっていきます。

 

4.幼児期の「好き」の気持ちに親はどのように反応するのが正解?

幼児期の「好き」が大人の物とは異なること、家族に対しても「好き」という反応を見せることについて解説しました。

その中でも幼児が見せる「好き」という気持ちは、成長の過程で自然に表れるものであると紹介しましたが、受け止め方を誤ると、子どもの対人関係の学びに影響を与えてしまうこともあります。

大切なのは、否定も過剰な肯定もしない、落ち着いた関わり方です。ここでは、親として意識しておきたい反応のポイントを、具体的に見ていきます。

 

4-1.大げさに反応しない

何度もお伝えしていますが、幼児期の「好き」は大人の恋愛感情とは質が異なります。

そのため、大人の感覚で「早すぎる」「そんなことを言うのはおかしい」と大げさに捉える必要はありません。

驚いたり、過度に照れたり、逆に強く否定したりすると、子どもはその反応から多くを学び取ります。特に注意したいのは、「人のことを好きって言うのはいけないことなんだ」と誤って受け取ってしまう可能性です。

素直な好意を表現した結果、親が慌てたり困った顔をしたりすると、感情を表に出すこと自体を控えるようになることもあります。まずは落ち着いて受け止める姿勢が大切です。

 

4-2.適切な伝え方、距離間を教える

一方で、「好き」という気持ちがあれば何をしてもよい、というわけではありません。幼児はまだ、相手の気持ちや距離感を十分に理解できないため、好意からくる行動が行き過ぎてしまうことがあります。

例えば、何度も同じ言葉を繰り返したり、必要以上に体に触れたりすると、相手を困らせてしまう場合があります。

そうした場面では叱るのではなく、「どうしたら相手はうれしいかな」「こんな言い方ならどうかな」と、親子で一緒に考えることが大切です。好意を伝えること自体を否定せず、相手を思いやる形へと導いていく関わりが、社会性の土台になります。

 

4-3.年齢に合わせたスキンシップをとっていく

子どもの愛情表現は、日常の中で親が示している関わり方を真似ている場合も少なくありません。抱きつく、頬にキスをする、強い言葉で「大好き」と伝えるといった行動も、家庭でのスキンシップが反映されていることがあります。

もし表現が過度に感じられるときは、子どもだけを問題視するのではなく、親子の関わり方を見直す一つのきっかけと捉えるとよいでしょう。

ただし、距離感を調整する際に急にスキンシップを減らしてしまうと、子どもは「何か悪いことをしたのかな」「嫌われたのかな」と不安を抱くことがあります。年齢や成長に合わせて、少しずつ関わり方を変えていく姿勢が大切です。

 

5.コラム:恋愛が低年齢化?小学校高学年の恋愛事情


幼児期のかわいい「好き」から成長し、小学生になるとどうなるのでしょうか?

ある調査によると、小学5・6年生の約半数が「好きな人がいる」、約3割が「交際経験あり」と回答しています。特に女子は、好きな人がいる割合は男子の約2倍です。

「小学生で交際!?」と驚きますが、その内容は「学校でおしゃべり」や「プレゼント交換」がメインで、あくまで友人関係の延長線上にあるようです。

ただ、第二次性徴が近づくこの時期は、身体の変化と共に「自分らしさ」に揺れ動く繊細な時期でもあります。誰かを好きになることが、自分の性別への違和感を自覚するきっかけになったり、同性が好きかもしれないと気づく機会になったりすることもあります。

「好き」の形や性のあり方は人それぞれで、とても流動的です。

数字にドキッとしますが、親としては「人間関係を学ぶ大切なステップ」として見守りつつ、決めつけずに「ありのままの気持ち」を受け止める。そんな心の準備をしておくと良いかもしれませんね。

 

6.幼児期の恋は大人とは別物!好きな気持ちは暖かく見守ろう

幼児期に見られる「好き」という気持ちは、決して早すぎるものでも、特別に心配すべきものでもありません。

それは、他者に関心を持ち、誰かと心を通わせたいという人間関係の芽生えです。大人の恋愛感情とは異なることを理解し、大げさに反応せず、子どもの気持ちそのものを丁寧に受け止めることが大切です。

時に子どもは大人の真似をして、好きな子へ「キス」や「抱きつき」をすることがあるかもしれません。

そんなときは、微笑ましいと見ているだけでなく、相手の気持ちを考えた愛情表現や伝え方、年齢に応じた距離感を少しずつ伝えていくことが、健全な対人関係の基礎になります。

幼児期に適切な愛情表現を学ぶ経験は、将来、恋をして好きな人やもっと仲良くなりたい相手ができたとき、無理のない形で関係性を築いていく力につながっていきます。

今の関わりは、先の人間関係を支える大切な土台です。焦らず、否定せず、親子で一緒にその土台づくりに取り組んでいきましょう。

 

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主な参考文献
梅本 恵 , 幼児期における性同一性形成の境界域の実態
大澤 愛海 , 青柳 直子 , 児童期における男女交際の実態と恋愛観
葛西 真記子 , 高山 満里奈 , 「小児期」から「現在」に至る性別違和感の変容プロセスと影響要因
藤田 文 , 幼児期の仲間関係における異性との相互交渉

 

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