【2~4歳】登園の朝のお見送りで号泣!いつまで続く?泣いてしまう理由と対応法
この記事を書いた人
白山七衣
- 心理カウンセラー
- 幼児教室講師
メンタル心理カウンセラー、日本語教育能力検定の資格所持。
幼児教室講師をはじめ、オンライン講師、家庭教師、添削指導者として0歳から18歳までのお子さんの教育や学習サポートの仕事に長年携わってきました。
現在は、主に教育ライター、子育てカウンセラーとして活動しています。
お子さんたちの学びや成長、保護者の皆様のお悩みに役立つ記事をわかりやすく丁寧にお伝えしていきたいです。
休日は自然の中でお散歩したり、スイーツの食べ歩きをして、リフレッシュしています!
保育園・幼稚園登園の朝、多くのお子さんがパパママと離れる際に大泣きしてしまいます。
我が子が激しく泣いている姿を見て辛くなったり、「どうしてうちの子は毎朝泣くの?」「登園の朝泣くのはいつまで続くの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、2~4歳頃のお子さんが登園の朝泣いてしまう理由と対応法をご紹介します。
入園最初の試練ともいえる、登園の朝泣いてしまうことについて、お子さんの気持ちや適切な対応法を知って、うまく乗り越えましょう。
朝泣くことに悩んで乗り越えた先輩方の事例もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
目次
1.登園の朝泣いてしまうのはどうして?
初めての登園で泣いてしまうのは、パパママから離れる不安や、慣れないところに一人で入っていく心細さが大きいです。
しかし、その他にもお子さんが登園の朝泣いてしまう理由はいろいろあり、千差万別です。
次の3つのポイントを知った上で、お子さんの様子を見守りましょう。お子さんの気持ちが少し理解できて、パパママも安心できますよ。
1-1.泣くのはコミュニケーションの一つ
乳幼児期のお子さんにとって、泣くのはコミュニケーションの一つです。
2~4歳頃のお子さんは、まだ十分に自分の気持を言葉で表現することができません。そのため、不安な気持ち、寂しい気持ち、言葉では表現しきれない複雑な気持ちを泣くことで表しているのです。
これは、パパママとの間にしっかりと愛着形成ができている証拠ともいえます。パパママと一緒にいることが心地よく安心できるので、離れたくないという気持ちがうまれているのですね。
ただ、愛着形成は両親との間だけにできるものではありません。保育園・幼稚園に慣れて、先生と信頼関係ができるにつれて、先生との間にも愛着形成ができていきますから安心してください。
「愛着形成」については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
「愛着」が幼児期にも大切な理由とは?愛着形成で自己肯定感を高めよう!
1-2.年齢・性格・経験による個人差も大きい
登園の朝泣いてしまうかどうかは、年齢・性格・経験による個人差も大きいです。
低年齢のクラスほど、登園時の朝泣いてしまうお子さんがたくさんいます。
心理学では「母子分離不安」という言葉が使われますが、乳幼児期には保護者の姿が見えなくなるといずれ戻ってくるということが理解できなくて、不安で泣いてしまうのです。
3歳頃には少しずつ理解できるようになるので、パパママの姿が見えなくなっても泣かなくなることが多いです。
性格的な傾向もあり、特に登園の初めの頃は不安な気持ちが大きく、泣いてしまうお子さんもいます。兄弟の中でも性格的な違いで、登園時泣かない子と泣く子がいることもありますよね。
また、保育園・幼稚園に入るまでは家族以外の人との関わりが少なく、新しい環境に敏感に反応している場合もあります。
泣いてしまうお子さんは、感受性が豊かで優しいお子さんですね。パパママもそんなお子さんの特性をゆっくり見守ってあげましょう。
1-3.初めは泣かずに登園していたのに、ある時から朝泣くようになった場合
初めは泣かずに登園していたのに、ある時から朝泣くようになった場合、「登園しぶり」という現象が考えられます。
このような変化が見られる場合、何らかのきっかけがあった可能性があります。
園生活の中で苦手なことがあったり、お友達との関係に変化があったり、園でちょっと怖い思いをしたことなどが影響しているかもしれません。
原因を取り除けば泣かなくなることもありますが、容易には原因を取り除けなかったり、そもそも原因がはっきりしないこともあります。
ご家庭内だけで悩まず、園の先生とも連携することで、お子さんの不安を軽減できるかもしれません。
「登園しぶりの原因や対応法」については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【年少児の登園拒否】行きたくない理由と対処法を詳しく解説!
【年中・年長児の登園しぶり】心理的要因と乗り越えるための具体策
登園時の朝泣いてしまう理由はさまざまですが、お子さんの様子をよく見て、気持ちを少しでも理解し、寄り添ってあげることが大切です。
次の章では、お子さんもパパママもハッピーになれる対応策をご紹介します。ぜひ参考になさってください。
2.登園の朝泣いてしまう、どう対応するのが良いの?
登園の朝、お子さんが大泣きしてしまうとパパママ自身も不安で辛い気持ちになりますよね。
ましてそれが1週間2週間、果ては数か月も続くとなると、どうしたら泣かなくなるのだろう、いつ泣かなくなるのだろうと心配やストレスも大きくなってしまいます。
お子さんが泣いてしまう理由がいろいろあるように、泣かなくなるための対応法もお子さんそれぞれで違います。
ここでは、お子さんもパパママもハッピーになれるような対応法をいくつかご紹介します。
お子さんに最適な方法を見つけてみてくださいね。
2-1.子どもの気持ちを受け止める
まずはお子さんの気持ちをそのまま受け止めて、一呼吸おきましょう。
少しでも励ましたい気持ちから「保育園は楽しいよ」「先生やお友達が待ってるよ」など矢継ぎ早に言葉をかけてしまいがちですが、お子さんは自分の気持を理解してもらえていないと感じ、余計に泣き続けてしまうことがあります。
まずはお子さんの気持ちを受け止めてから、気持ちが落ち着くまで一呼吸おきましょう。その後、気持ちを前向きにする言葉掛けをしましょう。
<気持ちの受け止め方>
■お子さんが「嫌だ!」「行きたくない!」など言葉にして泣いている場合
いったん「そうなんだ。嫌なんだね。」「行きたくないんだね。」とオウム返しをすることでお子さんの気持ちを受け止めてあげましょう。
■言葉がなく、ただ大泣きしている場合
「泣きたいんだよね。」などなるべく事実をそのまま言葉にして伝えてあげましょう。同時にぎゅっと抱きしめてあげるといいですね。
お子さんは、自分の気持ちを受け止めてもらえると安心しますし、自己肯定感も高まります。
2-2.パパママがリラックスする
お子さんは、パパママのことが大好きなので、パパママの気持ちに敏感です。
パパママが「大丈夫かな?」「泣かないかな?」と不安な気持ちになっていると、それを素早く感じ取り、大泣きしてしまうことがあります。
登園したら笑顔で明るく、先生や他のお友達、保護者に挨拶するといいですよ。お子さんはその様子を見て、大好きなパパママと親しくしている人に対して好感や安心感を持つことができます。
パパママがリラックスしていると、自分もリラックスできる場所なんだと自然に感じ取り、泣かなくなるかもしれません。
2-3.工夫を楽しむ
それぞれのお子さんに合わせて、工夫をして楽しむ気持ちを持つのもいいですよ。
■お子さんの気持ちを受け止めた上で、言葉掛けを工夫してみる
「今日はどんなことをして遊ぶのかな?」「離れるのは少し寂しいけど、お迎えに来た時には園のこと教えてね」など、気持ちを代弁したり、前向きな気持ちを伝えることで、お子さんの気づきや主体性を促すことができますよ。
また、「登園途中で見たものを先生やお友達に話してあげよう」と提案すると、行く楽しみを見つけたり、観察力を養うことができます。
■「行ってらっしゃい」の見本を見せる
例えば、パパが元気にお出かけする様子をお手本として見せてあげると、お子さんも自然に「行ってらっしゃい」をする時の流れがつかめて不安が軽減されるでしょう。
「行ってらっしゃ~い!」と元気に声をかけて「行ってきま~す!」と笑顔で元気に応じる様子を見せてあげましょう。
お子さんとぎゅっとしたり、ハイタッチをしたりお家の決まり事を作って出かけるのもいいですね。
■「行ってらっしゃい」のルーティーンを作る
お子さんにとって登園の朝のお別れはとても覚悟のいることです。パパママから離れる覚悟ができるまで、いくつかのステップを入れて少しずつ心の準備をしていきましょう。
<ルーティーンの具体例>
- 幼稚園の門で「おはよう」と声を出してタッチする
- 入口の置物や遊具に「おはよう」とタッチする
- 「あ、○○先生だ!」と先生を見つけて挨拶をする
- 「今日もたくさん遊んでおいで」「楽しんでおいで」などと声をかける
- ぎゅっとしたり、ハイタッチをして「行ってらっしゃ~い」とバイバイをする
こうした一連のルーティーンを作って毎日の習慣にすると、お子さんは少しずつ心の準備ができて、最後にバイバイする覚悟ができるので、泣くことが減るでしょう。
■帰宅後は今日頑張ったことをたくさん褒める
保育園・幼稚園で一日頑張ってきたお子さんをたくさん褒めてあげましょう。
先生やお子さんから聞いた話の中で、いつも頑張っていること、前より少しでもできるようになったこと、初めてチャレンジしたことなど小さな成長の芽をみつけて褒めましょう。
お子さんの成長を褒めることで、自信をつけ、自己肯定感を上げることにもつながります。
2-4.保育園・幼稚園の先生と情報共有
先生に園での様子を聞いておくこともおすすめです。
朝は大泣きしていても、「園では元気いっぱいでしたよ。」と言われてホッとしたり、お子さんの切り替えが意外に早いことに笑みがこぼれたりします。
また園で一生懸命頑張っていることがわかると、「週末は大好きな場所へ遊びに行こうかな」「お子さんの好きな美味しいものを作ろうかな」とパパママも元気が出ることでしょう。
3.かえって悪化してしまうNGな対応法
我が子が大泣きをしている姿を見て、何とかしたい、何とか励ましたいとパパママは一生懸命になるあまり、かえってお子さんの大泣きを長引かせてしまうことがあります。
ここでは、そんなNGになってしまう対応法の例をご紹介します。
3-1.無理に泣き止ませようとする
お子さんが大泣きしている姿を見るのはパパママにとっても辛いことです。
そこで何とか泣き止ませようと「泣いてはだめだよ」と叱ったり、強く励ましてしまうことがあるかもしれません。
しかしそれは、ほとんどの場合逆効果です。さらに激しく泣き出してしまうか、泣き止んだとしても「叱られるから泣かないようにしなきゃ」といった意図しなかった方向に行ってしまうこともあるので注意しましょう。
3-2.理由を問い詰める
パパママとしては、どうして泣いているのか理由を知ったうえで対処したいと考えることもあるでしょう。しかし、お子さんはうまく説明できないので泣いていることがほとんどです。
言葉にできないから泣いているのだなということを理解して、理由を問い詰めることはせず、お子さんの気持ちに寄り添ってあげましょう。
3-3.泣き止むまでずっとそばにいる
お子さんの気持ちに寄り添うことは大切ですが、泣き止むまでずっとそばにいると、大泣きが長引いてしまうことがあります。
パパママもお子さんから離れるタイミングを失ってしまいがちですので、園に着いたらいつも通りにバイバイするという習慣を作るといいですね。
3-4.急にあるいはこっそりそばを離れる
後ろ髪ひかれる思いを断ち切らねばと急にお子さんから離れたり、お子さんが見ていないうちにこっそりいなくなるのもNGです。
お子さんは心の準備もなくパパママの姿が見えなくなって不安が大きくなり、さらに大泣きする可能性が高まります。
このような経験をすると、お子さんは次回からパパママから離れることに抵抗を感じてしまい、ますます離れることが難しくなってしまうかもしれません。
4.朝の大泣きいつまで続く?
登園の朝の大泣きが続くと、「いつまで続くのだろう」と心配になりますよね。
一概には言えませんが、早いお子さんは入園後1週間ほどで、多くのお子さんは1か月くらいで慣れて泣かなくなります。
しかし個人差も大きく、中には半年以上続く場合や1年以上になる場合もまれにあります。
泣かなくなる時期はお子さんによって異なりますが、特別な理由がない限り、5歳以上の年長さんになると、朝泣いているお子さんはほとんどいなくなるでしょう。心配しすぎず、お子さんの成長過程を楽しむ気持ちで見守っていきましょう。
5.「登園の朝泣く」~事例集~
ここでは、筆者が関わってきたお子さんのパパママの声をご紹介します。
ひとりひとりいろいろなパターンがありますが、みんないつの間にか朝の大泣きを乗り越えて楽しく通園できています。
5-1.イヤイヤ期を迎えた2歳の男の子
こちらが言うことに対してなんでも「いやだ!」とか「ちがう!」と反応するイヤイヤ期に入っていました。
保育園に行くのも毎朝「いやだ~!」と大泣きして、朝から本当に疲れました。
先生からイヤイヤ期は自分で何でも決めたがる時期だと聞いたので、登園時「保育園から帰ったら晩御飯はカレーにする?ハンバーグにする?」「明日のお休みは○○公園に行く?××公園に行く?」といった質問で子どもに決めさせてから「わかった。じゃあね、行ってらっしゃ~い!」と別れる習慣を作りました。
すると、考えることに精一杯なのか、自分で決められることに満足しているのか、ぴたりと泣かなくなりました。
5-2.登園を始めた3歳の男の子
就園前からママの後追いが激しくて、登園時に泣かないか心配していました。
4月になると案の定、幼稚園バスに乗るのに毎朝大泣き。こちらも不安な毎日でしたが、1か月ほど経つと落ち着き、ゴールデンウィークを迎えました。連休明けは少し泣きましたが、すぐに泣かなくなりました。
その後6月に幼稚園の運動会に行ってみると、園バスの運転手さんの手を引っ張って楽しそうに走り回っていました。
後で聞いたところ、毎朝乗る園バスの運転手さんととても仲良しなのだとか。
幼稚園の先生やスタッフの皆さんに感謝するとともに、子どもは親の知らないところでも大きな成長を遂げているのだなと驚きました。
5-3.3人兄妹の真ん中 3歳の女の子
5歳になる兄と1歳の妹に挟まれた3歳の長女が入園しました。
朝は3人車に乗せて園まで行くのですが、車のドアを開けたとたん長女は大声で泣きわめきます。何を言っても聞く耳を持たず、先生に預けるまでずっと泣き続けていました。
ある日、保育園の遠足でいつもと集合場所が違うため、長女だけを車に乗せて出かけました。すると長女は全く泣かず、ニコニコのご機嫌で遠足に出かけていきました。
そこでふと、長女は甘えたくて、自分の気持ちを主張しようとしていたのかもしれないと気づきました。
それからは、帰宅後は長男、長女それぞれに少し時間をとって抱っこしながら話を聞くようにしました。そのおかげか、長女は少しずつ泣かずに登園するようになりました。
5-4.朝のグズグズが長く続いていた4歳の女の子
少し繊細な性格で、入園当初から朝号泣することが続いていました。
しがみついて離れないので、こちらも辛い気持ちでしたが、なるべく気持ちを受け止めて、ぎゅっとしてからバイバイをするようにしたら大泣きは減りました。
でも4歳の年中になっても朝グズグズ泣いたり、参観日に見に行くと教室の隅で泣き出すこともあって、とても心配でした。
年中になってから先生とお話する機会が増え、園での様子をいろいろと教えてもらうようになりました。折り紙が上手だとか、お片付けがとても丁寧だと聞いたのでそれを娘に伝えて褒めました。
降園後に娘を褒めることが増えてくると、自信がついたのか、娘のグズグズ泣きがすっかりなくなりました。園でも元気いっぱいで、お友達のお世話までしているそうで、嬉しくなりました。
6.登園の朝泣くのは一段階上の成長のスタート!おおらかに見守ろう
保育園・幼稚園への入園は、お子さんにとってお家の外の人と関わる社会生活のスタートです。特に、登園時にパパママと離れることは、お子さんにとって最初の大きな試練となります。
新しい環境や人々に対する不安や心細さなど、これまで経験したことのないさまざまな感情が芽生えます。
またそういった感情を自分の中でどう折り合いをつけていくのか、考えたり試したりという経験を積みながらお子さんは成長していきます。
朝大泣きしている我が子を見るのは、パパママにとってとても心配で辛いことですが、必ずその時期は過ぎていきます。今お子さんは成長の階段を一つ登り始めたのだなと思って、おおらかな気持ちで見守り、対応しましょう。
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