小麦粉粘土を作って遊ぼう!作り方や年齢別の遊び方を元保育士が紹介
この記事を書いた人
多村美穂
- 保育士
元保育士のWEBライターです。
保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。
現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。
保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!
手触りが良く、さまざまな形を作れる小麦粉粘土遊びは、子どもの創造性を育む知育遊びに最適です。
口に入れても安心・安全な上、家庭でも簡単に作れるので、日頃のおうち遊びに取り入れてみてはいかがでしょうか。
この記事では、小麦粉粘土の作り方や年齢別の遊び方、食育や手先の発達など、小麦粉粘土で遊ぶことで子どもにどのような効果があるのかを紹介します。
子どもと一緒に小麦粉粘土にチャレンジしたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.小麦粉粘土遊びがもたらす5つの効果
小麦粉粘土で遊ぶことは、子どもの成長に多くの効果をもたらします。
ここでは、5つの主な効果を見ていきましょう。
1-1.五感を刺激する
小麦粉粘土を触ったり、形を変えたりする過程で、視覚、触覚、嗅覚など五感が総合的に刺激されます。
親しい大人が繰り返し五感を刺激することで、子どもの脳は活性化されると言われています。
「パンと同じ匂いがするね」「やわらかいね」などと声をかけながら、一緒に感触遊びを楽しんでくださいね。
1-2.集中力を高める
小麦粉粘土遊びは、子どもの集中力を高める手助けもしてくれます。
粘土を自分の思い通りの形に整えるためには、じっくり時間をかけて取り組まなければいけません。
楽しみながら作品を作ることを通して、物事に没頭する力を身につけることができるでしょう。自然と集中力が養われ、根気強く取り組む姿勢も身につきます。
1-3.表現力を豊かにする
小麦粉粘土を使って作品を作り上げる過程で、自分の思いを形にする表現力を身につけることもできます。
作品作りを通してアイデアを出し、その思いを粘土で具現化する経験ができるからです。
また、「うまくできなかったな」「この部分を特に頑張って作ったんだよ」など、作品をきっかけに自分の思いを言葉で表すことで、言葉の表現力も育ちますよ。
1-4.食育につながる
小麦粉粘土遊びは、子どもの食育につながる可能性もあります。
粘土遊びを通して小麦粉が身近に感じられ、子どもはパンやめん類など小麦粉を使った料理にも興味を持ちやすくなるでしょう。
さらに、小麦粉粘土作りは実際の料理作りに共通する点が多くあります。小麦粉を計る、混ぜる、調整するなどの作業を通じて、調理の基本的な流れを体験できますよ。
1-5.手先が器用になる
子どもの手先が器用になるのも、小麦粉粘土遊びの効果の1つです。
小麦粉粘土をこねる、伸ばす、つまむ、形作るなどの動作を繰り返すことで、手指を使う機会が多くなります。手の筋肉を動かす練習になり、手先の器用さが育つでしょう。
さらに年齢が上がると、道具を使って小麦粉粘土で遊ぶようになり、より細かい作業を行う練習にもなります。
2.小麦粉粘土の作り方
小麦粉粘土は家庭にある身近な材料を使って手軽に作れます。さっそく作ってみましょう。
2-1.準備するもの
小麦粉粘土を作るために必要なものは以下の通りです。
<材料>
- 小麦粉:100g
- 食塩:少々
- サラダ油:少々
- 水:50cc程度(季節によっても硬さが変わるので調整しながら入れる)
- 食用色素:着色する場合に使用
<道具>
- ボウル
<その他>
- 新聞紙…机の上や周りに敷いて汚れを防ぐ
- エプロン…衣服の汚れを防ぎたい場合に着用
- ラップ・ジップロック…小麦粉粘土を保存する際に使用
材料さえそろえば、すぐに作り始められます。
食用色素は必須ではありませんが、色を付けると子どもの興味をひきつけられるでしょう。
2-2.4ステップで簡単!小麦粉粘土の作り方
小麦粉粘土は以下の4ステップで作ることができます。
<ステップ1>
ボウルに小麦粉と食塩を入れ、よく混ぜ合わせます。食塩は防腐剤の役割をしてくれますよ。
<ステップ2>
耳たぶくらいの柔らかさになるまで少しずつ水を入れましょう。水は一気に入れず、少しずつ足していくのがおすすめです。
粉っぽかったら水を、水っぽかったら小麦粉を少しずつ足しながら、硬さを調整していきましょう。
<ステップ3>
耳たぶくらいの硬さになったら、サラダ油を加えます。サラダ油は粘土につやを出し、まとまりをよくしてくれますよ。
<ステップ4>
しっかりこねましょう。小麦粉が手につかなくなったら完成です。
<色の付け方>
小麦粉粘土に色を付けたい場合は、以下の2通りの方法があります。
①完成した小麦粉粘土に食用色素を混ぜ込む
色むらができる可能性はありますが、手軽に色付けできます。
②小麦粉粘土を作る過程で、小麦粉や水と一緒に食用色素を投入する
1色ごとに混ぜる器が必要ですが、色むらが少なめに仕上がります。
食用色素がない場合は、粉末の青汁やカレー粉・インスタントコーヒーでも着色を楽しめますよ。
ただし、子どもが遊ぶ際に口に入れてしまう年齢の場合は注意が必要です。口に入れても安全なものを使いましょう。
2-3.小麦粉粘土の保存方法
小麦粉粘土は適切に保存することで、次回の遊びにも活用できます。
保存方法は簡単です。使い残した粘土をラップにくるんでジップロックに入れるなどして密閉し、冷蔵庫に入れるだけでOKです。
使いたい時に固まってしまっていても、水を加えたり、濡れ布巾でしばらく包んだりしておけば何度でも遊べますよ。
ただし、小麦粉粘土は食品でできているため、腐ったりカビが生えたりします。3日程度を目安にして、古くなった小麦粉粘土は処分しましょう。
遊ぶ前に、臭くなったり変色したりしていないか、親がチェックしてあげてくださいね。
3.【年齢別】小麦粉粘土の遊び方
ここからは、小麦粉粘土を使ったおすすめの遊び方を、年齢別に紹介します。
3-1.1歳~2歳
1~2歳頃は、小麦粉粘土を使って作品を作ることを目的とするのではなく、粘土の感触や匂いで五感を刺激し、手や指を使って自由に形を変えていく楽しさを体験させてあげましょう。
親が一緒に遊びながら、粘土を丸めて「お団子」、広げて「お煎餅」など簡単な形を作れば、子どもも真似して楽しんでくれますよ。
「叩くと平らになるね」「混ぜたら違う色になったね」など、色や形を意識した言葉がけをしてもいいですね。
3-2.3歳~4歳
3~4歳頃になると、手先が器用になってくるので、粘土遊びも一段と楽しめるようになります。この時期の子どもは、自分の作りたいものを作ろうとしはじめます。
道具を使うのも上手になってくるので、型抜きやストロー・ヘラなどを準備してもいいですね。
「おいしそうなケーキを作ろう」「カブトムシはどうやって作ればいいかな」と促しながら子どもの想像力をかき立て、作品を作ることで表現力を伸ばしてあげましょう。
作るのが難しいものは、あらかじめ親が作った完成品を用意しておくと、子どもはどのように作るとよいのか想像しやすくなりますよ。
3-3.5歳~
5歳を過ぎる頃になると、子どもの手先の器用さはさらに発達し、より細かい作業が可能になります。
本格的な作品も作れるようになるので、子どもと一緒に大きな作品を作り上げてみてはいかがでしょうか。
1つの作品に協力して取り組むことで、親子のコミュニケーションも活発になりますよ。
小麦粉粘土を作るところから子どもに任せてみるのもおすすめです。水の量や小麦粉の量を工夫しながら小麦粉粘土を作ったり、色を混ぜたりすることで、新たな発見があるでしょう。
3-4.できあがった作品をトースターで焼いてみよう
小麦粉粘土で作った作品は、トースターで焼くと2週間程度保存できます。
お部屋のインテリアとして楽しんだりおままごとに使ったりできるので、ぜひチャレンジしてみてください。
アルミホイルに完成した作品を並べ、低温(1000w以下)で10~15分ほど焼けば完成です。
作品の大きさで焼き具合が変わってくるので、焼く時間は作品ごとに調整してください。
「焼いたらどうなると思う?実験してみようか」と子どもに尋ね、知的好奇心を刺激してあげるのもいいですね。
焼きあがった作品に木工用ボンドを薄く塗ると、ツヤが出てきれいに仕上がりますよ。
4.小麦粉粘土で遊ぶ時のポイントや注意点
最後に、小麦粉粘土で遊ぶ時のポイントや注意点を紹介します。
4-1.机の上や床には新聞紙を敷く
小麦粉粘土で遊ぶ際は、机の上や床に新聞紙やビニールシートなどを敷いて遊ぶのがポイントです。
新聞紙を敷けば、机や床を汚す心配はありません。遊び終わった後は、新聞紙ごと粘土の残りを簡単に捨てられます。
事前の準備と後片付けが楽になるので、親の負担が減っておおらかな気持ちで子どもを見守れるようになり、子どもも気兼ねなく思い切り遊べるでしょう。
4-2.誤飲に注意
小麦粉粘土は食用可能な材料で作られていますが、大きな塊を誤って口に入れると窒息の恐れがあります。
遊ぶ際は子どもの様子を見守り、1人にしないようにしましょう。特に2歳頃までの子どもは手を口に運ぶ癖があるので、目を離さないようにしてください。
4-3.子どもにアレルギーがある場合
小麦粉粘土の主な材料は小麦粉と塩のため、子どもに食物アレルギーがある場合は注意が必要です。
子どもが小麦アレルギーの場合は、米粉で代用して粘土を作りましょう。
感触遊びを楽しみたい場合は、春雨や寒天を使っても楽しいですよ。
4-4.子どもが粘土を触りたがらない時の対処法
粘土遊びが初めての子どもは、なかなか粘土に手が伸びないかもしれません。
そのような時は無理強いをせず、まずは親が見本を見せながら楽しそうに遊ぶところを見せてあげてください。
子どもの興味をひきながら、自ら手を伸ばすのを待ちましょう。
細かい作業が苦手で粘土を触りたがらない場合には、粘土を丸めることから始めるなど、子どもの様子を見ながら無理のないペースで遊びを進めるのがおすすめです。
子どもの作った作品を褒めたり、リビングの目立つ場所に飾っておいたりすると、子どもに自信をつけさせることができますよ。
5.小麦粉粘土遊びを楽しみながら子どもの能力を伸ばそう
小麦粉粘土は作る喜びを味わいながら、子どもの成長に多くの効果をもたらしてくれます。
おうち時間を有効活用して、親子で一緒に楽しみながら子どもの能力を伸ばしていきましょう。
参考文献
・藤原 逸樹『粘土遊びの指導法に関する一考察』安田女子大学紀要 44,191-198 2015.
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