子どもが外遊びしたがらない!どうすればいい?現役ママが理由と対応法を紹介
この記事を書いた人
猪狩はな
- 司書教諭
- 中学校教諭
- 高等学校教諭
- 小学校教諭
- 保育士
2児ママ× 現役国語科教員×ライター!
持続可能に「好き」を楽しむ生き方をしたくて転職。
・国語科(専門は古典文学)
・私立中高一貫校講師、公立中学校フルタイム教員を経て私立高校講師として勤務
・3歳と5歳の男児を育児中
キャリアに悩む人の助けになれるような発信を目指しています。
- 外で体を動かした方がいいということはわかっているけれど、子どもが外に出たがらない
- どうしてうちの子は外遊びを嫌がるのだろう?
- 子どもを外遊びに誘ううまい方法があれば知りたい
そんなお悩みをお持ちの方へ。
この記事では、子どもが外で遊びたがらない心理についてまとめています。
外遊びに誘うときのヒント、外遊びしないことで悪影響があるかについても紹介しているので、子どもの外遊びについて不安のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.子どもが外遊びをするメリット
子どもの外遊びには、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、主な4つのメリットをご紹介します。
1-1.知力、体力が身につく
外へ出ると、家の中では出会えないさまざまなものと出会えます。
「あれはなんだろう」「どうやって遊ぼうかな」と、見て体験することは、子どもにとって大きな学びとなるでしょう。
また、体を自由に動かして遊ぶことで、体力をつけることもできます。
外遊びは、頭も体も成長できる遊びであると言えます。
1-2.五感が刺激される
外からの情報で、五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)が刺激されます。
家の中で受ける刺激は、ある程度同じものに固定されがちです。外であれば、季節や天気によっても様子が変わったり、行く先々でさまざまな新しい情報と出会えます。
五感が刺激されることで、豊かな感性を育む一助にもなるでしょう。
1-3.自然に触れられる
外に出ることで自然に触れられるというのも、メリットの1つです。
- 季節によって移り変わる木々や花
- 虫や動物など、生き物との触れ合い
- 山や海などの自然
こういった自然環境との関わりは、家の中では出会えない外ならではの楽しさと言えます。
1-4.コミュニケーション能力が身につく
外に出ると、家族や先生以外の人たちと関わる場面も増えます。
同年代の子、年下の子、年上のお兄さんお姉さん、お友達の保護者や地域の方などと関わることで、コミュニケーション能力を身につけることができます。
幼児期に外で遊ぶ経験が学童期の行動に与える影響についての研究では、幼児期に外で遊ぶ機会が多い子どもほど、友達や先生と積極的に関わり、学校生活で活発に活動する傾向があることが示されています。(※1)
2.子どもが外で遊びたがらない理由
外遊びが嫌いな子どもは、なぜ外に出たがらないのでしょうか?考えられる理由をご紹介していきます。
2-1.外への不安が強い
まず考えられるのは、「外の環境に対する不安が強い」という可能性です。
外の世界は成長にプラスになる一方、子どもによっては刺激が強すぎたり、慣れていないために怖くなってしまったりする場合があります。
- 音
- におい
- 車通りの多い道路
- 人がたくさんいる場所
など、家の外の環境に対する不安が強く、外に出たくないと感じているのかもしれません。
2-2.気候が気になる
外の刺激は、人工的なものだけではありません。暑さ・寒さのような気候や、砂ぼこりや風が苦手な子もいるでしょう。
理由が気候の場合、着るものや出かける時間帯等を調整すれば、前向きに出かけられる場合もあります。
2-3.友達と関わりたくない
公園や公共施設などでは、他の子どもたちと関わる場面も多いです。
そういった「周りの人との関わり」に抵抗がある、コミュニケーションに苦手意識がある、といったケースも考えられます。
2-4.運動したくない
「運動したくないから家にいたい」と考えている可能性もあります。
外で動くことに苦手意識があったり、疲れるから体を動かしたくないと考えていたりする場合もあるでしょう。
2-5.家の居心地がいい
家で過ごす時間が好きで、居心地がいいから出たくないと考えている子もいます。
なにか家でやりたいことがある、過ごしやすい、ふだん忙しく過ごしているから家でのんびりしたいなど、外よりも家が魅力的に思える理由があるのでしょう。
2-6.外でできることが制限されている
ボール遊び禁止、大声禁止など、子どもたちがのびのび遊べる場所が減っている現状があります。
外で「あれはダメ、これはダメ」と制限を気にしながら遊ぶよりも、家でのびのび遊べたほうがいいと感じるパターンも考えられます。
3.子どもは外遊びをしないとダメ?
子どもが外遊びを嫌がり、家で過ごす時間が長い場合「また外で遊ばせてあげられなかった」と罪悪感を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもは絶対に外遊びをしないとダメかというと、決してそうではありません。室内で過ごす時間にも、プラスの面があります。
3-1.室内遊びを楽しんでいる例
家でできる室内遊びが好きな子の例には、以下のようなものが考えられます。
- お菓子作りや料理を楽しんでいる
- 本が大好きで、何冊も読破している
- 興味のあることについて、自分で調べて学んでいる
- ブロックやマインクラフトでプログラミングのスキルを磨いている
- 好きな分野の動画を見て、知識を深めている
- お絵描きやワーク、工作など、家でできるクリエイティブな活動が好き
無理に外に連れ出すのではなく、まずは本人が好きなこと、やりたいことに寄り添い、思い切り楽しめる環境を作ってあげることが大切です。
好きなこと、得意なことは子どもそれぞれで異なります。「室内遊びはダメ」「外遊びをしないとダメ」と一概に言うことはできません。
3-2.動かない「外遊び」もあり
身の回りの興味のあるものを探したり、ゆっくり景色を楽しんだりするようなのんびりとした「外遊び」もぜひ検討してみてください。
- 公園で宝物探し
- 近所を探検
- 親子でお散歩
- 家族でお買い物
- 外の景色を楽しみながらスケッチ
外遊びといえば、体を動かして元気に遊ぶイメージがあるかもしれません。しかし、親子でのんびり外の時間を楽しむのも外の世界と触れるきっかけになります。
4.外で遊びたがらない子どもへの対応で注意すべきこと
では、外遊びをしたがらない子どもに声をかける際には、どのようなことに配慮すればよいのでしょうか。
ここでは、子どもへの対応で気をつけるべき点を4つにまとめました。
4-1.本人が好きな遊びを否定しない
- 嫌がる子どもを無理やり外に連れ出す
- 家で楽しんでやっている作業を途中で止めさせる
- 子どもが好きな家遊びを否定する
といった、子どもが夢中になっているものを否定する言動は控えましょう。親子の信頼関係が損なわれる可能性があります。
まずは子どもの気持ちに寄り添い、のびのびと好きなことを楽しむ時間をもつことが大切です。
4-2.外に行きたくない気持ちを否定しない
子どもが外に行きたくないと感じている気持ちを否定しないようにしましょう。
- なぜ不安なのかを本人から聞き取る
- 対策できることであれば対応する、本人と対応方法を話し合う
- 子どもの気持ちに寄り添い、無理に連れ出さないと約束する
- 外に出たときに、子どもが「帰りたい」と言った場合、なるべく早く帰る
など、子どもの嫌なことを無理にさせないこと、気持ちに寄り添う姿勢をもつことを心に留めてみてください。
4-3.「家遊びに集中できる子」とプラスに捉える
「家の中で集中してなにかに取り組める」ことも素敵なことです。
根気強さや集中力があるからこそ、室内遊びに夢中になれると捉えてみてください。
子どもが好きなことに夢中になれるのであれば、それが外遊びか家遊びかは大きな問題はない、と考えることもできます。
4-4.現代の「環境」も考慮する
どうしても思い悩んでしまう場合には、ぜひ現代の子どもたちが置かれている環境にも目を向けてみてください。
ゲーム、アニメなど、室内で楽しめる面白いものが大量にある時代です。
「うちの子は外遊びができていない」「親の声かけが悪いのかもしれない」と思いつめないことです。
子どもが好きな室内遊びを親子で一緒に楽しんでみると、親の視野が広がったり、見方が変わるかもしれません。
5.外遊びが嫌いな子どもへのアプローチ方法
そうは言っても、親としては「少しでも外遊びに出かけたほうがいいのでは…」という思いで試行錯誤している場合も多いと思います。
外遊びに興味を持ってもらうためには、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。
5-1.興味のあるものに関連させる
子どもが興味のあるものに合わせて、外遊びに誘ってみましょう。
例えば以下のような声かけはいかがでしょうか。
■生き物が好き
- 外に持ち運べる図鑑や本を一緒に選び「外で一緒に探してみよう!」と誘う。
- 虫取り網やカゴを用意して、昆虫採集に行く。
■乗り物が好き
- 三輪車やストライダーなど、外で遊べるおもちゃを提案する。
- 好きな乗り物を見に行こうと声をかける。
■アニメが好き
- 好きなアニメに出てくる場所に出かける。
- 好きなアニメのイベントに誘う。
■お菓子が好き
- お菓子を作ろうと誘って、一緒に買い出しに行く。
- お気に入りのお菓子をお店に探しに行く。
5-2.人が少ない場所を選ぶ
人がたくさんいる場所が苦手なら、人が少ない場所を選んで誘ってみるのもオススメです。
- 人がいない時間帯に公園に行く
- 人通りの少ない道で散歩する
- 同じ場所に何度も通って慣れる
少しずつ外の世界に慣れていくために、スモールステップで行動してみましょう。
5-3.具体的に誘う
外でどのように遊べばいいのかわからない、どのような楽しいことがあるのか思い浮かばない、という子もいます。
「具体的に外でなにをするのか」を提示して誘ってみましょう。
- 「公園に行こう」 →「公園ですべり台で遊ぼう」
- 「散歩に行こう」 →「かっこいい石を探しに行こう」
我が家の長男5歳は生き物が好きなので、本屋で選んだポケット生き物図鑑を持って散歩に出たり、生き物ビンゴを作って外に誘ったりと、小道具を使うことが多いです。
一方の次男3歳は食べることが好きなので「一緒にスーパーに行って、今日のご飯の材料を選ぼう」と声かけすることもあります。
子どもがなにが好きか、なにが苦手かをよく観察し、できるところから一緒に取り組んでみるとよいでしょう。
6.外遊びが苦手でも大丈夫!まずは子どもの「好き」を伸ばそう
「どうしてうちの子は、他の子と違って外で遊ぼうとしないんだろう?」と、ついつい周りと比べて不安を感じることがあるかもしれません。
しかし、子どもの興味や関心、好きなことや得意なことは一人ひとり違います。ぜひ、子どもの個性を温かく見守ってみましょう。
まずは子どもの好きなことを見つけ、その興味を育てていくことが大切です。
参考文献
※1:酒井 真由子・西 朋子・山口 美和 ,『幼児期における外遊びの経験が学童期の活動性に及ぼす影響』,上田女子短期大学紀要第四十四号 2021
おすすめの関連記事はこちら
・外遊びのメリットとは?運動神経を伸ばす外遊び5選と子どもとの関わり方を解説
・子どもロコモの解決策7選を保育士が紹介!運動不足をカンタンに改善しよう
・親子の散歩はメリットいっぱい!好奇心を育むコツと現役ママの体験談を紹介