どんぐり・松ぼっくり…秋の自然物を使った保育の製作アイデア4選
この記事を書いた人
佐藤
- 社会福祉士
- 幼稚園教諭
- 保育士
保育・福祉関係の大学卒業後認定こども園に勤務。
多様な教育を学ぶため、シュタイナー園で働いた経験もあります。
現在は妊活をしながらフリーライターをしています。
好きなことはギターと絵を描くこと。自分の経験を生かした発信に挑戦中です。
子どもが拾ってきた秋の自然物で一緒に遊べたら素敵ですよね。
一方で、「子どもが拾ったどんぐりを遊びに使いたいけれど、どうしたらいいかわからない」「秋ならではの自然遊びを楽しみたいけれど何をしていいかわからない」など、お悩みはありませんか?
この記事ではどんぐりや松ぼっくりを使った秋の製作アイデアや下処理の仕方について紹介します。秋の自然物を使った製作に多く取り組む園に勤めていた保育士である筆者が、お家でもできる簡単な製作遊びを解説しましょう。
ぜひお子さまと一緒に秋の自然に親しみながら製作遊びを楽しんでください!
目次
1.自然物で遊ぶメリットは何?
親子で自然物を使って遊ぶメリットは2つあります。
- 子どもが自然物に興味を持つきっかけになる
- SDGsに繋がる
自然物を使った活動は社会でも注目されているSDGsに関係しています。しかし「SDGsの名前はよく聞くけれど内容はよくわからない」という人もいるかもしれませんね。
ここから1つずつ詳しく解説していきます。
1-1.子どもが自然に興味を持つきっかけになる
自然物で遊ぶことで、子どもが自然に興味を持つきっかけになります。製作の材料になるどんぐりや松ぼっくりを自分で拾いに行くことは、自然に触れるチャンス。
拾い集めることを楽しみながら「どんぐりの葉っぱはギザギザだね」「どんぐりの木はどれかな?」と子どもに声を掛けてみましょう。周囲の自然環境にも興味を持つことで、より自然への親しみが深まりますよ。
製作の前に、どんぐりや松ぼっくりの形を親子でよく観察してみましょう。子どもが発する「なぜ?」「なんで?」という疑問に答えたり、一緒に考えたりすることで、子どもの自然への興味関心が高められるでしょう。
1-2.SDGsに繋がる
自然物を使って遊ぶことはSDGsに繋がります。そもそも「SDGs」とは持続可能な社会を目指すための目標です。
たとえば、おもちゃをお店で買わずに身近にある素材で作ることで、社会や自然に対する大人の姿勢を子どもに示せます。「身近にあるものでも遊べるんだよ」「壊れたら直して遊べばいいんだよ」と子どもに伝えながら行うとよいでしょう。
また3歳以上になると身近な物への興味関心が深まります。自然物を使った遊びをきっかけとして自然環境について親子で考えてもいいですね。
2.自然物で遊ぶときの注意点はある?
自然物で遊ぶときの注意点は2つあります。
- 誤飲やけがに気を付ける
- 持って帰ってきたら早めに下処理をする
どんな遊びでも安全に楽しみたいですよね。自然物で遊ぶときに特に注意してほしいポイントをここから紹介していきます。
2-1.誤飲やけがに気を付ける
自然物で遊ぶときは誤飲やけがに気を付けましょう。特にどんぐりは小さく、子どもがかんたんに飲み込めてしまいます。兄弟で0~2歳の小さな子どもがいる場合は、安全に遊ぶために以下の2点を徹底すると安心です。
- 自然物を小さな子どもの手の届かないところに置く
- 遊び終わったらすぐに片づける
自然物の管理に気を付けることで誤飲を未然に防げます。またどんぐりの先端は尖っていて危険です。筆者自身、床に落ちたどんぐりが足に刺さって出血してしまったことがあります。どんぐりで出血するとは思っていなかったので衝撃的でした。
自然物で怪我をしないために以下の3点に気を付けるとよいでしょう。
- 尖っている部分は紙やすりで削る
- 尖っている部分をこまにするなど先端がとがったままにしておく場合は、危険なことを遊ぶ前に子どもに伝えておく
- 遊んだ後は片付け、床に自然物が落ちたままにしない
小さなおもちゃや尖ったものを足で踏んで、痛い経験をしたことがある方は多いと思います。安全に自然物で遊べるように、事前準備や片付けを忘れずに行いましょう。
2-2.持って帰ってきたら早めに下処理をする
自然物を持ち帰ったら早めに下処理をしましょう。どんぐりの場合は表面に穴が開いていなくても、中に虫がいる場合があります。放っておくとどんぐりの中身を食べ、中から出てきてしまいます。
また風通しの悪い場所に置いておくとカビが発生することもあるんです。自然物を持って帰ってきたら早めに下処理をすることが肝心です。
きれいに下処理をして衛生的に長く遊べるようにしてあげましょう。
3.どんぐりと松ぼっくりの下処理の仕方
どんぐりと松ぼっくりを使って遊ぶ前に下処理を済ませましょう。どんぐりは茹でて処理する場合と冷凍する場合があります。
ここから1つずつ処理の仕方を紹介していきますね。
3-1.松ぼっくりの下処理の仕方
松ぼっくりの処理の仕方はかんたんで工程は2つだけです。
- 松ぼっくりを水で洗い、汚れを落とす
- 風通しのよいところに広げて乾かす
松ぼっくりは水分を含むと傘が閉じてしまいますが大丈夫です。十分に乾燥すると元通りになりますよ。
水分量による見た目の変化を子どもと一緒に楽しんでもいいですね。
3-2.どんぐりの下処理の仕方
どんぐりの下処理の仕方は2種類あります。
最初に水で洗う工程は一緒ですが、その後の処理がちがいます。
- 鍋で煮る方法
・水でよく洗ったどんぐりを鍋で煮る。
・鍋で4~10分煮た後、ざるにあげる。(小さなものは4分程度、大きなものは10分程度)
・風通しの良いところでよく乾かす。茹ですぎると割れてしまうどんぐりもあるので、鍋の近くで見守りながら作業するといいでしょう。
料理用の鍋でどんぐりを煮ることに抵抗がある方は、どんぐり用の鍋を準備して茹でてくださいね。 - 冷凍する方法
・どんぐりを水で洗った後、水気をよく拭きとる。
・袋に入れて冷凍庫に入れ、冷凍する。
・使う前に冷凍庫から出し、風通しの良いところでしっかり解凍する。手軽にどんぐりの下処理をしたい方には、冷凍する方法がおすすめです。
ただし凍ったままだと製作に使えないので、事前に解凍することを忘れないようにしましょう。どちらの方法でもカビが生えないように、最後は風通しの良い場所でどんぐりを乾かしてくださいね。
4.秋にぴったり!どんぐりと松ぼっくりを使った製作4選
秋ならではのどんぐりと松ぼっくりを使った製作4選を紹介します。
作り方と一緒に、製作中の注意点にも触れています。ひと手間加えたアレンジ例も紹介しました。親子で製作遊びを楽しむ参考にしてくださいね。
4-1.どんぐりのこま
使うもの
どんぐり、爪楊枝、きり、爪楊枝を固定したい場合はボンド
作り方
- 先端が尖っているどんぐりを選ぶ。
- どんぐりの帽子をかぶっている方にきりで穴をあける。
- 穴に爪楊枝を差す。
注意点
きりは尖っていて危険なので穴あけはお家の方が行うことをおすすめします。すぐに穴が開くどんぐりもあれば、なかなか開かないものもあるので、力加減に注意しながら穴を開けましょう。
爪楊枝が長すぎて扱いにくい場合は、完成した後にはさみで切って長さを調整するといいですよ。爪楊枝をどんぐりにしっかり固定したい場合は、爪楊枝の先端に少しボンドをつけてからどんぐりに差し込んでください。
アレンジ
どんぐりにペンで線を引いてみましょう。こまを回すと模様が浮き出て面白いですよ。
4-2.どんぐりの人形
使うもの
どんぐり、ペン
作り方
- 下処理をしたどんぐりにペンで顔を描く。
作るときの注意点
大きめのどんぐりを使った方が顔を描きやすいです。描く時にどうしてもどんぐりが転がってしまう場合は、お家の方が手で押さえてあげましょう。
4-3.どんぐりケーキ
使うもの
どんぐり、紙粘土、ボンド
作り方
- 事前に紙粘土でケーキの土台を作る。
- ボンドでどんぐりをケーキに付ける。
注意点
手が汚れるので事前に手拭きやおしぼりを用意しておきましょう。
アレンジ
ボンドを使わずに作る方法もあります。紙粘土が乾く前にどんぐりを埋め込といいですよ。ボンドを使うかどうかで出来上がりの印象もちがうので、好きな方を選んでくださいね。
4-4.松ぼっくりのモビール
使うもの
松ぼっくり、毛糸、はさみ
作り方
- 毛糸をはさみで適当な長さに切る。
- 毛糸の片方の先端を、松ぼっくりの下の方で絡めるように結ぶ。
- 傘に沿わせるようにして、松ぼっくり本体に毛糸を絡める。
- 絡め終わったら松ぼっくりの先端付近で1度結ぶ。
結び目が見えないようにまつぼっくりの軸付近で結ぶと見栄えがいい。 - 残った毛糸の先端付近で輪を作って結ぶ。
注意点
松ぼっくりの傘の間に巻き付けるようにすると、毛糸が絡まりやすく作業しやすいです。結ぶところは難しいので、最初と最後はお家の方がやってあげるといいでしょう。
アレンジ
紐の長さが違うモビールを何個か作ってみましょう。並べると互い違いにかけられるので、見た目がおしゃれになりますよ。
5.秋らしい自然物の製作を楽しもう!
身近な秋の自然物に触れることは子どもが自然に興味を持つきっかけになり、SDGsにも繋がります。どんぐりや松ぼっくりをはじめとした自然物を拾ってきたら、すぐに下処理をすることがポイントです。
作ったものを壁や棚などの見えるところに飾るとお部屋が秋らしくなります。モビールは窓辺に吊るすと風で揺れてかわいらしいですよ。
製作を長期保存したい場合は緩衝材に包むか、袋に入れてその上から布で包んであげると壊れにくいのでおすすめです。
紹介した製作はどれも簡単にお家で作れるので、ぜひ親子でやってみてくださいね。
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