
勝手に遊ぶ約束をしてくる子どもに困惑!対策とルール決めのポイントをご紹介
この記事を書いた人


横山ミノリ
- 中学校教諭
- 高等学校教諭
- 小学校教諭
- 児童発達支援士
小1と年少、2人の男子の母です。
ASD(自閉スペクトラム症)の長男への関わり方を学ぶため、「児童発達支援士」と「発達障害コミュニケーションサポーター」の資格を取得しました。
自身が産後うつと育児ノイローゼになった経験から”ラクに生きる”がモットーに。
子どもには「自分で決めた!」「自分でできた!」という経験をたくさんしてほしいと思っています。
子どもとの好きな遊びは工作。子育てで好きな本は、高濱正伸著の「こどもの可能性を伸ばす「しない」子育て」です。
小学校低学年のお子さんをお持ちのママで、
「◯◯日、△△ちゃんと公園で遊ぶんだ!」と、子どもが勝手に約束をしてきて困った経験はありませんか?
放課後、お友達と遊ぶのを楽しみにしている子どもを見ると、ダメとは言いにくい一方で「相手のママの連絡先がわからない」「今日は一緒に遊んであげられないのに」など、モヤモヤしてしまうのも事実です。
また、事故や事件に巻き込まれる危険もあるため、事前にルールを決めておきたいものですよね。
この記事では、勝手に遊ぶ約束をしてくる子どもへの対策と、お子さんと決められるルール例をご紹介します。
子どもを安全に遊ばせるためには事前の準備が必須ですので、今悩んでいるママだけでなく、これから同じ問題が起こりそうなママたちにもお役立ていただけると幸いです。
目次
1.勝手に遊ぶ約束をされて困るママたちの声
はじめに、子どもが勝手に遊ぶ約束をしてくることで困っているママたちの声をご紹介します。ママたちが何に不安を感じているのか、その原因を見ていきましょう。
1-1.「相手の親の連絡先がわからない」
「子どもが勝手に遊ぶ約束をしてきたときに、相手の親の連絡先がわからないのが困る」という声がよく聞かれます。今はプライバシー保護の観点から連絡網が配布されないため、クラスの親の連絡先を知るのが難しくなっています。
小学校に入ると1クラスの人数も増え、クラスにどんな子がいるのか把握するのすら難しくなるでしょう。お迎えもないので、クラスのママたちとほとんど会わないという人もいるかもしれません。
そうは言っても、遊びを断らなくてはならないときや、何かあったときのためにも、相手の親の連絡先は知っておきたいというのがママの本音でしょう。
1-2.「自分の用事や子どもの習い事があって遊べない」
次に多いのが、「ママの用事や子どもの習い事がある日に、子どもが遊ぶ約束をしてきてしまい困る」という声です。
習い事がある曜日やその日の予定を把握していない子どもが、うっかり遊ぶ約束をしてきてしまうことはよくあります。ママの都合もあるので、子どもが勝手に遊ぶ約束をしてきて困る日があるのも当然です。
1-3.「家に呼べない」
ママの中には「家にお友達を呼べない、呼びたくない」という本音を抱えている人もいます。外遊びなら問題ありませんが、お友達を家に呼ぶとなると、いろいろな準備が必要です。
ましてや急にお友達が遊びに来ることになったら、困ってしまうママも多いのではないでしょうか。
ママやパパが在宅ワークの日だったり、下のお子さんのお昼寝タイムと重なったりして、お友達を家に呼べないママもいるでしょう。
1-4.「お友達の家で迷惑をかけないか心配」
「お友達の家で迷惑をかけないか心配」という声も多く聞かれます。子どもが誰かの家にお呼ばれする経験があまりない場合、お行儀よくできるのか不安になるものです。そもそも子どもは、お呼ばれしたときのマナーを知らないかもしれません。
親同士がよく知っている間柄ならまだしも、初めてのお家に遊びに行かせる場合は不安になってしまいますよね。
2.勝手に遊ぶ約束をしてくる子どもへの事前対応
ここでは、子どもがお友達と遊ぶ約束してきたときに焦らないよう、ママとパパができる事前対策をご紹介します。
2-1.夫婦で話し合ってルールを決めておく
子どもがお友達と遊ぶことに関して、夫婦でルールを決めておくと安心です。ママが気になることや不安な気持ちをパパに共有し2人でルールを決めることで、ママだけの負担にならずに気持ちもラクになるでしょう。
たとえば、子どもがお友達と遊ぶのはどちらかが在宅の日にすれば子ども達を見守れますし、何かあったときにすぐに対応できます。
また、子どもの安全を考えて、防犯ブザーやキッズ携帯の購入を検討できるかもしれません。
2-2.週間スケジュールを把握しておく
ママの用事や子どもの習い事の日を整理し、カレンダーに書き出すのもおすすめです。パパのスケジュールを共有するのも忘れずに。
スケジュールを把握すると、子どもと一緒に公園に行ける曜日や、お友達を家に呼べる曜日が見えてくるはずです。曜日が決まると突然の約束にもスムーズに対応でき、子どもに尋ねられたときにもすぐに答えられます。
予定は変わることもあるので、週の初めにその週のスケジュールを確認しておくと安心です。
2-3.お友達の家にお呼ばれした際のマナーをリサーチしておく
お友達の家にお呼ばれした際に守らせたいマナーを、夫婦で決めておくのもよいでしょう。あいさつをすること、靴をそろえること、勝手に部屋に入らないなど、基本的なマナーをリストアップしてみてください。
まずは、ママも一緒にお呼ばれして、子どものマナーレベルを確認することもできます。それをふまえて、「子どもをお友達の家に遊びにいかせるのは子どもがマナーを守れるようになってから」と決めてしまうのも1つの方法です。
2-4.親同士でルールを決めておく
よくお家に呼び合うお友達がいる場合は、親同士でルールを決めておくと気がラクです。ルールを決めておけば、「今日はどうしよう」と悩むことも、「相手の親にどう思われているだろう」と心配する必要もありません。
例えばこんなルールを決めてみてはいかがでしょうか。
- お菓子や飲み物は各自で準備する
- お金や高価なおもちゃは持たせない
- 家に着いたとき、帰るときに相手の親に連絡を入れる
決めたルールは、パパにも忘れずに共有しましょう。
3.勝手に遊ぶ約束をしてくる子どもとのルール決め
次に、実際に子どもと話し合ってルールを決めましょう。夫婦で話し合ったことをふまえて、子どもと具体的なルールを決めていくイメージです。
子どもに、「あのときは良かったのに何で今日はダメなの?」と言われないように、早めに話し合っておくと安心ですよ。
3-1.門限
まずは、子どもと門限を決めましょう。お住いの地域によっては、夏季は17時・冬季は16時に防災行政無線が流れることもあります。定時に流れるチャイムや音楽を合図にすると、分かりやすいのでおすすめです。
子どもの時間感覚が未熟なうちは、公園やお友達の家からの距離を考慮して、「何時に帰る準備をしてお友達とバイバイをすればよいのか」を決めておくとよいでしょう。
また、「子どもにとって門限を守ることは親からの信頼につながる」ということも伝えられるかもしれません。
3-2.遊びに行く前の連絡事項
お友達と遊ぶときは、「いつ・どこで・誰と遊ぶか」をママに伝えるルールを設けましょう。前もって決めた約束は、カレンダーに書き出すようにすると分かりやすいかもしれません。
3-3.もしものときの対応
遊んでいた先で災害や急なトラブルが起きたときの対応を決めておくことも大切です。
周りの大人の指示に従うように教える、避難場所を確認しておくなど、とっさのときでも子どもが落ち着いて行動できるよう話し合っておきましょう。
もしかすると、災害時の対応は、定期的に学校で避難訓練を受けている子どものほうが慣れているかもしれませんね!
3-4.交通ルール
子どもと交通ルールを確認しておくことも重要です。道路を横断するときは横断歩道を渡る、信号が点滅したら次を待つなど、基本的な交通ルールを復習しておきましょう。
自転車に乗る際は、ヘルメットを忘れずに着用するようも教えられます。
また、公園やお友達の家までの行き帰りで危ないところがないかを、子どもと一緒に歩いてチェックしておくと安心です。
3-5.防犯対策
子どもの防犯意識を高めることも必須です。警視庁によると、子どもを犯罪から守るためには、防犯対策について子どもに繰り返し・具体的に伝えることが大切だと言われています。
以下は、警視庁が公開している子ども向けの防犯対策の標語です。
<いかのおすし>
- ついて「いか」ない
- 車に「の」らない
- 「お」おごえを出す
- 「す」ぐ逃げる
- 大人の人に「し」らせる
さらに、防犯ブザーを持っている場合は、使い方と、電池がなくなっていないかを定期的にチェックするようにしましょう。
3-6.お呼ばれしたときのマナー
お友達の家にお呼ばれした時のマナーも確認しておきましょう。次の見出しで、お呼ばれしたときのルール例をご紹介するので、参考にしてみてください。
3-7.ママとの約束が守れなかったときの対応
最後に、ママと決めた約束を守れなかったときはどうなるかを話し合っておくことができます。例えば、「門限を破った場合は1週間外でお友達と遊べない」というようなペナルティも、ときには必要かもしれません。
ただし、脅しでルールを守らせることのないように気をつけましょう。子どもには、「ルールはあなたを守るためのもの」「ルールを決めるのはあなたのことを愛しているからだよ」ということを忘れずに伝えます。
そして、子どもがルールを守れなかったときには、頭ごなしに叱るのではなく、まずはどうして守れなかったのか子どもの話をよく聞きましょう。その後で、どうすれば守れるのか、子どもと一緒に考えます。
4.【パターン別】子どもと決めるルール例
ここでは、「子どもがお友達と外で遊ぶパターン」「子どもがお友達の家にお呼ばれするパターン」「子どもがお友達を家に呼ぶパターン」の3つに分けて、ルール例を挙げてみます。ぜひ参考にして、お子さんと一緒にルールを決めてみてください。
4-1.子どもがお友達と外で遊ぶときのルール
以下は、子どもがお友達と外で遊ぶときのルール例です。
- 公園や校庭の中だけで遊ぶ
- 1人にならない
- 知らない人についていかない
- 他の人の迷惑になる行為や危険な遊びをしない
- 自分の持ち物を管理する
- 熱中症対策でこまめに水分補給をする
4-2.子どもがお友達の家に遊びに行くときのルール
子どもがお友達の家にお呼ばれするときのルール例はこちらです。
- 挨拶をする
- 靴をそろえる
- 家を汚さない、物を壊さない
- 勝手に部屋に入らない、勝手に物を触らない
- お菓子やジュースを要求しない
- 片付けてから帰る
- お友達の家のルールを守る
- 何かあったら親に報告する
4-3.子どもがお友達を家に呼ぶときのルール
子どもがお友達を家に呼ぶときには、子どもが自分の家のルールをお友達に説明できるようにしておくと良いでしょう。
- 遊ぶ前に手洗いうがいをする
- 決められた場所で遊ぶ
- お菓子やジュースを勝手に出さない
- 遊び終わったら片づける
- 自分の家のルールを守る
- 何かあったら親に報告する
5.勝手に遊ぶ約束をする子どもには事前のルール決めが大切!
勝手にお友達と遊ぶ約束をしてくる子どもには、まずは夫婦で、次にお子さんと、事前にルールを決めておくのが大切です。
小学校低学年のうちは子どもの責任は親にあるため、ある程度の主導権はママが握っていて良いでしょう。また、基本的に、どちらかの親の目があるところで遊ぶようにすると安心です。
子どもはママと一緒に決めたルールを守ることで、社会のルールや人との約束を守る力を育んでいきます。この記事を参考にして、子どもが放課後も楽しく安全に遊べるよう事前に準備し、子どものサポートをしていただけたら嬉しいです。
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