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子どもが落書きする心理とは?書きたい気持ちを受け止めて上手に対応する方法

この記事を書いた人

工藤りえ 工藤りえ

工藤りえ

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

幼稚園・こども園にて12年勤務。主にクラス担任と障害児保育を経験してきました。

特に障害児保育に関心を持ち、子どもの自己肯定感を高める関わり方を勉強しています。

小1・2歳の兄弟がおり現在は、ママ向けWebマガジンや保育メディアなどで記事執筆を行っています。

得意なことは、ダンス、歌遊び、読み聞かせ、リトミックです。

書いてはいけない場所に子どもが落書きをしてしまった!そんな経験はありませんか?

壁、床、家具など、子どもの大胆な落書きに驚いた経験があるママは多いでしょう。

本記事では、3歳〜6歳の子どもの落書きにお悩みの方へ、

・子どもが落書きをする心理
・落書きがもたらす嬉しい効果
・書きたい気持ちを受け止める上手な対応や対策

をご紹介しています。

「子どもが落書きしたとき叱っていいの?」「どうしたら落書きをしなくなる?」といった疑問を解決するヒントになれば嬉しいです。ぜひご覧ください!

 

目次

1.子どもが落書きをする心理とは?

子どもはおおよそ1歳半前後からクレヨンを持って手を動かし、なぐり書きをするようになります。壁や床への落書きは早い子だと1歳・2歳頃から始まり、3歳~6歳の子どもに特に多いと言われています。

ママからすると困りごとのひとつでもある落書きですが、実は、子どもながらに落書きをする理由があるのです!

一体、子どもはどんな気持ちで落書きをしているのか?

ここでは、落書きをすることが特に多い3歳〜6歳について、それぞれの心理について解説します。

 

1-1.【3歳・4歳】落書きをする心理

理性より好奇心が圧倒的に勝る時期

「思わず書いちゃった」「書いてみたかったから」というような理由が1番多いのが3歳・4歳頃。思い立ったら即行動!良い悪いを考える前に書いてしまうことが多いでしょう。

そもそも、落書きという概念がなく遊びの一貫で書くことを楽しんでいる年齢なので、壁や床、家具などママが仰天してしまうような場所に書く子もいますよ。

子どもによっては、書いている途中で「まずい!だめなことかも!」と気がつく子もいるかもしれませんね。

また、壁や床に書くと、ザラザラ・ガタガタ・ツルツルなど、それぞれ違った運筆の感触が楽しい場合もあるので、好奇心旺盛な3歳・4歳頃の子どもにとっては、楽しい発見の場になっていることもあります。

 

1-2.【5歳・6歳】落書きをする心理

可能性を想像して探究心を深める時期

5歳・6歳頃になると、書いてはいけない場所や約束事は理解しています。

落書きしたらママが悲しむ、落書きは怒られる、と思いながらも、あえて悪いことをしてみたいといったスリル感、ママがどんな反応をするか見てみたい、といったいたずら心も持っている時期です。

「これに書いてみたい」「ここに色を塗ったらどうなるだろう?」と想像し、探究心を深めている場合もありますよ。

また、書いているうちに夢中になりすぎて、子ども本人も気付かずに手や机に書いてしまっているケースもあります。

 

子どもはどうして保育園や幼稚園では落書きしないの?

落書きの悩みは家庭で起こることが圧倒的に多く、保育現場では少ないのが現状です。
それはなぜなのでしょう。
あくまでも筆者の考えですが、理由として考えられるものを挙げました。

・いま何をするべき時間か明確に決まっている
・画材が定位置に片付けられている
・友達や先生と遊び、ストレス発散ができている

保育園・幼稚園では、子どもたちは決まりを守り生活し、タイムスケジュールに添って、遊びを通して様々な経験をしていきます。

子どもにとっては、友達・先生とともに発見や学びを経験するのは、楽しく気持ちがスッキリすることが多いでしょう。

また、園生活ではそもそも書く道具が片づけられており、お絵描きの時間も先生が常にそばにいるので大胆な落書きをする発想が出てこないかと思います。

上記の理由から、落書きの悩みは保育現場では少ないのではと考えます。

お家では、大好きなママに構ってほしい、甘えたいなどの気持ちから落書きしてしまう子もいますよ。保育時間は子どもながらに気を遣っていることもあるのでしょう。

お家ではリラックスしているからこそ、心が開放的になり落書きするとも考えられますね。

 

2.落書きで得られる嬉しい効果!


ママにとっては悩みの種である落書きですが、実は子どもにとっては嬉しい効果が豊富です!

ここでは、子どもが落書きをすることで得られる嬉しい効果についてご紹介しますね。

 

2-1.脳の発達を促す

「書く」という動作は手先指先を細かく動かすため、脳の発達を促します。

特に落書きは、壁、床、身体など、場所によって力加減や書き心地が大きく異なるため、紙以外の場所に書くことで感触の違いを味わうことができ、脳へより多くの刺激を与えることができます。

大人から見たらいたずらに見える落書きも、子どもにとっては脳の発達につながる大切な時間なのです。

 

2-2.集中力・表現力が身に付く

子どもが落書きしているとき、妙に集中して書いている姿が見られますよね。

紙以外に書くことに特別感を抱くため、より自分の世界に入り込んで思うがままに書いているのです。

落書きのときは、普段のお絵描きとは違う世界観を書く子もいるのではないでしょうか。

だからこそ、物事に向き合う集中力と自由な表現力が身につくのですね。

 

2-3.ストレス発散になる

夢中になって絵や字を書くと、心のモヤモヤが晴れる大人もいるかもしれませんね。

力いっぱい広い壁や床に落書きをすると心が晴れやかになる効果があるので、子どもも、怒られた・寂しい・退屈などの気持ちを、落書きで発散することがありますよ。

また、子どもは脳が緊張しているとわざとダメなことをしてストレス発散する場合もあります。いつもの紙とは違い新鮮な気持ちでダイナミックに書ける落書きで、心のモヤモヤを発散しているのでしょう。

まだ言葉で表現できないイライラを落書きにぶつけて発散し、無意識に心のバランスを取る子もいますね。

 

3.子どもが落書きをしたときの適切な注意の仕方

「子どもが落書きしたけどどう伝えたら良いの?」そんな悩みを抱えるママもいますよね。

ここでは、ママにおすすめの子どもが落書きしたときの適切な対応を年齢別にご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

3-1.【3歳・4歳】だめなことと理由を簡潔に伝える

3歳・4歳頃の子どもに落書きをしないでほしいことを伝えるコツは、簡潔に理由を伝えることです。

長々と話してしまうと、この頃の子どもからすると何がいけないのか全くわからないままになってしまいます。

例えば「この場所には落書きしないでね。紙に描いてくれたら嬉しいな」「ここはお絵描きしちゃいけないよ。家族みんなの大切な場所だからね」など、落書きはしないでほしいこと、理由、違う場所に書く提案をするのがわかりやすくておすすめですよ。

落書きをしたらママは驚いて、思わず叱りたくなることがあるかもしれません。

しかし、3.4歳は悪意なく遊びの一貫で落書きをしています。書きたかった思いを受け止め、出来るだけ子どもの話を聞いてから落書きはだめだと伝えると、子どもも納得してくれることが多いですよ。

 

3-2.【5歳・6歳】落書きしたらどうなるか考えられるよう問いかける

5歳・6歳頃になると、紙以外に落書きをするとママが困るのではないか?と理解している子が多いでしょう。

この時期の子どもは、先のことを想像できる力が身についてきています。「落書きしたら、その後どうなると思う?」と子どもに問いかけてみましょう。もし子どもがわからなければ、想像できるようにママがヒントとなる声掛けをすると良いですね。

「おもちゃに書いたら綺麗に消えないこともあるよ」「家族みんなで使う場所だから悲しい気持ちになる」「手に落書きをしたら、怪我や病気かと思ってママびっくりしちゃうよ」など、落書きによって困る人がいると気づかせる対応がベストです。

まずは子どもの話を最後まで聞き、家族の気持ちを想像する関わりをすると効果的ですよ。

 

3-3.ママも一緒にお絵描きをしてお手本を見せる

何度注意しても壁や床に落書きをする子の中には、どこにどのように描いて良いのかわからない子もいます。そんなときは、ママが一緒に紙にお絵描きをしてみましょう。

お絵かき帳に、クレヨンやペンでママが絵を描いてみてください。ママが好きな絵、子どもからのリクエスト、どちらでも構いませんよ。

大好きなママが楽しそうに描く姿は、子どもにとって非常に嬉しく、真似したくなります。絵が苦手なママも、絵のスキルは一切関係ないので一緒に絵を描く時間を楽しんでみてくださいね。

そして、ママがお手本になり、絵は紙に描くことを伝えていきましょう。

 

3-4.子どもと一緒に落書きのお約束を決める

落書きをやめてほしいときは、子どもと一緒にお約束を決めるのもおすすめです。

3歳・4歳はお約束を1~2個、5歳・6歳は3~4個ほど決めると、しっかり覚えてくれますよ。

お約束は、簡単でわかりやすいものを考えましょう。
できるだけ子ども主体で決められると、納得して守ろうとしてくれます。

・お絵描きは紙に描く
・クレヨンを使うときはママにお知らせする
・段ボールに書きたいときはママに聞く
・体には書かない

など、子どもが理解しやすいシンプルなお約束がおすすめですよ。

 

4.子どもの落書き対策と消す方法


子どもが壁や床、家具などに落書きをしないように、日頃から対策をしておくとママも気を張らずに過ごせますよ。

ここでは、落書きの対策法と、落書きをしてしまったときの消し方をご紹介しますね。

 

4-1.書いて良いスペースを用意する

子どもは、書いて良い場所とだめな場所の区別が付かずに落書きをすることがあります。あらかじめ「ここは書いても良いよ」と場所を決めて、子どもに伝えてみましょう。

・壁1カ所に模造紙を貼る、またはホワイトボードを用意する
・水で書けるおえかきシートを用意する
・大きな段ボールをお絵描き専用に置いておく

このように、具体的なスペースを教えると子どもはしっかり理解してくれます。

自由に書いて良いスペースは子どもにとって特別な場所になり、思うがまま書けることはストレス発散にもなるでしょう。

 

4-2.筆記具や画材は片付けておく

クレヨンやペンは子どもが自由に取れない場所に片付けておくと、落書きの心配が軽減しますよ。

お絵描きしたくなったらママに教えてね、と子どもに伝え、そのたびに画材を渡してあげると良いでしょう。

 

4-3.簡単に落とせる水性のペンやクレヨンを用意する

ここ近年、水性タイプのクレヨンやペンが充実しています。水で落とせる商品は、油性のクレヨンやペンより圧倒的に落としやすくおすすめですよ。

油性と水性で書き心地に大きな差は感じられないので、興味を持ち始めた頃から気軽に使えます。

 

4-4.落書きしたときの効果的な消し方

落書きをしてしまったときは、すぐに消すのが大切です。

時間が経過してから落書きを消そうとしても、見えないほこりが落書きの上に重なり、落書きに調節アプローチしにくくなるので落としにくくなってしまいます。

落書きを消すのに効果的なアイテムを用意しておくと、もしもの特に役立ちますよ。

・メラミンスポンジ(クレヨン、油性ペン、水性ペン、ボールペンに効果的。床のワックスや壁紙の素材によって剥げるので注意が必要)

・クレンジングオイル(クレヨン、油性ペン、ボールペンに効果的。2度拭きしてオイルを綺麗に落とす必要がある)

・食器用洗剤(クレヨン、水性ペンに効果的。水を含ませず食器用スポンジでこすると良い)

・市販の落書き落とし(油性の汚れに効果的。商品によって使える素材が異なる)

壁や家具に子どもが落書きをして、筆者も必死に消しました。そのときに数多くの消し方を試したところ、上記の4つの方法が最も効果を感じられましたよ。

落書きした部分の素材によって使ってはいけないアイテムもあります。

素材を確認し、少しずつ試して問題がなけれ使ってみるのがおすすめですよ。

ぜひ参考にしてみてくださいね!

参照サイト
・永大ハウス工業「子供がつけてしまった家の中の落書きを上手に消す方法と対策方法」

 

5.子どもの落書きは気持ちを受け止めて成長を見守ろう

落書きには、子どものさまざまな心理が隠れていることがわかりました。

まずは、落書きしたかった子どもの気持ちを受け止めてあげると、ママが自分を受け入れてくれた!と子どもながらにしっかり感じ取りますよ。

子どもの年齢に応じた対応で成長を見守りながら、ママの適切な対策で困りごとを減らしていけると良いですね。

 

 

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