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【5歳】ゲームばかりする子どもが心配…ゲーム依存を防ぐ親子の関わり方

この記事を書いた人

榊原なつき 榊原なつき

榊原なつき

  • 心理カウンセラー
  • 中学校教諭
  • 小学校教諭
  • 保育士

小学校教諭として2年間勤め、現在は放課後等デイサービスに勤務

保育士・小学校教諭・中学校教諭・心理カウンセラーの資格をもち、大学では教育社会学を専攻。

ひとりひとりの個性に合った教育や療育を目指しています!

スマートフォンやタブレット端末が普及して、ゲームはお子さんにとっても身近なものになりました。

小学校入学前のお子さんもゲームに触れる機会が増えていますね。

ゲームは大人も子どもも夢中にさせるツールで、お子さんにおねだりされてゲーム機を買い与えた親御さんもいることでしょう。

その反面、「ずっとゲームばかりしていて大丈夫だろうか」「ゲームをする時の約束を決めたはずなのに最近、守れなくなってきた」と心配する親御さんも多いと思います。

ゲームは、使い方次第でお子さんに良い影響も悪い影響も及ぼします。

今回は、ゲームをすることによるメリットとデメリットをお伝えした上で、親子で上手にゲームと付き合う方法を解説します。

小学生になってからゲームに依存することなく過ごすためには、小学校入学前にゲームとの上手な付き合い方を身につけておくことが重要ですよ!

 

目次

1.ゲームばかりする子どもが増えている理由

「ゲーム依存」は、ゲームによるトラブルの中でも、今後のお子さんの心身の健康や生活が大きく左右される問題なので、特に注意が必要です。

 

1-1.現在は「ゲーム依存」になりやすい

コロナ禍で外出が減った影響もあり、「ゲーム依存」の傾向がある子どもの割合がコロナ前と比較して1.6倍も増加していると、KDDI株式会社等が2021年におこなった調査(※2)で明らかになっています。

また、内閣府による『子供・若者白書』(2022年度版)では、インターネットの利用時間が「1日3時間以上」と回答した小学生は全体の51.9%に上り、前回調査の2016年度の14%から4倍近く増加したことを明らかにしました。

ICTが子どもたちに身近になった、コロナ禍を経たなど社会情勢の影響もあり、現代は「ゲーム依存」になりやすい環境になっていると言えます。

 

1-2.「ゲーム依存」になってしまう3つの理由

健全な生活を壊してしまうほど、ゲームは人間に対する影響力をもっています。

それはゲームには、人をハマりやすくする要素がたくさん詰まっているからです。

理由①
ゲームの性質として達成感が得やすいから、ゲームのプレイ時間を増やしたり、技を磨いたり、課金した分だけすぐにレベルが上がったり強くなったりします。ゲームの中の自分が少しずつ強くなっていくのが目に見えて分かるため、どんどんゲームを進めたくなるのです。

理由②
ゲーム上の仲間ができるゲームでは、オンライン上でつながったプレーヤーとコミュニケーションをする機会もあり、孤独感や退屈感をなくしたり、仲間意識を感じたりすることができます。その空間での居心地が良く、ゲームの世界からなかなか抜け出せなくなります。

理由③
ゲームをしている間は、ゲームの世界に没頭できるため、現実にある嫌なことやモヤモヤとしたことから目を逸らすことができます。友達との関係、勉強や習い事などでうまくいかないことが原因でストレスが強くなると、よりゲームにのめり込んでしまうのです。

 

【コラム】「ゲーム依存」が「ゲーム障害」を招く可能性も

「ゲーム依存」とは、ゲームのせいで“自分をコントロールできない“状態を指します。

この「ゲーム依存」は日本だけでなく世界的に問題になっていて、この状態が続くと、「ゲーム障害」として日常生活に影響を及ぼします。

国際的な精神障害の診断基準であるDSM-5では「インターネット・ゲーム障害」の症状を以下のように定義しています。

  • ゲームの時間や頻度、内容がコントロールできない
  • ゲームが優先の生活になり、それ以外の楽しみややるべきことに使う時間が減る
  • ゲームのによって個人、家族、社会、教育、職業に著しい問題を引き起こしているにも関わらず、ゲームがやめられない

上記が12ヶ月以上続いている状態。

この状態になると、以下のようなことが日常生活で問題となります。

  • 昼夜逆転の生活になる
  • 生活が乱れ、朝起きられない
  • 十分な食事を摂らない
  • ゲームが使えないと激しく怒る
  • ゲームに高額な課金をしてしまう

このような問題が起きると生活を立て直すことがなかなか難しく、勉強や仕事にも影響を及ぼしてきます。

参考URL:神戸大学 第2回ゲーム依存症対策関係者連絡会議

 

2.実はメリットもある!子どもがゲームをする4つの利点

ここまで述べたような問題がある一方で、ゲームをすることのメリットも注目されています。

ゲームは、お子さんの心の成長が促進される側面も兼ね備えているのです

 

2-1.幸福度が上がる

オックスフォード大学オックスフォード・インターネット・インスティチュートは、ゲームのプレイ時間とその2週間の生活の満足度を測定する調査を行いました。

その結果、ゲームをしない子どもたちと比較して、1日1時間以内ゲームをする子どもたちは、生活への満足度が高く、社交的であることが明らかにされたのです。

ゲームが趣味としてストレスの発散になったり、友達との会話のきっかけになったりするなど、日常生活の交流の幅も広がります。

 

2-2.想像力・注意力・集中力が上がる

ロールプレイングゲーム(RPG)などの物語性のあるゲームは、子どもがキャラクラーに自分を重ね合わせたり、どんな結果になるか想像することで想像力が働きます

自分でどのようにしたいか考えてキャラクターを動かしたり、クリアするために試行錯誤する力もつきます。

またアクションゲームの場合は、相手の動きをよく見て自分のボタンを操作することで注意力が上がります

目で見たことに応じて体の動きを調整する力は、運動や手先を使う活動にも生かされます。

さらに、失敗をしないように集中してゲームに向き合う中で、集中力も高めることができるでしょう。(※2)

一つのことに没頭して取り組む力は、勉強はもちろんさまざまな場面で必要になります。

 

2-3.社会性を高める

複数人のチームでゲームをする場合は、それぞれの役割を決めて協力してゲームを進めていく必要があります。

その中でお互いにコミュニケーションを取ったり、意見が衝突した時に調整することで、社会性が高められます。

米・ミシガン大学の調査(※3)では、「週末に友だちとビデオ・ゲームをする時間が長いほど,ゲーム以外の遊びで友だちと活動する時間も長くなる」とし、テレビゲームが家族や友人との交流を生み出し、子どもの社会性を育むことが示されています

 

2-4.自己管理能力を高める

ゲームを楽しむためには、日常生活でやるべきことは済ませなくてはなりませんよね。

そのため、お子さん自身が予定をスケジューリングして過ごすようになります

またルールを予め決めておくことで、そのルールの中でいかにゲームを楽しむかをお子さん自身で考えるきっかけになります。


ここまであげた4つの力は、小学校入学後に勉強をしたりお友達と仲良くする時に必要となる力です。

就学前にこの力を身につけておくことで、ゲームに時間を奪われすぎず、スムーズに小学校生活を送ることができるでしょう。

 

3.子どものゲーム依存を防ぐ、親の関わり方

ゲームをすることによる良い影響もたくさんあります。

しかし「ゲーム依存」の問題があるように、何事もやりすぎには注意が必要です。

健康上の問題はもちろん、小学生になると宿題や習い事などのやるべきことも増えていくでしょう。

その時に、ゲームとの付き合い方をお子さん自身がコントロールできることが大切です。

では、どうしたらお子さんがゲームと上手に付き合えるようになるのでしょうか?

実は、親御さんのちょっとした工夫で、お子さん自身が考えて動く仕組みを作ることができます。

 

3-1.お子さんと一緒にルールを決める

お子さんも親御さんも気持ちよくゲームと関われるようにするためには、約束をしっかり決めておくことが重要です。

「ゲームばっかりしないで〜しなさい!」「ゲームの時間が長すぎるから、もうやめなさい」などの言葉は、お子さんにとっては指示が曖昧で行動しづらくなります。例えば、

  • 1日のゲーム時間は1時間まで
  • ◯時になったら絶対に、ゲームは終わりにする
  • ◯◯が終わってからゲームをする

など、ルールには具体的な行動や時間を入れましょう

またルールを決める時は、必ずお子さんと一緒に確認しながら決めましょう

自分で決めたこと、わかりやすいルールに対してはお子さん自分から守ることができるようになります。

 

3-2.親御さんの目の届く場所でゲームをさせる

どんなにルールを決めていても、まだ幼いお子さんは自分自身の行動をコントロールすることが難しい場面もあるでしょう。

ひとりでゲームをしているとのめり込んでしまい、なかなかルールを守れないことがあります。

そんな時は、ゲームをしている様子を見守り、必要があれば声をかけてあげましょう。

声をかける時は、 「もうすぐ約束の◯時になるね!」 「ゲームを終わらせる時間になったけど、どうする?」 と、お子さん自身が次の行動を決められるようにしましょう

それでもなかなかゲームがやめられない、という時は 「このターンが終わったら終わりにしようね」 という区切りを決めてあげると、お子さんもスムーズに切りをつけることができます

また、ゲームをしている最中にも時々、様子を見て 「今、どのくらい進んでるの?」 「このキャラクターのどんなところが好きなの?」 など、親御さんもゲームに関心をもって聞いてみましょう。

ゲームの中の世界だけに入り込まないように、現実の世界と繋がりがもてるようにすると良いでしょう

 

3-3.親子で一緒にゲームをしてみる

お子さんが好きなゲームを、親御さんも一緒にプレイしてみるのもよいでしょう。

楽しいことや好きなことを親子で一緒に共有できると、親子のコミュニケーションが楽しいものになり、日常の親子の関係もとてもよくなります

また、ゲームの良さを知ってくれている親御さんと決めたルールは、お子さんもすんなりと聞き入れてくれます。

ぜひ、親御さんもお子さんの好きなことを一緒に体験してみましょう。

 

4.子どもがゲームばかりで約束を守らないときは?

「ルールを決めて最初は頑張っていたけれど、最近守れなくなってきた…」 ということもありますよね。

そんな時は、以下のポイントを振り返ってみましょう。

お子さんが「ルールを守ることは気持ちがいい!」と感じられることが大切です

 

4-1.なぜルールがあるのかを改めて伝える

ただ「◯◯しなさい!」と言われても、お子さん自身にとってメリットがないと、自発的に動くことは難しいでしょう。

「なぜ、このルールを守らないといけないのか?」「ルールを守ると、どんないいことがあるのか」をお子さん自身がはっきり理解できると、「このルールを守らなきゃ!」と思えるようになります。

例えば、以下のような理由をお子さんがわかるように伝えましょう。

  • 「ゲームをしていいのは◯時まで」
    →毎日元気に過ごすためには、◯時までには寝なくてはいけないから
    ゲームをやりすぎると目が悪くなって見えづらくなってしまうから
  • 「◯◯が終わってからゲームをしていい」
    →やらなければいけないことをしないと、家族のみんなや◯◯ちゃんが困るから

お子さんの心身の健康を守るために、また家族みんなが気持ちよく過ごすためにルールがあるということを伝えられるといいでしょう

 

4-2.パッと見て、ルールがわかるようにする

決めたルールも、ゲームに夢中になって忘れてしまうことがしばしばあるでしょう。

また何度も親御さんから注意されると、声をかけられること自体がだんだん嫌になっていきます。

お子さん自身がルールを目で確認して、「やらなきゃ!」と思えることが重要です

例えば、以下のようなことができます。

【時間を守る】

  • タイマーを用意して、ゲームに費やせる時間が減っていくのを目でわかるようにする
  • ゲームの時間が残り5分になったら、アラームが鳴るようにする

【ゲームの前他にやるべきことを済ませる】

  • ゲームの前にやることをリスト化し、それらが終わったらシールを貼る
  • 全てのシールが揃ったらゲームができるようにする

小学校入学の前後にこうしたやり方を身につけておくと、入学後の身支度や宿題の取り組みもスムーズにできるようになるでしょう。

 

4-3.約束を守れた時にたくさん褒める

約束が守れない時に注意してばかりしていると、お子さんも「また約束を守れなかった…」「また怒られた」と自尊感情が下がってしまいます。

そうなる前に、約束を守れた時にはお子さんをたくさん褒めてあげましょう

「約束を自分で思い出せたね!」
「自分から約束を守れたね!」
「もっとやりたかったけど、我慢できたね!」

親御さんに褒められるとお子さんは「次も頑張ろう!」と思えて、次第に自分から約束通りに行動できるようになります。

 

4-4.ゲーム以外の楽しいことを、たくさん経験させる

退屈を感じることが多いと、どうしても非現実的なゲームに没頭する生活になってしまいます。

遊びやお手伝い、習い事など、「これも楽しい!」「あれも面白い!」と感じる経験をさせましょう。

他に楽しいことを見つけたり、新しい仲間との交流の場所があることで、ゲームをする以外にも楽しいことがあるという実感が次第に生まれてきます

 

5.「ゲーム依存」は防げる。親子でゲームと上手に付き合おう!

子どもがゲームばかりする姿を見ていると、心配になることも多いでしょう。

しかし、日々の親御さんとの小さなやり取りを通じて、お子さんはゲームとの付き合い方を学ぶことができ「ゲーム依存」も防ぐことができます。

親子で上手にゲームと付き合うことができると、ゲームを通じたお子さんの成長もより期待することができます。

ゲームのマイナスの側面だけでなく、メリットをより活かしていけるように、親御さんも一緒にゲームを楽しみながらお子さんの「ゲーム依存」を防ぎましょう!

 

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参考文献
※1:KDDI株式会社,~コロナ禍で変化するスマートフォンの利用方法と、スマホ依存などへの影響を調査~,2021年10月12日
※2:朝日学生新聞社,【朝日小学生新聞】「子どもとゲーム」実態調査リポート,2017年7月12日
※3:ミシガン大学,子どものビデオ・ゲーム利用と学習および社会生活の関係についての調査

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