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【前編】やる気がグングン育つ!子どもを伸ばす効果的な「褒め方」の実践のコツとは〜

この記事を書いた人

遠藤さおり 遠藤さおり

遠藤さおり

  • 社会福祉士

大学在学中に社会福祉士・介護福祉士の資格を取得。

知的障害児のレスパイトサービスや高齢者介護施設での勤務を経て、現在は福祉系ライターとして活動中です。

自身も小学生の子の母として、子どもの可能性を伸ばすことを第一に考えながら子育て奮闘中!

福祉の視点を活かしながら、お悩みに寄り添った記事の執筆を目指してまいります。

「子どもを叱るより褒めて伸ばしたいけれど、具体的にどうしたらいいのかな」

「褒めると子どもの育ちに良いって聞いたけれど、どういう効果があるの?」

こんなお悩みはありませんか?

「褒める」と一言で言っても、子どもを伸ばす褒め方にはいくつかのポイントがあります。

正しく褒めて、子どもの「やる気」と様々なことに前向きに取り組める「自信」の土台を育みましょう。

前編の今回は、子どもを大きく伸ばす「褒め方」について、その効果と実践のコツを詳しくご紹介します!

後編では合わせて年齢別の褒め方ポイントもご紹介していますので、合わせてご覧ください!

 

目次

1.「褒める」は2種類に分けられる?

褒め方にはいくつか種類がありますが、ここでは子どものやる気を伸ばす褒め方について、「あるがまま褒め」と「できたね褒め」に大別し、2つの方法をご紹介します!

「あるがまま褒め」をベースに、行動や結果を褒める「できたね褒め」を上手く取り入れましょう。

ポイントを押さえて褒めることで、より効果的に子どもが自信をもって物ごとに取り組めるようになりますよ。

 

1-1.「できたね褒め」とは?

「できたね褒め」は、何かができたとき・頑張って取り組んだときなど、成果や望ましい行動に対して褒めることを指します。

例えば、子どもが食事を残さず食べられたときに「すごいね!全部食べたね」と声を掛けることなどが挙げられ、子どもを望ましい状態へコントロールしたいときや、具体的な目標に向けて背中を押したいときに使われるのが特徴です。

正しく取り入れれば、子どもを大きく伸ばすきっかけになる一方で、闇雲に取り入れると「出来ないと褒めてもらえない」「頑張らないと認めてもらえない」と極端に思い込んだり、褒めてもらうことが目的になったりすることがあります。

褒めること自体がときに罰と同じような扱いになってしまうリスクもあり、使い方には注意が必要です。

「結果や過程に対する褒め方」は取り入れ方に少々テクニックがいるので、のちほど【3.子どもを伸ばす「褒め方」のコツ】で詳しくご説明します!

 

1-2.「あるがまま褒め」とは?

「あるがまま褒め」は行動の良し悪しに関わらず、「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」というように、子どもの存在そのものを認める言葉掛けが当てはまります。

「できたね褒め」で行動や結果を褒める前に、この「あるがまま褒め」をたくさん取り入れて、「どんなあなたでも大好きだよ」というメッセージを子どもに伝えましょう。

「あるがまま褒め」には、子どもの成長にプラスの効果がありますよ。

子どもの時期に欠かせない重要な褒められ体験になるので、積極的に取り入れていきましょう!

 

 

2.「あるがまま褒め」の3つの効果とは?

それでは、存在そのものを肯定する褒め方「あるがまま褒め」の効果を3つご紹介しましょう。

この3つは子どもの「やる気」に繋がる大切な要素です。順番に見てみましょう!

 

2-1.子どもの自己肯定感が育つ

子どもは結果の良し悪しに関わらず褒められるので、「このままの自分でいいんだ」と感じられる自己肯定感が育まれます。

他人と比べることなく、どんな状況でも自分を肯定的に捉えられるので、失敗しても欠点があっても、自分を大切な存在だと感じられるようになります。

自分の失敗や欠点を無視するのではなく、受け入れた上で乗り越えられるので、困難な場面に直面したときも大きな強みになるでしょう。

また、自己肯定感を高めることで自分の「長所」を伸ばしたり、困難に立ち向かう「挑戦心」を育んでいく土台にもなります。

 

2-2.子どもの自主性・主体性が育つ

自分がやりたいことを考えられる「主体性」と、やるべきことをすすんで行える「自主性」はどちらも子どものうちに伸ばしてあげたい力ですよね。

「あるがまま褒め」をたくさんされた子どもは、強い安心感と自己肯定感のもと、自分の好きなことを見つけ、やらなければならないことに対しても素直に行動できるようになります。

反対に、自主性や主体性がないと「人から言われたことしかできない」、「人から言われないとやらない」となりがちです。

自分の好きなことを見つけて人生を切り開いていけるよう、子どもへの声掛けも意識的に行ってみましょう。

 

2-3.親子の信頼関係が築ける

「存在そのものを肯定する褒め方」は、子どもが親からの愛をダイレクトに受け取ることができ、より深い親子の信頼関係の構築にも大きな効果を発揮します。

親は精一杯愛情を注いでいるつもりでも、子どもに届いているかどうかはまた違う話です。

子どもの視点に立ち、親からの愛情をめいっぱい感じられる体験を増やしてあげましょう。

子どもと目線を合わせ、抱きしめたり手を握ったり、スキンシップを図りながら伝えるのもおすすめですよ。

子どもにとって親が安心・信頼できる場所であれば、子どもは難しいことにも果敢にチャレンジできるようになります。

 

「自分はできる!」という自己肯定感、「もっとこうしてみよう!」という自主性、「失敗しても大丈夫!」と思える親子の信頼関係は、子どものやる気を支える土台となります。

「あるがまま褒め」を取り入れて、子どものやる気を伸ばしてあげたいですね。

 

 

3.子どものやる気を伸ばす「できたね褒め」のコツ

ここからは、子どものやる気を伸ばす褒め方の実践のコツをご紹介します。

「あるがまま褒め」をベースに、行動や結果を褒める「できたね褒め」も上手く取り入れましょう。

ポイントを押さえて褒めることで、より効果的に子どもが自信をもって物ごとに取り組めるようになりますよ。

 

3-1.結果よりもプロセスを褒める

子どもを褒めるときは、能力や性格、何かを成し遂げた結果よりも、その結果につながるまでの努力やプロセスにフォーカスして声を掛けましょう。

■例

頑張りを認められた子どもは「次も頑張ろう!」「次はもっとチャレンジしてみよう!」という積極性が養われます。

また、「結果が全てではない」という価値観も身につくので、例え失敗してしまったときも前向きに捉えられますし、難しい課題にも努力を惜しまず取り組めるようになるでしょう。

 

3-2.具体的に褒める

褒めて伸ばしたいと思うあまり、ついついすぐに「すごいね!」「上手!」と漠然とした言葉掛けをしがちになりますが、具体性に欠ける褒め方は「褒められ依存症」になるリスクがあります。

子どもは褒められること自体に快感を覚えるようになり、「褒めてもらわないと満たされない」「どうしたら次も褒められるか?」と、褒められるために行動するようになってしまうのです。

子どもの「好き」を伸ばしてあげたいと思って褒めていたのに、好きだったことにも興味を失ってしまっては本末転倒ですよね。

そうならないためにも、褒めるときは具体的な声掛けを心がけましょう。

■例

具体的な褒め方は、子ども自身も気づかなかった長所を知ることができたり、自分のことをしっかり見ていてくれた満足感にもつながりますよ!

 

3-3.オープンクエッションを使って褒める

褒めるときに重要なのは親の判断基準や評価ではなく、子ども自身がどう感じたかということです。

子どもに詳しく質問することで、子どもが頑張ったところ・褒めてほしいところが見えてくるので、その部分に焦点を当てて褒めてみましょう。

実際に頑張りを見られなかったときにもおすすめの褒め方ですよ。

質問するときは「はい・いいえ」で答えられる形式ではなく、自由回答式のオープンクエッションが効果的です。

■例

会話が広がることで、さらに褒めるポイントも見えてくるでしょう。

また、ときには子どもの回答に「コメントしない」というのも褒め方の選択肢のひとつです。

子どもの話にほほえみながら頷くだけでも、子どもは「認めてもらえた」と感じることもあります。

親の評価を押し付けない褒め方として、ぜひ取り入れてみてくださいね。

 

 

4.効果的な褒め方でやる気を育てて、子どもを伸ばそう!

一口に「褒める」と言っても、声掛けの仕方で子どもにもたらす効果は様々です。

効果的な「褒め方」をマスターして子どもの自己肯定感や自主性を伸ばし、やる気を育てましょう。

褒められ体験の積み重ねが、子どもの自信になりますよ。
「褒める→やる気を引き出す→チャレンジする→褒める」という好循環を作って、子どもをグングン伸ばしましょう!

後編では、子どものやる気を伸ばす褒め言葉を具体的ご紹介します。
3歳〜5歳、6歳〜8歳に分けて詳しくご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

参考文献
青木 直子(2005) ほめることに関する心理学的研究の概観 名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 心理発達科学 52 123-133
島村 華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方

 

 

 

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