【小学校1・2年】登下校中の安全対策は?事前にできる対策や安全グッズも紹介
この記事を書いた人
多村美穂
- 保育士
元保育士のWEBライターです。
保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。
現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。
保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!
子どもが小学校に入学すると、登下校をはじめ1人で歩く機会が増えます。
1人で学校に通う我が子の姿を見て、交通事故や不審者トラブルなどが心配になる方も多いでしょう。
この記事では、登下校中の安全対策や、便利な安全グッズを紹介します。
子どもの登下校中の安全が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
事前に知識を得て、対策を練っておくことで、登下校中のリスクをグッと減らせますよ。
目次
1.小学校の登下校中に心配なこと・気をつけたいことは?
小学校1・2年生の子どもが登下校する際に心配なこと・気をつけたいことは、主に以下の4点です。
1-1.交通事故
政府広報オンラインによると、小学生の交通事故は歩行中の事故が最も多く、全体の約6割を占めています。
さらに、小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.2倍と言われています。
園に通っている間は基本的に保護者が送迎していました。しかし小学生になると、子どもだけでの登下校や、1人で遊びに出かける機会が増えます。
にもかかわらず、小学校1・2年生の子どもは道路の危険性を十分に理解していないことが多く、事故が起きてしまう原因となっています。
1-2.不審者
文部科学省の登下校防犯プランによると、道路上での身体犯の被害件数は、被害者が13歳未満の子どもに限定すると、ほぼ横ばいで推移しています。
また、子どもが被害に遭う時間帯は、特に15時から18時の下校時間帯に集中している傾向です。
防犯ボランティアの高齢化による減少や、共働き家庭の増加に伴い、下校・帰宅の在り方が多様化したため、子どもに目が行き届かない時間が生じていることが原因と考えられています。
1-3.熱中症
環境省の熱中症予防情報サイトによると、熱中症で救急搬送される人は、2010年以降大きく増加しています。
ヒートアイランド現象や地球温暖化の影響で気温が上昇傾向にあり、今後さらに悪化する可能性が高いとされているため、注意が必要です。
1-4.災害
地震や豪雨などの自然災害は、いつ起こるか分かりません。
登下校中に災害に遭遇した場合、子どもだけでは適切な判断や行動ができない可能性があります。そのため、安全な場所への避難が遅れ、危険な目に遭うことも考えられます。
2.小学校の登下校中の安全対策
小学校の登下校中の安全を確保するためには、さまざまな対策が必要です。
ここでは、交通事故、不審者、熱中症、災害時の4つの観点から、具体的な安全対策を見ていきましょう。
2-1.交通事故対策
交通事故を防ぐためには、交通ルールを理解し、守ることの大切さを教えることが重要です。
政府広報オンラインでは、特に以下の2点を重視して教えるよう呼びかけています。
①安全な横断の仕方を教える
- 横断歩道や信号機を利用する
- 渡る前に右左を確認し、車が停止していることを確認する
- 手を上げるなどして横断の意思を示す
②子どもの目線で確認して教える
- 大人とは目線の高さが違うため、子どもには見えにくい危険があることを理解する
- 見通しの悪い交差点や曲がり角では、立ち止まって右左を確認し、先に頭を出して安全を確かめる
- 駐車車両や看板などで死角になっている場所では、見えていなくても近づく車などに気をつける
子どもに交通ルールを教える際は、言葉で教えるだけではなく、実際に通学路を歩きながら危険なポイントを子どもと確認するのが効果的です。
子どもがイメージしやすく、交通ルールの理解が進む絵本や動画を活用するのもいいですね。
<おすすめの絵本>
『おさんぽのおやくそくだもの』 きだに やすのり (著), わたなべ あや (イラスト)
りんごくんとあおりんごちゃんが公園に行く物語の中で、自転車や車の危険性、信号の意味、横断歩道の渡り方が学べる絵本です。
やや低年齢向けの絵本ですが、クイズ形式にして読むことで、小学生の子どもも楽しんで読めるでしょう。
2-2.不審者対応
子どもを不審者から守るためには、「いかのおすし」を親子で一緒に覚えるのが効果的です。
<いかのおすし>
【いか】:知らない人について「いか」ない
【の】:知らない人の車に「の」らない
【お】:「お」おごえを出して助けを求める
【す】:「す」ぐ逃げる、安全な場所に駆け込む
【し】:大人の人に「し」らせる、事件は必ず報告する
子どもに「『いかのおすし』が大切なんだよ」と伝えるだけでは、子どもは「いかのおすし」という言葉を覚えるだけになってしまいます。
子どもと一緒にルールの内容を確認し、実際の場面を想定して練習することが大切です。
具体例
- 「もしも公園で遊んでいるときに、知らないおじさんに『一緒に秘密基地に行こう』と言われたらどうする?」と聞いてみる
- 「こわい思いをしたり、緊張して声が出なかったりするときは、このひもをひっぱるんだよ」と言って、実際に防犯ブザーを鳴らす練習をさせる
また、絵本や動画は、子どもが危険なシチュエーションを学ぶのに効果的です。親子で一緒に読んだり見たりしながら、危険に気づく力を身につけさせてあげましょう。
<おすすめの絵本>
『とにかくさけんでにげるんだ』 ベティー ボガホールド (著), 河原 まり子 (イラスト), 安藤 由紀 (翻訳)
カナダの小学校で副読本として使用されていた絵本です。
デパートでの迷子や公園で知らない人に話しかけられたときなど、さまざまなケースが子どもの視点で描かれています。
実際に危険な場面に遭遇したとき、子どもがどう行動すべきかを親子で一緒に話し合うきっかけにもなるでしょう。
2-3.熱中症対策
昨今の夏は命の危険を感じる暑さとなっています。登下校中の熱中症対策も万全にしておきましょう。
日本気象協会は、2020年の「熱中症ゼロへ」プロジェクトで、登下校中に注意したいポイントとして以下の3点を挙げています。
- 日差し避けをする
- 水分をこまめにとる
- 学校や家に着いた後も油断しない
注意したいのは、子どもに熱中症対策を伝えるときは、分かりやすく具体的な内容にする必要がある点です。
例えば、「水分をこまめにとりなさい」と言っても、子どもはいつ水を飲んでいいのか分からない場合があります。
「学校を出る前に水筒の麦茶を飲もうね」「家に帰ってきたらお水を飲んで涼しい所で10分くらい休憩してね」と子どもが理解できる伝え方を意識しましょう。
2-4.災害時の対応
災害の種類によってとるべき行動は異なります。
災害発生時に子どもが適切に行動できるよう、日頃から親子で災害ごとの対応を話し合っておきましょう。
災害ごとにとるべき対応の具体例は、以下の通りです。
■地震
- 狭い路地や塀・切れた電線に近寄らない
- 海や川の近くにいる時は、津波に備えて高い所に逃げる
- 電車に乗っている時は係員の指示に従う
■落雷
- 高い木の下には避難せず、木から4m以上離れる
- 近くの建物や屋根付きの乗り物などに避難する
■竜巻
- 飛散物に注意して、近くの丈夫な建物に避難する
- 避難できない場合は、物陰やくぼみに身をふせる
いざというときの避難場所も子どもと共有しておきましょう。通学路からの避難経路も一緒に考えておくとさらに安心です。
3.親が事前にできる登下校の安全対策
ここからは、親が事前にできる登下校の安全対策を紹介します。
3-1.通学路を一緒に歩いてみる
まず大切なのは、実際に子どもと一緒に通学路を歩いてみることです。
子どもが日々通る道の様子を直接確認することで、子どもに分かりやすく危険を伝えられるとともに、安全に登下校する練習ができますよ。
通学路を確認する際のポイントは以下の通りです。
①危険な場所を確認する
交通量の多い道路、見通しの悪い曲がり角、工事現場、人通りの少ない道など、実際に危険な場所を見せることで、子どもに分かりやすく伝えられます。
②安全な歩き方を教える
歩道の内側を歩く、信号を守る、道路を横断する際は左右を確認するなど、実際の場面で練習することで、子どもは交通ルールをより理解しやすくなります。
③緊急時の避難場所を確認する
交番、コンビニ、地域の「子ども110番の家」などを確認しましょう。不審者に遭遇した際の避難先を知ることで、子どもの安全確保につながります。
実際に歩くことで迷子になる可能性も減らせます。子どもが1人で登下校を始める前に、1度は親子で通学路を実際に歩いてみましょう。
3-2.一緒に登下校できるお友だちを探す
お友だちと一緒に登下校すれば、不審者への抑止力になり、お互いに声を掛け合うことで交通事故のリスクも減らせます。
近所のお友だちを誘ったり、親同士で連絡を取り合ったりして、子どもが一緒に登下校できるお友だちを探してみましょう。
3-3.地域の情報を集める
子どもの安全な登下校のために、地域の情報を集めることも大切です。
学校からの連絡メールや地域の防犯・見守り活動のお知らせには目を通しておきましょう。
防災情報や不審者情報は、気象庁や警視庁でも配信しているので、活用してみてくださいね。
■防災情報:気象庁「あなたの街の防災情報」
■犯罪情報:警視庁「メールけいしちょう」
4.小学校登下校中の子どもに持たせたい安全グッズ
ここでは、小学校登下校中の子どもに持たせたい安全グッズを紹介します。
4-1.交通安全グッズ
■リフレクター
運転手に子どもの存在を知らせ、事故を防ぐ役目を果たすリフレクター。
キーホルダータイプのリフレクターは手軽につけられる上、子どもの好きなデザインが豊富にそろっているため楽しんで選べますよ。
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■GPS
ランドセルに入れておくだけで子どもの居場所が分かるGPS。
通学路から外れたり、予定時間に帰宅しなかったりした場合に素早く対応できます。
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4-2.防犯グッズ
■防犯ブザー
防犯ブザーがあれば、不審者に声をかけられたり、危険を感じたりした時、周囲の大人に助けを求められます。
「防犯ブザーをつけている」こと自体が犯罪抑止力にもなりますよ。
>>「西文舘(SEIBUNKAN) プレミアム防犯ブザー」Amazon販売ページ
4-3.熱中症対策グッズ
■水筒
こまめな水分補給は熱中症予防の基本です。軽量で持ちやすい、保冷機能付きの水筒を子どもに持たせてあげましょう。
>>「サーモス 水筒 真空断熱2ウェイボトル」Amazon販売ページ
■日傘
学校によっては日傘の持参が許可されている場合があります。
日傘は帽子より広い範囲を日陰にでき、体温上昇を抑えられるため、可能であればぜひ使ってみてください。
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4-4.防災グッズ
災害が発生したときに備えて、外にいるときに役立つアイテムをまとめた「防災ポーチ」を準備しておきましょう。
防災ポーチには、以下の品々を入れておくのがおすすめです。
- 親の連絡先
- 避難所のメモ
- 小銭
- キャンディ(夏は塩分補給タブレットでも可)
- ホイッスル
- ウェットティッシュ
- ばんそうこう
- マスク
- ペーパーソープ
ポーチの中身は、子どもの年齢や好みに合わせて家庭ごとにカスタマイズしてくださいね。
5.親子で一緒に対策して、小学校登下校時の心配を安心に変えよう
親子で一緒に対策を立てることで、登下校時の心配は安心に変えられます。
さらに、「言われたから」ではなく、「自分の安全は自分で守る」意識が芽生え、子どもの主体性も同時に育ちますよ。
ぜひ、親子で登下校の安全について話し合ってみてくださいね。
参考文献
・『小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.2倍!新1年生を交通事故から守るには? 』政府広報オンライン
・『登下校防犯プラン』文部科学省
・『熱中症予防情報サイト』環境省
・『「熱中症ゼロへ」プロジェクト』一般財団法人 日本気象協会
・『わたしの防災サバイバル手帳』消防庁
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