子どもが椅子に座る習慣を身につけるには?キッズチェアの選び方も紹介
この記事を書いた人
よつば
- 幼稚園教諭
- 小学校教諭
- 保育士
幼稚園で2年、保育所で3年の勤務経験があります。
現在は小学2年生の息子と4歳(年少)の娘の子育てをしながら、記事執筆をしています。
毎晩寝る前に子ども達に絵本を読み聞かせるのが日課です。
「子どもが椅子に座ってくれない」「椅子に座る習慣をつけてほしいけれど、どうしたらいい?」、このような悩みをお持ちではありませんか?
小学校の授業では、椅子に座って授業を受けることが求められるため、幼児期から少しずつ椅子に座る習慣をつけることが大切です。
また、椅子に座る習慣をつけることは学校での学習だけではなく、お絵かきなどの遊びや外出先など様々なシーンで役立ちます。
この記事では子どもが椅子に座る習慣を身につけるためのコツや親の関わり方、子どもが座りやすい椅子の選び方をご紹介します。子どもが椅子に座ってくれないとお悩みの方はぜひ参考にしてくださいね。
目次
1.子どもが「椅子に座る習慣」を身につけると良い理由
特に小学校入学前の子どもの場合、座っていることが苦手な子も珍しくありません。子どもが椅子に座る習慣を身につけることは、学習面や身体的な面で良い効果が期待できます。
ここでは、子どもが椅子に座る習慣を身につけるとどんなメリットが期待できるのか、その理由を詳しく解説します。
1-1.小学校で授業を受ける時に困らない
小学校では、椅子に座って授業を受けることが求められます。そのため、椅子に座る習慣を身につけておけば、小学校に入学しても困ることが少なくなります。
幼稚園や保育園では、長時間椅子に座る機会は少ないため、小学校に入学していきなり椅子に座る生活を求められるのは、子どもにとって大きな負担です。
また、授業中に椅子に座れないと先生に注意される機会も増えるため、小学校や学習に苦手意識を持ってしまう可能性もあります。そのため、幼児期から椅子に座る習慣を身につけておくと、小学校への適応がスムーズになり、子どもの負担も少なくなるでしょう。
1-2.学習の習慣づけにつながる
次に、椅子に座る習慣を身につけることは、学習の習慣づけに役立つという理由があります。学習の習慣づけをするためには、まず集中できる場所と時間を確保することが重要です。
毎日、短時間でも椅子に座る時間を作ることで、学習に集中しやすい環境を整えることができます。この集中した時間を積み重ねれば、子どもは達成感を実感し、意欲的に学習に取り組むことにもつながります。
また、「椅子に座る=学習に集中する」という意識づけができると、他の活動から学習への切り替えがしやすくなるでしょう。
1-3.姿勢が良くなる
椅子に座る習慣は、良い姿勢を保つことにも役立ちます。椅子に座る習慣がなく、床に座ったり寝転ぶ機会が多いと、良い姿勢を維持するのは難しくなります。姿勢が悪いと、骨格のゆがみや視力の低下などにつながる恐れもあります。
また、悪い姿勢のまま座ると、疲れを感じやすく、学習へも集中しにくくなるでしょう。良い姿勢をキープして座る習慣を身につけることで、身体面や学習面に良い影響を与えることにつながります。
参考:子供の体幹を鍛える研究~正しい姿勢のもたらす教育的効果の検証~
2.椅子に座る習慣を身につけるためのコツ
椅子に座る習慣を身につけるためには、ただ座る練習をするだけでは難しいです。まずは子どもが楽しんで座ることを大切にしましょう。
ここでは、子どもが椅子に座る習慣を身につけるための3つのポイントをご紹介します。
2-1.短い時間から始める
まず、椅子に座る練習は短い時間から始めましょう。
小学校の授業時間は45分間ですが、いきなり45分間座る練習をしても、子どもは疲れてしまいますし、座ることに苦手意識がついてしまう可能性もあります。
特に座るのが難しいと感じる子どもに対しては、最初はわずかな時間からはじめても構いません。
たとえば、5分間だけ椅子に座る練習を行うだけでも、十分に意味があります。
子どもに無理のない範囲で座る習慣をつけていくことで、子どもは達成感を感じられて、座っていられる時間も少しずつ延びていくでしょう。
2-2.座ってできる遊びをする
座る練習をする際は、子どもが集中できる遊びを用意しましょう。何もせずにただ座っているのは大人でも苦痛なものです。
まずは、子どもが遊びに集中することで、無理なく座る練習を試していきましょう。座ってできる遊びは、お絵かきや塗り絵、パズル、工作など、集中力を必要とする遊びが適しています。
一番重要なのは、子どもが楽しんで取り組むことです。子どもの好きなものや興味のあることに集中すれば、自然と椅子に座る時間が長くなっていくでしょう。
2-3.子ども専用のキッズチェアとキッズテーブルを用意する
子ども専用のキッズチェアとキッズテーブルを用意することも、椅子に座る習慣づけに役立ちます。
椅子に座って遊んだり学習したりする際、リビングやダイニングのテーブルだと、関係のないものが目に入ってきてしまい、集中力が続かないことがあります。そのため、子ども専用のキッズチェアとキッズテーブルを用意することで、より集中して取り組めるようになります。
また、「自分専用」のものは愛着がわきやすいものです。自分専用のキッズチェアとキッズテーブルがあれば、喜んで椅子に座ることも期待できるでしょう。
3.椅子に座るのを嫌がる場合の対処法
子どもが椅子に座る練習をする際、嫌がったり座ろうとしなかったりする場合どうすればよいのでしょうか?大切なのは、子どもの無理のない範囲で練習を進めることです。
ここでは、子どもが椅子に座るのを嫌がる場合の関わり方を解説します。
3-1.子どもができていることを褒める
まず心がけたいのは、子どもができていることに注目してたくさん褒めることです。たとえ短い時間しか座っていられなかったとしても、座っていられたことを認めて褒めてあげましょう。
「〇分も座っていたよ!」「がんばったね!」と言葉にして、子どもにできていた内容を伝えるのが大切です。
言葉にして認めることで、子どもは達成感を味わえて、楽しんで椅子に座ることにもつながるでしょう。
3-2.親も一緒に座る
子どもが集中できていない、不安そうにしていると感じる場合は、親も一緒に座ってみましょう。親が一緒に座って遊んだり、会話を楽しんだりすれば、子どもたちは自分が受け入れられ、理解されていると感じます。
その安心感が、子どもの不安な気持ちを和らげ、椅子に座って静かに過ごせる状態につながっていくでしょう。
親が隣に座りながら、別々のことをしていても構いません。親が本を読んだり、自分の作業に没頭している場合でも、子どもは親の存在を感じ取れます。親がそばにいること自体が子どもにとって心強いサポートとなり、遊びや学習に集中できるようになるのです。
3-3.無理やり座らせない
子どもが椅子に座ることを嫌がり、拒否する場合は、無理に座らせようとしないことも大切です。
子どもの気分が乗らないときに無理やり座らせてしまうと、子どもは椅子に座ることに嫌なイメージを持ってしまい、その後も椅子に座るのを嫌がるかもしれません。
椅子に座ることを嫌がる場合、まずは子どもの気持ちや意見に耳を傾け、どのような理由で嫌がっているのかを理解しましょう。例えば、「今は別の遊びをしたい」という理由なら、その遊びが終わった後に椅子に座ってみることを提案するのも良いでしょう。
どうしても嫌がる場合は、一度椅子に座ることを辞めてしまうのも一つの方法です。その後、子どもの様子をよく観察し、座れそうなタイミングで誘ってみるとスムーズに椅子に座れる場合もあります。
4.子どもが座りやすい椅子の選び方
子どもが椅子に座る習慣を身につける際、どのような椅子に座るかが非常に重要です。子どもの体や環境に合っていない椅子だと、長く椅子に座るのが難しいこともあります。
そこで、子どもが座りやすい椅子の選び方のポイントをご紹介します。
4-1.椅子を使用する場所に合わせて選ぶ
子どもが座る椅子を選ぶ際には、まず子どもが家庭内のどの場所で座るかを決め、その場所に適した椅子を選びましょう。使用する場所に合った椅子を選べば、子どもが快適に座ることができます。
例えば、ダイニングテーブルで椅子を使用するなら、ハイチェアが適しています。ハイチェアは、テーブルに合わせて高さ調節ができるため、子どもが適切な姿勢を保つのに役立ちます。
一方で、リビングエリアのローテーブルやキッズテーブルを使用する場合は、ローチェアが適しているでしょう。ローチェアは低い座面を持ち、特に年齢の低い子どもでも安全に座ることができます。
4-2.足がぶらぶらしない椅子を選ぶ
子どもが椅子に座る際、足がぶらぶらせずにしっかりと地面に足をつけて座れるかどうかに注目して、椅子を選ぶことが大切です。
足がぶらぶらしてしまうと、正しい姿勢を維持するのが難しくなります。適切な姿勢を保てないと、集中力が低下する可能性があり、その結果、長時間椅子に座ることが難しくなるかもしれません。
特に、高いテーブルを使用する場合、注意が必要です。ダイニングテーブルなどの高いテーブルを使用する際には、子どもの足がしっかりと床につけられる椅子を選びましょう。
ダイニングテーブルで使用するハイチェアを選ぶ際には、足置きが付いているものを選ぶのをおすすめします。また、足置きの位置が調節可能なハイチェアを選べば、子どもの成長に合わせて長期間使用することも可能です。
5.日常の中で楽しく椅子に座る習慣を身につけよう
小学校の授業を受ける際、まず最初に求められるのは「椅子に座ること」です。また、小学校の学習にとどまらず、遊びの場面などでも椅子に座る習慣は役立ちます。
そのため、幼児期から少しずつ椅子に座る習慣を身につけるようにしていきたいですね。この記事を参考にして、お子さまと一緒に楽しみながら椅子に座る習慣を育ててみてくださいね!
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