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知育に「あやとり」が注目されている理由。親子で楽しめる簡単な遊び方5選

この記事を書いた人

佐藤 佐藤

佐藤

  • 社会福祉士
  • 幼稚園教諭
  • 保育士

保育・福祉関係の大学卒業後認定こども園に勤務。

多様な教育を学ぶため、シュタイナー園で働いた経験もあります。

現在は妊活をしながらフリーライターをしています。

好きなことはギターと絵を描くこと。自分の経験を生かした発信に挑戦中です。

あやとりは日本に昔からある遊びである伝承遊びの1つです。子どもの頃にあやとりで遊んだ経験がある人もいるでしょう。

実はあやとりが知育にも繋がることを知っていましたか?

今回はあやとりがもたらす知育効果や、難易度別にあやとりの遊び方を紹介します。あやとりを楽しみながら、子どもの力を伸ばす参考にしてくださいね。

目次

1.あやとりが子どもにもたらす知育効果

親子の手

子どもがあやとりをすることで得られる知育は4つあります。

  1. 自分で指の動きをコントロールする経験を積める
  2. 集中力を養える
  3. 立体感覚を掴むきっかけになる
  4. 他の人と関わることで、コミュニケーション力を養える

遊びを楽しみながら、子どもの様々な分野を伸ばせる可能性がありますよ。

 

1-1.自分で指の動きをコントロールする経験を積める

子どもの頃に、あやとりをする際、指の動かし方に慣れるまで苦労した経験はありませんか。

あやとりは紐を指に絡めて、特定の形を作る遊びです。指先を大きく動かして作るものの他に、難易度が上がると細かな動きを求められることもあります。

あやとりを通して楽しみながら指先を動かすことで、細やかな動きを経験し、自ら指の動きを調整する経験を積めますよ。

 

1-2.集中力を養える

あやとりは指先をよく見て、正しく指を動かす技術が求められます。ぼんやりしていたり、よそ見をしていたりしては、正しい形を作れません。

あやとりを成功させるために自然と子どもは集中します。あやとりの経験を重ねることで、無理なく集中力を養えますよ。

特に小学校入学後は、学習面において集中力を求められる場面が多く存在します。たとえば授業中に先生の話を聞く時や、各教科の問題に取り組む時には集中力が求められることでしょう。

あやとりを通して集中力を養うことで、就学後も落ち着いて授業に取り組めるようになる可能性がありますよ。

 

1-3.立体感覚を掴むきっかけになる

筆者が保育士として感じたのは、あやとりがお絵描きのような平面で行われる遊びとは異なる特徴があることです。

この特徴は、立体感覚を掴むきっかけになると感じました。具体的に、あやとりは指と指の間に紐を通して立体的に形を作って遊びます。

あやとりのやり方を覚えるうえで、どの指に通すかという事実だけでなく、通したらどんな形になるのか立体的な見方を学べます。

紐のかけ方で出来上がりの形がどう変わるのか、やりながら知ることで立体感覚を掴む契機になると考えました。

 

1-4.他の人と関わることで、コミュニケーション力を養える

あやとりは1人で作るものだけでなく、2人で作るものもあります。

2人あやとりでは、お互いにうまく指を使って正しく紐を動かしながら形を作らないと、完成しません。2人で取り組むことから自然とコミュニケーションが生まれますし、身近な人と関わるきっかけにもなりますよ。

また相手がやりやすいように角度を調整したり、声を掛け合ったりすると成功しやすいです。成功させるために自分はどう動いたらよいか、相手の目線に立って考える契機にもなります。

 

2.1人でできる!難易度別おすすめのあやとり3選

ひも

お家で楽しめるおすすめのあやとりを、あやとり初心者から見た難易度別に3つ紹介します。

  1. 【かんたん】川
  2. 【普通】ちょうちょ
  3. 【難しい】4段はしご

やり方と合わせて、あやとりをする時のポイントも紹介していきますね。

 

2-1.【かんたん】川

川

・やり方

  1. 左手の親指と人差し指に、紐を一直線になるようにしてかける。
  2. 親指と人差し指の間の紐を上から押し、少したるませる。
  3. たるませた紐を親指と人差し指に巻き付ける。親指は時計回りに、人差し指は反時計回りに巻き付ける。
  4. 指に巻き付けた紐をそれぞれ下に少し引っ張ってたるませる。
  5. たるませたところに右手の親指と人差し指をひっかける。左手の親指のところには右手の親指を、左手の人差し指のところには右手の人差し指をそれぞれひっかける。
  6. 右手を左に動かして紐をひっぱり、形を整える。

・ポイント

6の段階で全ての紐が指の付け根にくるように調整すると、きれいな形に仕上がります。

 

2-2.【普通】ちょうちょ

ちょうちょ

・やり方

  1. 左手の親指と小指に紐をかける。
  2. 右側に余っている紐を1度交差させ「ばってん」の交差した形にする。
  3. 右手の親指と小指に紐をかける。
  4. 中指でそれぞれ反対の手のひらにかかっている紐をとる。
  5. 小指で親指の1番て前にかかっている紐をとる。小指は紐の上を通るように動かし、紐を救い上げる形でとるとよい。
  6. 手のひらを返し、正面に向けて広げる。

・ポイント

2で紐を交差させる時は、慣れるまで机の上で形を整えて行うとやりやすいです。

 

2-3.【難しい】4段はしご

4段はしご

・やり方

  1. 両手の親指と小指に紐をかける。
  2. それぞれの中指で反対側の手のひらにかかっている紐をとる。右手の中指で左手のひらの、左手の中指で右手のひらの紐をとる。
  3. 親指を動かして、親指にかかっている紐を外す。
  4. 親指で小指の向こう側にある紐を下からとる。親指が全ての紐の下を通るようにして動かすとよい。
  5. 親指で中指の向こう側にある紐を、すくい上げるようにしてとる。
  6. 小指を動かして、小指にかかっている紐を外す。
  7. 小指で親指の向こう側にある紐をとる。
  8. 親指にかかっている2本の紐を全て外す。
  9. 親指で小指の手前側にある紐をとる。
  10. 親指でそれぞれの中指にかかっている紐の中に指を通してかける。通しにくい時は反対の指で紐をつまんで、空間をあけてから親指を通すとよい。
  11. 手首のスナップをきかせて、親指にかかっている1番外側の紐だけを外す。
  12. 親指側にある三角の隙間に中指を少し入れる。
  13. 中指を入れたまま小指にかかっている紐を外す。
  14. ゆっくり手のひらを向こう側に向けるようにして返し、手のひらを広げる。

・ポイント

手の動きが多く、それぞれの段階を適当にやると紐が絡まって失敗しまいます。1つ1つ落ちてついて丁寧にやるように心がけましょう。慣れるまでは1段階が終わるごとに、形を整えてからやると成功しやすいですよ。

 

3.親子で楽しめる!2人あやとり2選

あやとりしている人

親子で楽しめる2人あやとりを2つ紹介します。

  1. 【かんたん】川
  2. 【普通】もちつき

家族であやとりを楽しむ参考にしてくださいね。

 

3-1.【かんたん】川(2人あやとり)

2人の川

・やり方

説明の都合上、2人をそれぞれA、Bと呼びます。

  1. Aがあやとりの紐を持ち、両手首に1回紐を巻き付ける。
  2. Aは手首に巻き付けた紐を反対の手の中指でとる。右手で左手首に巻き付いたものを、左手で右手首に巻き付いたものをとる。
  3. Bが交差している2か所を、それぞれ親指と人差し指でつまむ。
  4. Bはつまんだまま手首の外側を通るようにして、手首の紐の内側に通す。
  5. Bは親指と人差し指をぴんと広げて紐をはる。
  6. Aは交差している2か所をそれぞれつまむ。
  7. Aはつまんだ紐をしっかり持ったまま、外側の紐を通るようにしてつまんでいる紐を内側に持ってくる。

・ポイント

子どもにとって紐をとる行為は魅力的ですが、どこをの紐をとるのか、慣れるまではわかりにくいです。どこの紐を取るのか親がやって見せてから子どもにさせるといいですよ。

3-2.【普通】もちつき(2人あやとり)

もちつき

・やり方

説明の都合上、2人をそれぞれA、Bと呼びます。

  1. AとB向かい合って座り、1つのあやとりの紐をAとB両方の小指と親指にかける。長めのあやとりを使うとよい。
  2. Aは右手でBの左手にかかっている紐を中指でとる。
  3. Bも同じように、右手でAの左手にかかっている紐を中指でとる。
  4. 左手も同じようにとる。Aは左手でBの右手にかかっている紐を中指でとり、Bも同じようにする。
  5. AとB2人とも両手の親指と小指にかかっている紐を外す。中指だけ紐がかかっている状態にする。
  6. 手を後ろに下げ、お互いにひっぱる。
  7. AとBの右手と右手、左手と左手を交互に合わせ、もちつきの真似をする。
    ※写真はもちつきの真似をする前の状態(手順6)

・ポイント

お互いの紐をとるため、息を合わせてしないと紐が絡まってしまいます。「せーの」と合図を出したり、「紐をとるよ」と声を掛けてからしたりすると子どももタイミングを掴みやすいのでおすすめです。

 

4.あやとりをするときの注意点

ひもで遊ぶ

あやとりは正しく使えば楽しみながら知育ができますが、行う上での注意点が3つあります。

  1. 指に紐が絡まりすぎないように注意する
  2. あやとりを首にかけたまま他の遊びをしない
  3. 1人あやとりなら140cm程度、2人あやとりなら180cm程度のあやとりを用意する

使い方を間違えると危険な場面があるため、事前に子どもと確認しておくと安心です。

 

4-1.指に紐が絡まりすぎないように注意する

あやとりをしていると、指に紐が絡まってしまうこともあります。

緩ければ取りやすく危険度は低いですが、きつく絡まってしまうと絡まりをほどきにくく、指に食い込んでしまいます。

時間が経過すると血が止まってしまう可能性もあるため傍で見守ったり、いつもと違う子どもの様子が見られたら、手元をよく確認するといいでしょう。

 

4-2.あやとりを首にかけたまま他の遊びをしない

「また後で遊ぶから!」と言って、ネックレス感覚であやとりを首にかける子どももいます。絵本やお絵描きのような静かな遊びなら不安要素は少ないですが、体を激しく動かす時は注意が必要です。

遊ぶ場所や体の使い方によっては、意図せずあやとりが周囲のものにひっかかり、首が締まってしまうことがあります。

あやとりをやめる、もしくは中断する時は決まった場所に片づける習慣づけをするといいですよ。

 

4-3.2人あやとりは長めのあやとりを用意する

2人あやとりは2人で行うため、1人あやとりも長いあやとりを使った方が手を動かしやすいです。短いと指先の動きがより細かくなってわかりにくく、紐もからまりやすくなります。

1人あやとりなら140cm程度、2人あやとりなら180cm程度のあやとりがおすすめです。用意して実際に使いながら、適宜自分たちに合った長さに調節するといいでしょう。

 

5.親子であやとりを楽しみながら集中力を伸ばそう!

あやとりする手

あやとりは、楽しみながら集中力や指先の細やかさを養える遊びです。

1人でできるものから2人でできるもの、難易度も様々であり、遊びこめる要素が満載です。安全に行うために、遊ぶときは紐の絡まりに配慮しましょう。

親子でコミュニケーションを取りながら、昔ながらのあやとり遊びにチャレンジしてみませんか。

 

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