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あがり症で動けない…人前で緊張しやすい子どもの心理と原因、克服方法をご紹介!

この記事を書いた人

横山ミノリ 横山ミノリ

横山ミノリ

  • 中学校教諭
  • 高等学校教諭
  • 小学校教諭
  • 児童発達支援士

小1と年少の男の子の母。

長男はASD(自閉スペクトラム症)

産後うつと育児ノイローゼになった経験から”ラクに生きる”がモットーに。

子どもには「自分で決めた!」「自分でできた!」という経験をたくさんしてほしいと思っています。

子どもとの好きな遊びは工作。子育てで好きな本は、高濱正伸著の「こどもの可能性を伸ばす「しない」子育て」です。

「運動会や発表会など、大勢の前で活動するときにあがって動けなくなってしまう」「極度の緊張で泣いてしまう」など、お子さんのあがり症について悩んでいませんか?

あがり症のせいで行事を楽しめず、持っている力を発揮できない姿は、見ていて心が痛みますよね。

この記事では、7歳、8歳に発症するあがり症について解説し、心理と原因をお伝えします。あがり症の子どもと一緒にできる対策もご紹介するので、是非実践してみてください。

この記事を読めば、あがり症を克服する過程で、子どもの自信が育っていくことがわかるでしょう。

 

目次

1.あがり症とは

ここでは、あがり症の定義と症状、発症年齢について解説します。なお、一般的なあがり症は、社会不安障害も含めて考えられますが、この記事では子どものあがり症を対象とします。

 

1-1.あがり症の定義と症状

「あがり症」とは、大勢の前に出たときや注目をあびたときに、極度に緊張してしまう状態のことです。人前での緊張や不安は誰でも経験するものですが、本人が苦痛を感じるレベルの場合はあがり症だと言えるでしょう。

あがり症では、からだや声の震え、息苦しさや赤面、大量に汗をかくなどの症状が見られます。

あがり症の症状は交感神経によるもので、自分でコントロールすることができません。意識すればするほど症状が強くなっていくのです。

固まってその場から動けなくなってしまう子や、泣いてしまう子どももいるでしょう。

あがり症が原因で日常生活に支障をきたしている場合は「社会不安障害」の可能性もありますが、子どもの場合はそこまで深刻に考える必要はありません。

とはいえ、あがり症を放置すると社会不安障害に繋がる可能性もあるので、子どもの頃から適切な対応をしていくことが大切です。

 

1-2.あがり症の発症年齢

あがり症を発症するのは、7歳、8歳以降が多いでしょう。この年齢は、他者理解がすすみ、人からどう見られているかを考え始める時期です。

人前で緊張してしまうのは、周りからどう思われるかを考えてしまうことが根本的な原因です。他人の目を気にすることのない年齢では、人前に出るときに不安はあっても、緊張することはないのです。

あがり症は、自分のことを客観的に見る能力が成長している証拠と言えるでしょう。

また、小学校に上がると大勢の前に出る機会が増えるため、あがり症を発症する子どもが増えてきます。

保育園や幼稚園で人前に出る機会といえば、年に数回のイベントくらいだったかもしれません。しかし、小学生になると、毎日の授業から全校児童が参加する行事まで、たくさんの人からの注目をあびる機会が増えるのです。

 

2.子どもがあがり症になる心理と原因

ここでは、子どものあがり症に隠されている心理と、原因として考えられるものについて解説します。

 

2-1.失敗が怖い

子どもが必要以上に緊張するのは「失敗が怖い」という気持ちが原因かもしれません。この場合、大勢の前で失敗した経験が、嫌な記憶として残っている可能性があります。

例えば、失敗して笑われたことがあるなら、子どもは「馬鹿にされた」「もう恥をかきたくない」と思ってしまうでしょう。

子どもの失敗が微笑ましくてつい笑ってしまうこともありますが、本人は傷ついているということも考えられます。また、失敗して怒られた経験も、失敗への怖れの原因となりえます。

このような経験は、「失敗するのは悪いことだ」「成功すること、上手にできることが良いことだ」という考え方に繋がり、ますます失敗を怖れるようになるでしょう。

 

2-2.人からの視線が気になる

人からの視線が気になって、あがり症を発症する子どももいます。人からどう思われるかが気になるのは、発達段階として自然なことですが、過剰に意識してしまうとあがり症の原因になるのです。

「みんなが自分のことを見ている」という感覚で頭がいっぱいになってしまうのかもしれません。

 

2-3.繊細で完璧主義な性格

あがり症には、子どもの気質や性格が関係している場合もあります。繊細で不安を感じやすかったり、少しの失敗も許せない完璧主義だったりすると、あがり症になりやすいのです。

他者からの評価で自分の価値が決まると考えている子どもは、「周りから上手にできる子だと思われたい」という気持ちが強く、完璧主義になりやすいでしょう。

また、責任感の強さもあがり症に繋がります。自分の役目を全うしなければ考えて、過剰に緊張してしまうのです。

 

2-4.怒られることが多い

頻繁に怒られていることも、あがり症の原因となりえます。普段から感情的に怒られたり、できていないことばかり指摘されたりしていると、子どもは自信を持ちにくくなるでしょう。

自信のなさは、緊張のもととなる不安や怖れに繋がります。「自分にはできない」と考えて萎縮してしまうのです。

 

3.あがり症の子どもと一緒にできること


ここでは、あがり症対策としてできることや、普段子どもと接するときの心がけを紹介します。

 

3-1.たくさん練習する

緊張のもととなる不安をなくすためには、練習が何より大切です。

自分が納得するまで練習できれば、子ども自身が「たくさん練習したのだから大丈夫」と思えるようになり、自信と安心に繋がります。ママと一緒に練習すれば、より自信がつくでしょう。

また、たくさん練習すれば練習の成果を発揮することに意識を向けられるので、周りの目が気にならなくなるというメリットもあります。

 

3-2.緊張をほぐす”お守り”を用意しておく

あがり症対策として、緊張をほぐす方法を予め決めておくこともできます。緊張したらこれをすればいいと決まっているだけで、子どもの不安は減るでしょう。

緊張をほぐすのに最も効果的なのは、深呼吸です。鼻からたっぷり息を吸い、口からゆっくり吐きましょう。数回深呼吸するだけで、からだが緩んでいくのを実感できるはずです。

全身に力を入れてから一気に脱力する方法もおすすめです。その場でジャンプしたり、軽いストレッチをしたりするのもいいですね。

緊張をほぐすために、おまじないを決めておくこともできます。自分の好きなものをイメージする、「大丈夫、大丈夫」と唱えるなど、子どもが心を落ち着かせることのできる”お守り”を持っておきましょう。

大切なのは、本人が安心できることです。その子に合ったものを一緒に見つけてみてください。

 

3-3.緊張や失敗は悪いことではないと伝える

あがり症の子どもには、緊張や失敗は誰でもすること、悪いことではないということを伝えていきましょう。緊張するからこそたくさん練習し、気を引き締めて力を発揮することができます。また、失敗があるおかげで成長できるのです。

ママ自身が、緊張や失敗する姿を隠さず見せていくことも大切です。「今日のお仕事緊張するけど楽しみだな」「失敗しちゃったけどまたチャレンジしよう」など、緊張と失敗をポジティブに捉える姿勢は、きっと子どもに伝わるでしょう。

 

3-4.経験を積み頑張りを褒める

不安や怖さは、経験を積むことで小さくすることができます。緊張したけど練習通りできた経験、失敗したけど嫌なことは起きなかった経験が、あがり症を乗り越える力となるのです。

また、子どもが自分にできることを精一杯やったら、頑張りを認めて褒めるようにします。成功したときの声かけは、「すごいね!たくさん練習してたもんね!」のように、過程に注目したものだといいですね。

やがて、子ども自身が、自分で自分を認めて褒められるようになるでしょう。

 

3-5.子どもが自信を持てるような関わり方をする

あがり症の子どもには、普段から、子どもが自信を持てるような関わり方をするよう心がけましょう。

自信を持たせるために必要なのは、無条件の愛情です。「失敗してもあなたの価値は変わらない」「あがり症であることも含めて、ありのままのあなたが好き」という気持ちを、毎日の言葉や行動で伝えていけるといいですね。

無条件の愛情で自己肯定感がアップした子どもは、あがり症を受け入れて乗り越えるだけの自信を持つことができるでしょう。

 

4.あがり症の子どもだからこそ、自信を育てていける!

あがり症は焦って克服できるものではありません。日々の関わり方や、経験を積むことで少しずつ乗り越えていくものなのです。

場合によっては、あがり症を克服することよりも、子どもの心を守ることを優先すべきときもあるでしょう。不安なときは、担任の先生やスクールカウンセラーの先生に相談してみてください。

あがり症は悪い面だけではありません。責任感が強く、物事に真剣に向き合えることは、その子の長所だからです。「あがり症だからこそ、子どもの自信が育っていく」という、ポジティブな捉え方もできるでしょう。

あがり症を親子で乗り越えた先に、お子さんの自信に満ちた姿が見られるといいですね!

 

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