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【小1】子どもの考える力を家庭で鍛える!親の対応や会話のコツを紹介

この記事を書いた人

みき みき

みき

  • 高等学校教諭
  • 司書教諭
  • 中学校教諭

高校の国語講師として約8年勤務していました。

中学、高校の教員免許、図書館司書、司書教諭の資格を持っています。

現在は3人の子育てに奮闘中。

知識や経験を活かせるライターを目指し、勉強中です。

「子どもの考える力を高めたいけれど、どのような関わりをすればいいのか分からない」とお悩みの親御さんも多いのではないでしょうか。

「考える力」は、学校教育でも、社会に出てからも求められる重要なスキルです。

この記事では、小学1年生のお子さんを育てる親御さん向けに、子どもの考える力を家庭で鍛える方法や、親子の会話のコツを紹介します。

小学校入学は、一人で登下校したり、外出したりする機会が増え、子どもが親の手から少しずつ離れる時期です。お子さんの自立に向けて、考える力を育むためのヒントになれば幸いです!

 

目次

 

1.なぜ「考える力」が重要なの?

「これからの時代は、考える力が必要」とよく耳にしますが、そもそも「考える力」とはどのようなスキルを指すのでしょうか。

ここでは、考える力の意味や、子どもの考える力が重要視されている理由について説明します。

 

1-1.考える力とは?

考える力とは、知識や体験をもとに問題解決に導く力を意味します。「思考力」とも言い換えられます。

これまでの学校教育では、知識を詰め込むことに重点を置いていました。しかし近年は、その知識を活かし、物事を柔軟に、主体的に考える力を育むことが大切と考えられるようになっています。

算数の公式や単語をひたすら覚えることをゴールとするのではなく、覚えた公式が何に使えるのか、単語を日常の会話にどう生かすのか、を主体的に考える力が求められているということです。

 

1-2.考える力が重要な理由1:学校生活で重要視されている

平成18年に改訂された教育基本法には、

「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うこと(※1)」

と書かれています。

学校指導要領でも基本的な考えとして「思考力・判断力・表現力等の育成」が示されており、学校教育において「考える力」が重要視されていることが分かります。

こうした背景には、国内外の学力調査(※2)で、日本の子どもは思考力・判断力・表現力に課題があると判明したことが大きく関わっています。

諸外国と比較して、日本の子どもの学力は高水準ですが、知識を活用しながら自分の考えを示したり、筋道を立てて表現したりするのが苦手な子どもが多いと言われています。

その背景の一つには、日本の受け身な授業が関係しています。先生の話を聞き、板書をノートに書き写すような授業では、子どもの思考力はなかなか育ちにくいです。

これからの社会では、自分の意見をもち、発信する力が求められます。そうした社会で生き残るためにも、小さいうちから子どもの考える力を育むことが重要なのです。

 

1-3.考える力が重要な理由2:AIとの共存社会に向けて

考える力は、学校生活だけでなく、社会に出てからも必要な力です。

2015年、野村総合研究所が、国内外601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボットに代替される確率を試算しました。その結果、10〜20年後、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が明らかになりました。(※3)

当時の調査から約8年が経過した現在、 AIはさらなる発展を遂げています。自動車の組み立てや、介護の補助や掃除といった肉体労働だけでなく、チャットGPTのように複雑な計算や、文章の構築もできるAIチャットボットまで生まれています。

AIと共存して生きるには、新しいことを発見する創造性や問題解決力、他者の気持ちを理解する協調性などのスキルがますます重要になるでしょう。

 

2.子どもの考える力を鍛えるメリット

子どもの考える力を鍛えると、実生活でどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主なメリットを3つまとめました。

 

2-1.中学受験でも有利!学力の向上につながる

近年、中学入試でも考える力を必要とする問題が出されるようになっており、考える力を鍛えることは、学力の向上にも役立ちます。

算数では文章題が重視されているほか、理科や社会など暗記重視と思われがちな科目でも、絵やグラフから読み取った情報から答えに対する理由を書かせる問題が出題されています。

受験でも知識を詰め込むだけでなく、知識を活かす訓練が必要になるということですね。

高学年でいきなり身につく力ではないので、低学年から少しずつ育むことが望ましいでしょう。

 

2-2.先の予想ができる

考える力を鍛えると、先のことを考えて、優先順位を決められるようになるため、思いつきで行動することが少なくなります

例えば、学校から帰宅した後の子どもは、宿題や習い事などの「やるべきこと」と、ゲームやテレビなどの「やりたいこと」が入り混じって、忙しいですよね。

当然、やりたいことだけをすることはできず、限られた時間の中で、優先順位を決め、こなしていかなくてはなりません。

自分の頭で考え、先のことが予想できるようになれば、習い事がある日は前もって持ち物などを用意しておくことで焦らなくて済みます。学校から帰宅した後、すぐに宿題をしてしまえば、すっきりした気持ちで自由時間を楽しめるようになります。

効率的な行動を取れるようになると、勉強のやり方などにも応用ができるようになっていきますよ。

 

2-3.トラブルを乗り越える力がつく

考える力は、トラブルを乗り越える力にもつながります。

例えば、学校で忘れ物をしてしまった時、自分で考える力があれば、忘れ物をしたことを先生に伝えて、指示を仰ぐことができます。事前に持ち物を確認することで、忘れ物を減らすこともできるでしょう。

トラブルが起きた時、「どうして失敗したのか」「次はどうすればいいのか」を考えて行動する力は、良好な人間関係を築く上でも欠かせないスキルですね。

 

3.子どもの「考える力」を家庭で鍛える方法

 

3-1.親子で読書をする

読書は考える力を身につける上でとても有効です。

小学生になると学校でひらがなを習い、簡単な絵本なら一人で読める子も増えてくるでしょう。しかし長いお話を読むのは、少しハードルが高いかもしれません。

文章を一人で読むことに慣れるまでは、親が読み聞かせをすることをおすすめします。本を読んだ後に「どう思った?」などと感想を尋ねると、自分なりに内容を解釈したり、自分の考えを伝えたりする訓練になります。

子どもが話している時は、「そんなふうに思ったんだね」など、子どもの考えを認める声がけを心がけることで、子どもの自信や安心感につながります。

内容の理解がうまくできていなくても気にせず、子どもが自分で考えたことを認めて、褒めるようにしましょう。

 

3-2.朝のやることリストを作る

スケジュールを立てる経験は、物事の優先順位や行動の目的を考える力が身につきます。

まずは、「朝のやることリスト」から作成してみましょう。

登校前にしなければならないことをメモ帳やホワイトボードに書き出します。終わったものを一つずつ消していくことで、達成感や「自分でできた!」という自信にもつながります。

慣れてくると子どもが自分で朝の支度ができるようになります。少しずつ先の予定を組めるようになると、時間にも心にもゆとりが生まれますね。忙しいママにもおすすめです。

 

3-3.身近な実体験を大切にする

考える力は、本を読んだり、勉強したりすることでも身につきますが、たまには「体験」を通したアウトプットの機会を作るのもおすすめです。

例えば、図鑑で子どもが興味を持った動物がいたら、実際に動物園に本物を見に行く。図鑑に載っている季節の植物を近所の公園や道端で探してみるなど、身近な体験で十分です。

週末など時間がある時に、親子で料理をするのもおすすめです。

料理は創意工夫が求められる作業です。栄養バランスを考えながら食材を選び、同時並行で手際よく作業することが求められ、自然と思考力が鍛えられます。

お子さんが台所に来たら、野菜を洗ってもらう、野菜の皮を剥くなど、簡単なことから手伝ってもらうといいでしょう。

ママの気持ちに余裕がある時は、献立を決めて、買い物から一緒に行くのもいいですね。親子で楽しくお話をしながら、やり遂げたらしっかり褒めてあげると達成感が倍増するでしょう。

 

4.子どもの考える力を鍛える!親子の会話のコツ

子どもの考える力をより豊かにするには、親子の会話が大切です。1日5分でもいいので、家事の手を止めて、子どもと会話する時間を持ちましょう。ここでは、子どもの考える力を鍛える会話のコツを紹介します。

 

4-1.子どもの話は最後まで聞く

子どもの話は、途中で遮らずに最後まで聞きましょう。

特に、学校から帰った直後は、ママに聞いてほしいことがたくさんあり、話が止まらない子どもが多いです。ママの後をついてまわり、次から次に話し続ける子もいるでしょう。

そんな時に、「お話はいいから、先に片付けなさい」と子どもの話を途中で切ってしまうと、子どもには「ママに話を聞いてもらえなかった」という不満が残ります。

子どもが話しかけてきた時は、なるべくそばに寄り添って、話を聞きましょう。家事などで忙しい時も、目線だけは子どもに送るなど、「話を聞いているよ!」という姿勢を大切にします。

「話したい」という気持ちを親がしっかり受け止めることで、子どもは「聞いてもらえる」という安心感にもつながりますよ。

 

4-2.子どもの「なんで?」には丁寧に対応する

「これ何?」「なんでこうなるの?」と子どもが疑問を持ったときは、考える力を育むチャンスです。

一般的に、子どものなぜなぜ期は、2歳から6歳頃にピークを迎えると言われていますが、知的好奇心が旺盛なお子さんは、小学生になっても「なんで?」「どうして?」と質問してくることが多いです。

毎日、質問ばかりされると、親は疲れてしまうこともあるかもしれません。しかし、日々の積み重ねが子どもの好奇心や考える力を伸ばすことにつながります。子どもの「なんで?」には、なるべく丁寧に対応していきたいものです。

子どもの質問に答えられない時は、ぜひ辞書や図鑑を使って、一緒に答えを見つけてください。

 

4-3.親子で「考えること」を楽しむ

子どもの「なぜ?」「これ何?」には、毎回正しい答えをすぐに教える必要はありません。

たまには、「なんでかな?〇〇ちゃんはどう思う?」などと逆質問すると、子どもに考えるきっかけを与えることができますよ。「難しい質問だね。ママもわからないや。どうやったら調べられるかな?」などと、答えの見つけ方を考えさせてもいいでしょう。

子どもの話したことが間違っていたとしても否定せず、「なるほどね。それ面白い考えだね!」などポジティブな声がけを心がけます。

正解を見つけることを目的とせず、親子で考えることを楽しめるような関わりができるといいですね。

 

5.子どもの考える力を奪う親のNG言動

ここでは、子どもの考える意欲を奪う言動をまとめました。親の気持ちに余裕がない時は、ついやってしまいがちなので、少しずつ気をつけていきましょう。

 

5-1.否定的な声掛け

「だめ!」「やっぱり失敗した」など、親からの否定的な声掛けは、子どもに恐怖心を与え、思考停止につながります。危険な時などを除いて、なるべく多用しないように心がけましょう。

子どもが宿題で間違えた時は、「また間違えてる!」と否定するのではなく、まず「よく考えたね」「頑張って解いたね」など、子どもの努力を認める声掛けをします。

その後、「どんなふうに考えたのか」を冷静に聞きましょう。子どもの話には最後まで耳を傾け、「どこで間違えたのか」を考えられるように、少しずつヒントを与えるのがポイントです。

 

5-2.子どもの集中を邪魔する

子どもが集中して遊んでいる時は、なるべく声をかけずに見守ります。

一人遊びは、子どもにとって「思考を巡らせる大切な時間」です。ぼーっと遊んでいるように見えても、頭の中では「これとこれをくっつけたらどうなる?」「どうしてうまくいかないんだ?」などと、いろんなことを考え、試しているのです。

そんな時に親が「こうしたほうが簡単だよ」「こっちの遊びの方が楽しいんじゃない?」などと口出ししてしまうと、子どもは思考停止してしまいます。

頭の中でじっくりと自分の思考や思いを巡らせる時間は、子どもの成長に欠かせません。「最後まで考えて、答えを出した」という経験には、充足感があり、その積み重ねが「考える力」を伸ばします

失敗や回り道は、子どもが試行錯誤するための必要な経験なので、静かに見守るようにしましょう。

 

6.親子の会話を楽しんで「考える力」を伸ばそう!

考える力は社会に出てからも、仕事や人間関係において必要とされるスキルです。

小学校低学年の時期は、保育園や幼稚園の頃と比べて、行動範囲や友達との付き合いが広がります。親は先回りをしすぎずに、「待つ姿勢」を心がけましょう。

そして、ぜひ親子の会話を楽しみながら、子どもがじっくりと物事を考える力を伸ばしてあげてくださいね。

 

参考文献
※1:学習指導要領「生きる力」, 文部科学省
※2:OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)~ 2018 年調査国際結果の要約~令和4年度 全国学力・学習状況調査の結果
※3:野村総合研究所,「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」,2015年12月2日

 

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