【3歳児】家庭でできる楽しい数遊び5選!子どもの数や数字の理解を育もう!
この記事を書いた人
みかんママ
- 特別支援学校教諭
- 幼稚園教諭
- 小学校教諭
特別支援学校・小学校にて14年間勤務。
主に低学年の担任を経験してきました。
特別支援教育・初等教育が専門で、そのほか、“心”へのアプローチを中心とした子どもとの関わり方を勉強しています。
特別支援学校教諭、小学校教諭、幼稚園教諭の資格をもっています。
6歳(年長)の子どもがおり、得意なことは絵本の読み聞かせ、歌遊び、楽器演奏です!
「うちの子3歳になったけど、そろそろ数字や数の勉強をさせたいな」、「いつから数字を読めるようになるんだろう?」「数字や数の理解を育む、楽しい数遊びが知りたい」、こんなお悩みはないですか?
3歳頃になると、数や数字に興味をもち始めるお子さまもいますよね。
せっかく興味をもち始めたお子さまの“伸びる芽”。大事に育てていきたいですよね。
子どもはステップを踏んで数や数字を理解していきます。
そこで本記事は3歳児の「数の理解」の発達段階に合わせた、家庭でできる「数や数字の基礎を身につける数遊び」をご紹介します!
気になったものがあればぜひ実践してみてください!
お子さんの「数の理解」の発達段階がわかっていると、ママ・パパのアプローチがとても効果的になりますよ!
目次
1.3歳児の「数の理解」の発達段階とは~子どもはいつからどんな風に数を覚える?~
- 「数の理解」に重要な3要素
- 実は難しい「順序数」と「集合数」の理解
- 3歳児の「数の理解」の発達段階
- 数字タッチ遊び
- 数えながら、新聞紙ビリビリ・くるくる遊び
- なんでも「指差し数え」遊び
- 「〇個ください」遊び
- 仲間わけ遊び
1.3歳児の「数の理解」の発達段階とは
~子どもはいつからどんな風に数を覚える?~
3歳頃は、数に興味を持ち始め、次第に数や数字への理解を深めていく時期です。
そもそも数や数字を理解しているとはどういうことなのでしょうか?
まず、子どもが数や数字を理解する上で重要な3つの要素と、3歳児の発達段階を順番に説明していきます。
子どもの数や数字の理解についてのより詳しい解説はこちらの記事でご紹介しています!
【3~6歳】子どもはいつから数や数字を理解するの?発達段階に沿ってわかりやすく解説!
1-1.数や数字の理解に重要な3要素
「数を理解している」と聞いて、皆さんはお子さまのどんな様子を思い浮かべますか?
「数字が読める」、「数を数えられる」、「足し算・引き算ができる」…などいろいろな様子を思い浮かべたかもしれません。
数には様々な要素がありますが、「数の理解」が形成されるうえで基礎となる要素が3つあります。
それは「数唱」「数字」「数詞」の3つです。
■「数唱」とは
いち、に、さん…というように数字を唱えることを言います。
物の数を数えるのではなく、ただ「数を唱えている」状態のことです。
つまり子どもが数を口に出して数えられるのと、それが数字や物の個数を意味していると理解するのは、異なる段階であるということです。
■「数字」とは
私たちが普段使用する「1」「2」…といった「文字」のことを指します。
■「数詞」とは
「りんごが1個」といった物の個数のことを指します。
子どもの数の理解はこの3要素が基礎となり形成されていきます。
そして、
・自分が唱えている「いち、に…」という言葉と、数字の「1」、「2」が対応していることを理解する
・自分がものを指しながら「いち、に、さん」と唱えたとき、それはものの個数と対応していることを理解する
などといったように、3要素がそれぞれ関連して、さらに複雑な数の理解が進んでいくのです。
1-2.実は難しい「順序数」と「集合数」の理解
「数を理解している」と聞いて「左から2番目」といった順序に関する理解や、「前から3つ」といった集合に関する理解を思い浮かべた方もいるかもしれません。
実はこの2つの理解は、子どもにとってはとても難しい概念なのです。
「左から2番目のものをとって」といったものの順序を表す数を「順序数」、「前から3つ取って」といった、ものの集まりの大きさを表す数を「集合数」と言います。
「数の概念」を形成するこの2つの要素を理解できるようになるのは一般的に5歳~6歳頃と言われています。
この2つの要素は、先に挙げた「数唱」「数字」「数詞」の3つの基礎の理解が土台となって育まれていきます。
つまり3歳頃からは「数の基礎」を丁寧に育んであげることが大切なのですね。
1-3.3歳児の数や数字の理解はどのような発達段階なのか
それでは具体的に3歳の子どもの「数の理解」はどのような発達段階なのでしょうか。
3歳は、日常生活での様々な経験から、数や数字に興味をもち、様々な操作や理解ができるようになっていき、ちょうど3つの数の基礎が身につき始める時期です。
お子さまによって発達の状況は様々ですが、一般的には下記の発達段階になっていきます。
■数唱の習得
・1~5まで数唱することができる
■数量の理解
・「3個」のかたまりを見た目で「3個」と判断できる
■数字
・ちょうど文字としての数字に興味が表れてくる時期であり、4歳頃になると1~10程度の数字を読めるようになっていきます。
■数唱と数量を一致させる
・1~3まで、物と数量を一対一対応させながら、数えることができる
習得始めの段階では、「『いち、に、さん…』と一つずつのものを一対一対応させられる」だけですが、これを続けていくと、「『いち、に、さん』だから、全部でりんごは3個」のように、「唱えた最後の数が、全部の物の数だ」と気づくようになります。
1-4.ポイントまとめ
ここまで「数の理解」が形成されていく流れと、3歳児の「数の理解」の発達段階についてご説明しました。
・数には「数唱」「数字」「数詞」の3つの基本的な要素があり、この3つの要素が関連しながら、複雑な「数の理解」が育まれていく
・3つの要素が基礎となり、「順序数」と「集合数」といった「数の概念」も理解できるようになっていく
・3歳頃はちょうど「数の基礎」である3つの要素が身につき始める時期である
ということでしたね。
このようにステップを踏んで成長していくお子さまに合わせて、まずは「数の基礎」を育むアプローチをすることが大切です。
2.楽しく数や数字の理解を育む!~家庭でできる数遊び5選~
ここからは、3歳時期に発達していく「数唱」・「数量」・「数字」の理解といった基礎や、「数唱と数量の一致」につながる5つの数遊びを紹介します。
どの遊びも、筆者がお子さまたちや息子に対して実践してきて、「数の基礎」を身につけるのに大変効果のあったものになります。
ぜひ、お子さまと楽しみながら一緒に遊んでみてくださいね。
2-1.数字タッチ遊び
この遊びは「数字」や「数量」の理解につながります。
■遊び方
①紙に「1」~「5」までの数字を書いて、切り取る
(数字カードでも良いです。複数枚用意してあると、楽しいです。)
②切り取った数字カードを部屋の中に貼る
③ママ・パパが「3をタッチ!」などと言い、お子さまは「言われた数のカード」を探してタッチする
上記の遊びに慣れたら、ドットカードを活用すると良いですよ。これは「数詞と数量の一致」につながります。
ドットカードは、紙に「⚫⚫⚫」などが描かれたものです。これですと「3個」を意味しますね。
「⚫⚫」なら「2個」を表します。
上記の①を数字ではなく、「ドット」にすると、ドットカードが完成します。3歳のお子さまは、パッと見て「3個」を判断できる時期ですので、3個までのドットカードを用意すると良いですよ。
2-2.数字を数えながら、新聞紙ビリビリ・くるくる遊び
身近にある新聞紙を使った、「数唱と数量の一致」の理解につながる数遊びです。
■遊び方
①新聞紙を用意する
②「イチ 二 サン」と数えながら、新聞紙を破っていく(数唱と破る動作のタイミングを合わせます)
③「イチ 二 サン」と数えながら、新聞紙を丸める(数唱と丸める動作のタイミングを合わせます)
ここから発展させて、「丸い新聞紙を2個ください」など、「◯個ください」遊びをしても楽しいですよ。
数字が読めるようになってきたら、数字カードを活用して、ママ・パパが提示した数字カードの分、丸めた新聞紙を渡す遊びもおすすめです。
2-3.なんでも「指差し数え」遊び
数唱に慣れ親しんだ頃にオススメの遊びです。
なんでも「指差し」をプラスしながら、物の数を数えてみてください。こうすることで、「数唱と物の一対一対応」が身につきます。
■遊び方
例えば、おやつの数を数えるとき。
「イチ+指差し、二+指差し、サン+指差し」のように、「数唱と指差し」をセットにします。
おもちゃの数を数えるとき、絵本の数を数えるとき、公園で小石の数を数えるとき…。
どんな場面でも、数を数えるときは、ぜひ、「数唱+指差し」で数えてみてください。
この経験を繰り返すことで、お子さまは、自然に「数唱と数量の一致」ができるようになりますよ。
2-4.「◯個ください」遊び
この遊びは、「数唱と数量の一致」のほかにも、数字カードを活用すると、「数字と数量の一致」にもつながります。
■遊び方
①おやつ(何でも良いです)をテーブルに複数個並べる。3個~5個程度がおすすめです。
②お子さまに「おやつを2個ください」と伝える。
③お子さまがおやつを複数個の中から、2個取って、ママ・パパに渡す。
数字がわかるようになってきたら、②のときに、数字カードを活用するのも良いでしょう。
また、役割を交代して遊ぶと、楽しさがアップしますよ。
お店でも活用できる遊びです。
「きゅうりを2本持ってきて」、「じゃがいもを3個持ってきて」など、お店の中で、お子さまの数の学習を取り入れることができます。
3-5.仲間わけ遊び
仲間わけ遊びは、数の基礎から集合数にまでつながる大事な遊びです。
仲間わけができるということは、物と物の「同じ・違い」が理解できているということです。
例えば、「複数個のチョコレートと複数枚のせんべい」があるとしましょう。
パッと見た感じでは、どちらも「おやつ」ですよね。
これを仲間わけするとしたら、「チョコレート」と「せんべい」にわけられます。
「チョコレートとせんべいにわけてみよう」というとき、ちゃんとわけられる子どもは、物と物の「同じ・違い」が理解できているということです。
筆者は息子に対してアプローチする際、上記のように「おやつ」を使ったり、絵カードを使ったりしていました。
絵カードでの遊び方を1つご紹介します。
■遊び方
①2種類の絵カードを用意する(ここでは果物カード・動物カードの2種類とします。)
②箱やかごを2つ用意し、それぞれ「果物カード用」、「動物カード用」とする
③絵カードを1枚ずつ取って、「種類ごとに」それぞれのカードを「仲間わけ」する
子どもの成長に合わせて絵カードの種類を増やしても楽しいですよ。
3.数遊びを楽しみながらまずは「数の基礎」を育みましょう!
数や数字の理解は、日常生活で様々な経験をすることにより、次第に身についていきます。
家庭の中で、ママ・パパからのアプローチがあると、その理解はますます進んでいくことでしょう。
3歳頃のお子さまは「遊び」が大好きですから、ぜひ、お子さまと一緒に数遊びを楽しみながら、まずは数の基礎を身につけていってあげてくださいね。
自然と数や数字を読めるようになったり、覚えたりすることができます。
もちろん個人差がありますので、「今」のお子さまに合った遊びを取り入れてみてください。
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参考文献
・古池 若葉(2014)幼児における数概念と数字の読みの因果関係 京都女子大学発達教育学部紀要 010 87-91
・上原 隆司(2017)幼児の数量的能力とその発達に関する考察 名古屋短期大学研究紀要 55 39-44