【物を捨てるのを嫌がる子ども向け】不要なおもちゃを断捨離する方法
この記事を書いた人
みき
- 司書教諭
- 中学校教諭
- 高等学校教諭
高校の国語講師として約8年勤務していました。
中学、高校の教員免許、図書館司書、司書教諭の資格を持っています。
現在は3人の子育てに奮闘中。
知識や経験を活かせるライターを目指し、勉強中です。
おもちゃや保育園・幼稚園で作った工作など、子育てをしているとどんどん物が増えていきますよね。
部屋が片付かないから処分したいけれど、子どもが捨てるのを嫌がって断捨離が進まない…と悩んでいませんか?
この記事では、子どもと一緒に不要になったおもちゃや工作を断捨離する手順や、断捨離を通して子どもに身につく力について紹介します。
目次
1.子どもが物を捨てるのを嫌がる心理とは?
子どもが描いた絵や工作、しばらく使っていないおもちゃなど、なかなか捨てられない物はたくさんありますよね。
そのままにしていると物が溜まっていく一方なので、片付けを始めると子どもから「それは捨てちゃダメ!」と止められて困った経験のある方も多いでしょう。
ここでは、子どもが物を捨てるのを嫌がる心理について解説します。
1-1.物への愛着があるから
大人から見ると“不要な物”に見えても、子どもにとっては「大切な宝物」であることもあります。
園で作った制作や、使わなくなったおもちゃなど、それぞれの物に思い出が詰まっていて、愛着をもっているのです。
わが家にも、友達からもらった手紙や大好きな物を描いた絵など、子どもの宝物がたくさん残されていますよ。
1-2.捨てることに罪悪感があるから
おもちゃを散らかし放題の子どもに「片付けないなら捨てるよ」と声掛けをしたことはありませんか。
片付けの悩みはどのご家庭にもあると思います。「片付けようね」と何度も声をかけても子どもが聞いてくれないと、つい感情的に「片付けないなら捨てるよ!」と言いたくなりますよね。
しかしこの言葉は、子どもにとって“脅し”のようになってしまい、「捨てる=悪いこと」というイメージが植え付けられてしまう可能性もあります。
1-3.整理整頓の必要性を感じていないから
定期的に整理整頓をしないと、物は増えていく一方です。物が増えすぎると「どこに、何があるのか」が把握できず暮らしにくくなりますよね。
これは大人からすれば当たり前のことですが、子どもは断捨離を行う理由やメリットを理解できていないこともあります。
物を捨てる必要性を感じていないから、片付けをする気になれないのです。
「なぜ手放さなくてはならないのか」「手放さなければどうなるのか」を丁寧に説明すると、すんなり片付けることができるようになる子どももいます。
2.断捨離のメリットや身に付く力
続いて、断捨離のメリットや子どもに身に付く力について紹介します。
子どもと一緒に断捨離を進めると、時間も手間もかかることが多いでしょうが、子どもは断捨離を通してさまざまなスキルを身につけることができます。
2-1.自分の好きな物や興味に気づくことができる
子どもは断捨離を通して「これは必要な物か?自分にとって大切な物は何か?」を自然に考えるようになります。
自分の好きな物や興味のあることに気づくきっかけとなるでしょう。
親自身も子どもの興味や関心を理解できると、それらをさらに伸ばすために環境を整えるなどのサポートがしやすくなりますね。
2-2.達成感が味わえる
断捨離で部屋がすっきり整うと、子どもは達成感を味わうことができます。
お気に入りの物に囲まれた空間は、居心地が良く安心感も高まるでしょう。
必要な物をすぐ手に取れるため、「ママ、あのおもちゃがない!」などと親子で探し物をするストレスも減らすことができます。
2-3.考える力が身につく
断捨離は子どもの考える力を伸ばすことにもつながります。一つ一つのおもちゃや作品と向き合うのは大変なことですが、小さな決断の積み重ねが子どもの思考力を育んでいきます。
お子さんが「これは大切なだから」と選択した物は否定せずに、「このお人形が大事なんだね。そしたらどこにしまっておくと良いかな?」と問いかけてみましょう。
2-4.心にゆとりが生まれる
断捨離という言葉の生みの親でもある、作家のやましたひでこさんによれば、
断捨離とはヨガ哲学の「断行・捨行・離行」に着想を得た言葉で、本来の目的は「モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、心もストレスから解放されてスッキリする(※1)」ことにあるそうです。
「断捨離=物を捨てる」というイメージが強いですが、断捨離は単に物を捨てるだけではありません。物の整理を通して子どものストレスを減らし、心のゆとりを生み出す効果も期待できるでしょう。
3.子どもと断捨離を進める手順
ここでは、子どもと断捨離を進める手順について紹介します。
3-1.専用のスペースを決める
まずはおもちゃや作品を入れるための箱やスペースを用意しましょう。
用意した箱やスペースに物が入りきらなくなったら整理整頓することをルールとして決めておきます。
事前にルールを決めておくことで、子どもも納得して断捨離を進めやすくなります。
3-2.お気に入りを3つ選んでもらう
3-1で決めたスペースに物が入りきらなくなったら、中身の選別をします。
まずは子どもにお気に入りの物を3つ選んでもらいましょう。
この時いきなり「捨てていい?」と聞くのは避けた方がいいです。
物を捨てることを前提に進めるのではなく、お気に入りを選ぶ練習から始めます。
3-3.いらない物について確認する
子どもが好きな物を選んだ後は、いらない物について確認します。
「箱の中が窮屈でおもちゃが可哀想だね。箱の中に残った物の中で捨てていい物はあるかな?」などと声をかけるのがおすすめです。
この時も「これはいらないんじゃない」「捨ててもいいよね」など大人が決めてしまわないように注意しましょう。
子どもの気持ちを無視して、大人が勝手に断捨離を進めてしまうと不信感が残ってしまいます。
「必要な物・不要な物」を子どもが自分で考えて決める機会を奪わないようにしたいですね。
3-4.子どもが「全部大事!」と言ったらどうする?
断捨離を始めると「全部大事だから捨てたくない!」というお子さんもいるでしょう。
その場合はお気に入りの物を先に選んでもらい、それ以外の物は別の場所に保管しておきます。
ここで大切なのが、期限を決めて残すことです。断捨離の予定をカレンダーに書き込んでおくと、やり忘れの防止につながります。
押入れやクローゼットに収納すると入れっぱなしになることが多いため、目立つ場所に保管するのがおすすめです。
4.物を捨てたくない子を納得させる工夫
いざ子どもと一緒に断捨離を始めると、「捨てたくない!」の一点張りでなかなか片付けが進まないこともあるでしょう。
ここでは、物を捨てたくない気持ちが強い子が納得して断捨離をするための工夫を紹介します。
4-1.捨てる前に「ありがとう」を伝える
不要になったおもちゃや洋服を捨てる時、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてから処分しましょう。
「もう使わない」と判断した物であっても、それがよく遊んだおもちゃだと、捨てることに後ろめたさを感じる子どもも少なくありません。
わが家でも実践してみたところ、子どもたちは「ありがとう」と声に出すことで、納得して物とお別れすることができ、スムーズに片付けが進むようになりました。
4-2.写真を撮る
お気に入りのおもちゃや作品を断捨離するときは、写真を撮るのもおすすめです。
ただ捨てるよりも、写真として記録に残すことで、物を処分することへの罪悪感が減ります。
写真を残しておけば、現物が手元になくても、いつでも見返すことができるのも良いですね。
スマホの写真アプリに「子どもの作品専用のフォルダ」を作っておくと便利ですよ。
4-3.寄付や譲ることも選択肢に
もう使わないおもちゃだけどまだ使えるからもったいなくて捨てられない…。その場合は、必要な人に寄付する・譲るのもおすすめです。
身近に譲れる人がいない場合は、フリマアプリやジモティなどに出品したり、リサイクルショップに持って行ったりするのもいいでしょう。
「〇〇ちゃんは大きくなったからこのおもちゃは使わないよね。親戚の赤ちゃんにあげてもいいかな」「使いたいという人にあげた方がおもちゃも喜ぶよ!」などと伝えると、お子さんも納得してお別れしやすくなりますよ。
5.子どもの気持ちに寄り添って柔軟に対応しよう!
増えすぎたおもちゃや作品を親子で断捨離する方法について紹介しました。
まだ使うかもしれない物をゴミとして捨てる時は、子どもも“罪悪感”を覚えるものです。子どもの物を勝手に捨てたり、捨てることを強制したりしないように気をつけましょう。
子どもが物を大切にする気持ちに寄り添いながら、「いる物・いらない物」の選別方法について丁寧に説明しましょう。
子どもが納得できる形で断捨離を進めていけると良いですね。
参考サイト
※1:断捨離®︎|やましたひでこ公式サイト
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