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非認知能力で子どもの人生の「豊かさ」が決まる?幼児期の親子の関わりが何よりも大切

「○○な子」に育ってほしい

「良い子に育ってほしい」
「性格のいい子に育ってほしい」
「頭のいい子に育ってほしい」
「自分の好きなことに努力して粘り強く取り組める子になってほしい」

思い描く子どもの姿は様々でも、「○○な子」に育ってほしい、という思いは、多くのパパ・ママが持つものではないでしょうか。
それはひとえに、子どもに豊かな人生を送ってほしいと願うからでしょう。

では「○○な子」に育つには、どのような育て方・関わりが大切なのでしょうか。

それをはじめから知っていて、実践できる人はほとんどいないでしょう。
子どもにとって、世界のすべてが新しく知ることであるように、親にとっても子育ては初めての連続ですよね。

そんな中で「○○な子」に育ってほしいと、子どもに向き合い試行錯誤しているパパ・ママは本当に頑張っています。
CONOBASはそんなパパ・ママの支えとなるために、「○○な子」を育てるための大切なポイントについてお伝えします。

(文責:CONOBAS編集部)

 

 

目次

 

1.その子の人生の豊かさは「非認知能力」に左右される

非認知能力という言葉を聞いたことがありますか?
非認知能力とは、読み書き能力や、学力といったいわゆるテストで測れる知能ではない能力のことを指します。

例えば、根気強さ、意欲、自制心、自信、他者と協力する力など様々な能力のことであり、社会的・情動スキルとも呼ばれます。

この非認知能力は、子どもの将来の学業への取り組み、大学進学や就労、所得、健康度など、人生の豊かさに大きく影響することが研究で分かっています。
つまり「頭のいいこ」「努力できる子」などの「○○な子」というのは、非認知能力に根差しているのです。

 

2.非認知能力を育む重要な要素は家庭での関わり

それでは非認知能力を育むためにはどうすればいいのでしょうか。

例えば足し算を習得しようと思ったときに、計算ドリルに取り組む場面を想像することができますよね。
一方で、子どもに「自信」や「意欲」を持ってほしいと思ったときには、決まった教材や決まった取り組みがあるわけではありません。

例えば、子どもが安心できるひとに見守られながら小さなチャレンジをして成功体験を重ねること、これによって少しずつ自分に自信を持つようになり、自信が出てくると「やってみたい!」という意欲も生まれます。
つまり、認知能力と異なり、非認知能力は「どのような環境に子どもがいるか」に大きく左右されるのです。

そして幼児期の子どもにとって、初めて接する、そして一番大きな影響を及ぼす環境は「家庭」です。

現在、非認知能力を育む「決まったやり方」はありません。
しかし親の関わりが子どもの能力に大きな影響を与えることはわかっています。

ここでは例として、子どもたちが受けるストレスや不安と保護者の関わりについての事例を紹介します。

実は、子どもの発達を最も左右するのはストレスといわれており、特に幼児期に経験する大きなストレスは子どもの感情や認知に関わる脳の発達を妨げます

例えば虐待やネグレクト、もう少し軽度のものであれば両親の喧嘩などにさらされていた子どもは、その後認知機能の発達遅れや社会的機能の障害が見られることがわかっています。

 

反対に、子どもがストレスにさらされ、怖がったり、癇癪を起したりしたときに、適切な対応で落ち着くようなサポートができると、その後の子どもストレス対処能力は大きく成長することにつながります。

これは粘り強さなどの成長に大きく影響し、不慣れな状況でも試行錯誤しながらうまくこなしていくといった、学校生活や社会でのふるまいに役立っていくのです。

 

つまり幼児期の子どもにとっての「環境」、すなわち「家庭」が子どもの非認知能力に大きな影響を与えていくのです。

 

3.非認知能力は認知能力の土台となる

「非認知能力が重要なのは分かったけれど、学力や頭の良さに幼少期からアプローチするのも大事なのでは?」と思われた方もいるかもしれません。

学力などの認知能力も幼児期に発達し、その発達は家庭環境によって左右される部分があります。
例えば、小学校入学時の子どもの語彙は、保護者の語彙数や読み聞かせの分量などに影響を受けることが分かっています。

幼児期についた差は、学校の授業だけで縮めることは難しく、さらに学歴が就職や所得に少なからず影響を与える社会であることも確かです。

そしてこの「認知能力」を支えるものこそが「非認知能力」なのです。

例えば小学校での学習を考えてみましょう。
算数ができるようになるには、ただ算数の定理を理解する力だけでなく、「新しく学ぶことに興味を持って取り組む」「難しいことに粘り強く取り組む」力なども大切です。
そのような力が子どもの学習を後押し、継続につながることは想像しやすいのではないでしょうか。

 

そしてこの図にあるように、「粘り強さ」や「意欲」も、一見関係の無いように見える「親子の愛着」や「自制心」が土台となって育まれていきます。
つまり幼児期に育まれる一つ一つの非認知能力が他の非認知能力をもたらし、さらに、認知能力を含めた将来の能力を育てていくのです。

 

4.なぜ幼児期なのか:幼児期の非認知能力へのアプローチは費用対効果が高い

ここまで非認知能力の大切さや、幼児期の家庭での関わりが非認知能力に与える影響についてお話してきました。

「幼児期を過ぎてしまったら、どんなに子どもの能力にアプローチしても意味はないの?」そんな疑問をもたれた方もいるかもしれません。

例えば小学生になり、中学受験をしようと受験塾に通わせるのは意味が無いのでしょうか。
勿論そんなことはありません。

ですが、幼児期のアプローチをおすすめする大きな2つの理由があります

ここで述べる投資とは単純に金銭の話だけではなく、パパ・ママが使う時間なども含みます。

 

幼児期の働きかけは効果が大きい

幼児期の子どもの脳はやわらかく、他のどの時期よりも環境からの影響を受けやすいことが分かっています。

この時期は、読み書き計算、学校内外で生きていくための様々な力を支えることになる神経系の基盤が形成の途上にあり、最も非認知能力を養うことができる時期なのです。

つまり、後々にこの能力を伸ばそうとしても効果が小さかったり、幼児期以上の働きかけや投資が必要となる可能性があります。

 

土台が強固だと、後の投資から得られるものが大きい

先ほどの積み木の図を思い出してみましょう。

もし土台が小さかった場合、どんなに上に大きな積み木を積み上げようとしても乗せることはできません。

つまり、幼児期にこの土台を強固なものにしておくことで、他の能力を育む際に同じ投資、もしくは少ない投資でも大きな能力が得られる可能性があるということです。

 

他にも幼児期のアプローチをおすすめする理由として、一つの実験をご紹介します。

こちらは「ペリー就学前プロジェクト」という研究の結果を表したグラフです。

この研究では就学前の幼児を対象に、非認知能力を育てることに重きをおいたプログラムを実施し、その後40歳まで追跡調査を行っていました。

結果として、プログラムを受けた子どもたちの方が、学力や収入が高い傾向があることが示されています。

このような理由から、幼少期に子どもの非認知能力に働きかけることが、その子の可能性を大きく広げていくことにつながると考えられます。

 

5.CONOBASがパパ・ママに届けたいこと

ここまでパパ・ママが思い描く、「子どもの人生を豊かにする」ために大事なカギとなるポイントについてお伝えしてきました。

ここでお伝えしたかったのは「非認知能力」という言葉そのものでもなく、特定の子育て方法でもありません。

例えば東大にお子さんを進学させたママ・パパの子育てをそのままそっくり真似すれば、すべての子どもが東大に行けるでしょうか。
そうとは限りませんよね。

子ども一人一人に個性があり、家庭の環境も様々です。
大切なのはある決まったやりかたそのものではなく、まずは「どんな理由で」「何が大切なのか」を知り、何よりも温かく、子どもに向き合った関わりをしていくことです。

冒頭で”「○○な子」が育つための育て方・関わりをはじめから知っている人はほとんどいない”と書きましたが、意識をしていないだけで、パパ・ママは既に子どもにとって良い影響を与える温かい関わりをしています。

その場面を増やしていくことが、子どもの生きる力を養うことにつながるのです。

CONOBASでは、そんな子どもの非認知能力を育む関わりについて「子育てのヒント・情報」を提供し、パパ・ママに選択肢を届けるだけでなく、共感できる体験や気づきを提供していくことで、パパ・ママの心に寄り添いサポートしていきたいと考えています。

大切な幼児期にこそ
・お子さんの発達について知ること
・お子さんとの向き合い方について考えること
・様々な関わりを実践してみること
に投資してみませんか?

 

参考文献
・『幼児教育の経済学 』ジェームズ・Jヘックマン (著), 大竹文雄 (解説), 古草秀子 (訳)
・『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む 』ポール・タフ (著), 高山真由美 (訳)

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